大好きな越百山に登りがてら巨大な「裏山」をぐるりと周回の巻。
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諸々事情がありまして、浜松にいる頃から思い入れのあった越百山。
まさかこんな近くに引っ越すことになるとは。
そして越百小屋の
tamaさん、リオ吉ちゃんがお店に来てくれるようになるとは。
ついでに言うと小屋に予約を入れる度に台風もしくは大雨に見舞われることになるとは…。
様々な思いを胸に(?)、今年も越百詣でを計画することとなりました。
昨年は越百山のみのピストンだったのですが、
今年はオットから「天気次第だけどさ~せっかくだから空木まで歩こうよ」という提案がありまして。
おお、それなら家から見える主稜線はほとんど歩けることになるね。
まさに地元の山。規模が大きいけど「裏山」とも呼びたくなります。
摺鉢窪の避難小屋は町の方々が管理登山に出掛けていくし。
町の水も
中央アルプスから来ているし。何かと馴染みのある山々です。
▲中川村の陣馬形山から見るとこんな感じ。こうして見ると越百から空木まで結構距離があるように見えますが…。
うむ、超健脚の方なら日帰り(私にはあり得ない)、または1泊2日(これもキツイ)。
まあ一般的なコースで言うと2泊3日ですよね。
その日程ならかなりゆとりがあるし、私の足でも無理なく行ってこれるかな。
でもこれまでのことを考えるとさ…せっかく計画立ててもどうせまた雨で中止になるんじゃ…
と、少々ネガティブな思いに支配されていた雨男&雨女。
しかし、
山行の数日前に見た週間予報。我々が行く予定の24~26日がぽっかり晴れで、思わず笑ってしまったわ。こんなことあるかね!スクショしちゃったわい。 直前まで予報とにらめっこしていたけども何とか大丈夫そうだったので
計画通り越百山~
空木岳を2泊3日で縦走することにしたのでした。
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【今回の行程】
※今回ログが途中で切れてしまったので↑は9/24~9/25の分 9/24 伊奈川ダム下もみじ荘→越百小屋(宿泊)
9/25 越百小屋→越百山→仙涯嶺→南
駒ヶ岳→
空木岳→駒峰ヒュッテ
9/26 駒峰ヒュッテ→
空木岳→木曽殿山荘→ウサギ平→伊奈川ダム下もみじ荘
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さて、またしても前置きが長くなりました。9/24早朝、飯島町の自宅を出発して登山口へ向かいます。山々はすぐ近くに見えるのに、登山口は木曽側にあるので権兵衛トンネルを越えて山の向こうへ。(健脚向きですが伊那谷から周回するルートもあります。それもあとから書きますね。)
朝7時頃。伊奈川ダムより1kmほど下の路肩に駐車。昨年8月の土砂崩れにより林道が崩落してしまったため今年もダム上の駐車場まで車で行くことができません。ここからテクテクと歩いていきます。我々の前に4台…今朝入った人達かな、それとも縦走組か。(それとも釣り人かも)
痛々しい爪痕・・・
でも昨年はこうでした↓
比べるととても歩きやすくなっています。助かります。
エメラルドグリーンの流れは健在。数年前はもっときれいだったけど、これでも十分心が洗われる。
しばらく歩いてダム上の駐車場までやって来ました。早くここまで車で入れるようになるといいな。でもあそこまで崩れた林道を修復するのは大変な作業ですよね。徒歩で通過できるだけでもありがたいと思わなければ。
空木岳との分岐。三日目は左から帰ってくることになるのよね。事故なくケガなく無事に帰ってこれますように。
昨年はこの辺りの道もひどい崩れ方をしていまして、
↑こんな状態の道が続いていたのですが
今年は↓
なんと歩きやすい・・・!!ダム関係者の方や小屋の車は上の方まで入れるようになったそうです。何よりです。
登山道に入る手前の福栃橋も、昨年は↓
こんなだったけど、
今年↓
すっかりきれいになっていました。
しかも今年は晴れてるし(昨年はこの林道歩きの最中から雨)。良い山行になりそうな予感。
登山口は相変わらず崩れているので、この看板のあるところから入り、元の登山道と合流します。
あ、この辺りあんまり写真を撮らなかったのでいきなり下の水場の写真です(;´Д`)この時季でも涸れることなく美味しそうな水が流れていますよ~
でもまだ登り始めたばかりだし上の水場で汲む予定なのでここは通過します。
下のコル。
看板にちらりと書いてある「おこじょ平」。10年ほど前に初めて来たときは看板らしい看板もなかったのでどこがおこじょ平なのかな?と思いながらスルーしてしまった記憶。
このあたりはイワカガミ・・・じゃなくてイワウチワだっけ。
葉っぱがちょっと大ぶりでつやつや。
静かな静かな森を歩いていきます。
あ、上のコルだ~・・・って、あれ!?
こんな可愛い看板今までなかったよね??ははーん、さてはリオ吉ちゃんが作ってくれたんだな\(^^)/嬉しい驚き。元気が出ます♪
その先、今度は「おこじょ平」の看板も!これは嬉しい!
すごく上手に可愛く作ってくれています。この下で休憩されているご夫婦がいらっしゃったのでアップで撮れなかったけど、おこじょの絵も描かれています。もしかして夏休みの宿題だったのかな。これはいい工作ですね。登山者の役に立つし、癒されます。
少し先に進んだところで我々も小休止。
今回は行動食にミックスナッツとピー揚げを持ってきました。
私の大好きなピー揚げ。命のピー揚げ。美味しいのにとんでもないカロリーモンスターだから普段滅多に食べられないんですよ…。何でもないときに食べると体重も体脂肪率も爆上がりですからね。今回のように運動の合間に食べるのならちょうどよさそうです。多分。
おやつをモシャモシャ食べている間に、先ほどおこじょ平で休憩されていたご夫婦がやって来ました。今日は越百小屋に泊まられるそう。一緒だ!ではまた後ほど~ということでご夫婦を見送り、少し経った頃我々も出発しました。
昨年は土砂降りの中、延々と樹林帯を登っていったのですが
今回は青空ものぞいているので心も体も軽くて。さくさくと足が動いてくれます。
でも、展望台の辺りまでやってくると・・・
おや?なんだかガスってますな??
まあいいや、気にせず先へ。
上の水場に着いたところで簡単にお昼ごはん。
ちょうどここで先ほどのご夫婦も休憩されていました。
今回のお昼もハムカツサンド・・・といきたかったのだけどハムカツがなかったのでコロッケサンドに。キャベツ、チーズ、コロッケ、タルタル、中濃ソース、そして上に乗ってるしなしなの葉っぱはバジル。(夏の終わりに収穫して冷凍庫に放り込んでおいたやつ。見た目は悪いけど香りは健在。)はあー、うまい。シンプルだけどうまい。
と、もぐもぐやっていたのですが、ここらで
ポツ・・・ポツ・・・
あれ?雨?
と思った次の瞬間、
パラパラパラパラパラ・・・・・
あ、あ、雨だ(ノД`)・゜・。越百ではやはり降られるのか・・・!?昨年のトラウマが。しょんぼりしてしまったけど、幸い本降りにはならず小雨程度。さっさとお昼を食べ終え、水場へ水を汲みにいき(明日の分もね)、カッパを着て出発です。ここまで来れば越百小屋まではあと1時間弱で着くし、ガンバロウ。
オットが私のザックカバーのオスプレーマークを撮ってくれたんだけど
なんだかしなしなしてるな・・・失敬。さくさく歩いて、今年も無事に
越百小屋に到着しました\(^^)/伊藤サーン
小屋に入る前、こんなところにも新しい看板が!
なんと素晴らしい~。
あ、小屋の入口にも可愛い看板が増えてる!
tamaさんも一緒に書いてるのかな。山小屋のお仕事の合間にお疲れ様です。
小屋に一歩入って「こんにちはー」と声をかけるとすぐ伊藤さんが出てこられて「やあよく来たね!」と声をかけてくれました。相変らず、ちゃきちゃきしてる(/・ω・)/またお会いできて嬉しい。
手作りの素朴な小屋はお手入れが行き届いていて
ひっそりと佇む小物たちも可愛らしく、ほっとする空間。
そうそう、今回はtamaさんが下界でご用事があるらしく、歩荷も兼ねて下山してしまっているそうです。事前にオットがtamaさんに宿泊の問い合わせをしたところ「その日、宿泊はできますけど私は不在なんです。伊藤さんしかいないけどいいですか?」というメッセージが届いたそうで(笑)
いやいやそんな、伊藤さんがいれば、そして小屋に泊めていただければ…!ああ、でも本音を言うとtamaさんにもお会いしたかったけど…もっと欲を言えばリオ吉ちゃんがいる間に来たかったけど…
願望を言えばきりがない(;'∀')
お部屋は昨年も泊めていただいたところ。
クララっていう名前がついていたっけ。
荷物の整理をして落ち着いたら、さて何しよう!快調に登ってこれたのでまだお昼過ぎなんですよ・・・外は相変わらずガスガスなので外遊びする感じでもないし。とうだうだしていたら、道中出会ったご夫婦が食堂にいらっしゃいまして。何気なく話し始めたのですが、そのご夫婦はかなり長く山をやってらっしゃるそうで(話の内容から察するにもう40~50年!?)大ベテランさんだということが判明。しかも県外から信州に移住したという我が家との共通点もあり山のことや暮らしのことなど、色々楽しいお話を聞かせていただきました。
そんな良いひと時を過ごしているうちに時間は過ぎ・・・
お待ちかねの晩ごはん♪
今回の宿泊者は我々含め6名ということで天ぷらは登場しなかったけどおでんとちらし寿司と酢の物がどれも美味しくってお腹いっぱいになりました。大満足\(^^)/ごちそうさまです。やっぱり疲れた時にはお酢っていいですねぇ。
暗くなってきたらランプの時間。
ガスっていたけど時折晴れ間も出ていたので
夕焼けが見られるといいな~と思っていたんだけど・・・結局外は真っ白のまま暗くなっていきました。
でも、小屋にこもって伊藤さんの淹れてくれた珈琲を肴に
ぽつぽつと色々な話をしました。「悪いね、tamaがいないから、僕じゃ話題がなくて」と何度もおっしゃってたけど、とんでもない。伊藤さんの言葉は劇的なものではないけれど心にすっと落ちる。ついつい耳を傾けてしまう。
「人生大変なときが華だよ」何気ない会話の中でぽつりとおっしゃった言葉がとても印象に残りました。
…でもそのあとに「もっとちゃんと働いて!ってtamaとリオ吉にいつも怒られる」って言ってたけど、伊藤さんそんななの(笑)とついつい笑ってしまったわ。私にとっては、いつもチョコチョコ動き回っていて働き者のイメージなんだけども(‘∀‘)
そんなこんな、消灯近くまで伊藤さんとおしゃべりしてしまった我々でした。さあ、翌朝は早出ですよ。4時出発予定なので朝食はまたお弁当を作ってもらいました。(お弁当ももちろん美味しいけど、いつか小屋でちゃんと朝ご飯を食べてみたい…)
伊藤さんにおやすみなさいを言って、荷物整理のため外に出る。夕方まであんなにどんよりしていた空がいつの間にか晴れて満天の星空が広がっていました。山でこんなにクリアな星空を見られるのはいつぶりだろう。せっかくだから写真を撮りたいところだけど、私のカメラではちょっと難しいので天の川を目にしっかりと焼き付けて、眠りについたのでした。
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翌朝。予定通り午前4時頃越百小屋を後にしました。
伊藤さんとtamaさんからのあたたかいお心遣い、とても嬉しかったです。お世話になりました。また来年必ず遊びにいきます!
夜明け前の道を、ヘッデンの灯りを頼りにとろとろと登っていきます。
そして一時間弱ほどで越百山山頂に到着。まだまだ真っ暗ですが・・・。
明るい時にあのかっこいい佇まいの道標を見たかったな。
越百といえば小宇宙(コスモ)。ファミコン版聖闘士星矢のBGMが脳内でぐるぐるぐるぐる・・・
デデン デデデデーン デデデデーン デン デーン「セブンセンシズをコスモとライフにかえてたたかうのです」「せきしきめいかいは!!」「ぐわあーーー!!!」
みたいなやつ。懐かしすぎる。
さてさて、ちなみにこの日の行動予定ですが越百山から空木岳までの稜線をゆるゆる歩き、空木山頂直下の駒峰ヒュッテまで行くだけ。コースタイムは6時間~6時間半ほど(山地図と雑誌とでちょっと差があったな)なので時間にはとてもゆとりがあります。こんなに早く出発する必要はないのです。でも、せっかくだから山の上でご来光を拝みたいのと、なるべく早く駒峰ヒュッテに着いておきたかったので早朝出発を決めたのでした。というのも、もしかしたら駒峰ヒュッテが激混みするかもしれないから(;'∀')実は前の晩、越百小屋に予約の電話がかかってきたときに伊藤さんが「ああ明日はね、申し訳ないけど満室なんですよ、申し訳ないね」と断っていたのです・・・え、明日越百小屋満室!?それも団体さんじゃなくて個人のお客さんで埋まったとのこと。平日なのに・・・予報が晴れだから?紅葉シーズンの始まりだから?こりゃ駒峰ヒュッテもあやしいもんだぞ、ということで超心配性の我々は「は、は、は、早めにヒュッテまで行こう」となったのでした。(まあ混雑しようがしまいがどっちにしろ早朝出発はするつもりだったけどもね)
越百山頂に着いた時点ではあまりに真っ暗すぎて
稜線歩きが少しこわかったので、休み休み歩くことに。でも、夜明けはあっという間ですね。東の空が少し明るくなってきたかな、と思ったら
みるみるうちに今日が始まっていきます。
ここからだと松川、飯島あたりが見えてるのかな?
山頂
からしばらく歩いたところでご来光待ちをすることに。
いそいそと越百小屋のお弁当を取り出します。爆弾気味のおにぎり!ワーイ
5:41、お日さまチラリ。
今日もよろしくお願いします。
良い一日になりますように。
越百方面の稜線。
これから向かう山々が見えてきた。
どの本を見ても「険しい岩場」と書いてあったのでちょっとびびってます。私、登れるかしら。
なにやらのっぺりとした雲海。湖のよう。
さあ、そろそろ出発しよう。
越百山から先の稜線を歩くのは初めて。歩く人が少ない分、若干ハイマツが濃くて道がわかりにくいところも。あ、カメラが朝露に濡れてしもうた。先を行くオットの後ろ姿がにじんでいる・・・。
ピンボケ写真ですが。
ザレた急登、ザレたトラバース道。私の苦手なやつ・・・。左(木曽側)が崖になっていたりするので「左は見るな・・・左は見るな・・・」と唱えながら通過。すいません、小心者で。私って高所恐怖症だっけ?違うと思ってたんだけどなぁ。
足場が安定した場所に来ると何度も振り返ってしまう。
越百からの稜線。美しい。いつかその向こうも歩くことがあるのか・・・?
そういうしている間に仙涯嶺に到着しました!
右下に小さく飯島町の文字\(^^)/いつも家から見ている観音様の顔の部分ですね。と、ここで今日初めて空木方面から来た方とすれ違いました。その方から「いやあ、中央アルプスの大キレットって感じですね」という信じられない一言が・・・。え、この先の岩場って写真では見たけどそんな怖いところなの!?まじか・・・不安を増幅させつつ、先の道へ。
これから進む稜線。
岩々が恐ろしいけど、とても良い天気だ。
あ、ここから見ると甲斐駒の摩利支天も見えるのか!!家からじゃ見られないもんな。なんだか嬉しい。
さあ、先に目をやると鎖場の出現。ここが核心部というやつかー
写真で見るとワケワカラン様子ですが、慎重に進めばまったく問題なしでした。鎖使わなくても大丈夫なくらい。
巨大な岩壁に沿って進むトラバース道。ここか!
もっとずっと怖いところかと思っていたけど、全然そんなことありませんでした。よ、よかったー。
さくさくと通過。
でもよく考えてみると、今回は条件が良かったんだよな。天気も良かったし風もなかったし。これが強風だったり雨だったりましてや雪なんか積もってしまうと稜線上の岩場の恐ろしさは桁違いなんだろうな・・・
余裕だーと思ってしまっても、油断はしないように。
気を付けねばな。巨大な岩壁を眺めながらそんなことを考えてしまいました。
岩場を通過してふと振り返ると、
とおーくに越百小屋の赤い屋根がちらりと見えていました。わあ!なんだか嬉しい。
アップダウンを繰り返し、トコトコと稜線を歩いていきます。
途中ハイマツやら何かの低木やらが左右から勢いよく張り出していて体やザックをぐいっと引っ張って押し戻そうとするんですよね。「おいてけ~おいてけ~」されてるのかね、歩きにくいなと思っていたのですが気付いたら腰のあたりに付けていた熊鈴がなくなっていました…(;´Д`)越百からの稜線を歩きはじめてすぐ嫌な予感がして、スマホのポーチだけはザックのポケットにしまいこんだのですよ。無くなったのが熊鈴だけでヨカッタ・・・いや、そう言ったら熊鈴が可哀想だな。どなたか、この道で黄色い熊鈴を見かけたらそれは私のでございます。ああ、新しいのどこかに買いにいかねば。
モニュメントのような石の群れ。
ガスが上がってきたな。
あそこに見えているのが南駒だろうか。なんて美しい。
「あれ山頂かな?」「ニセピークか!」
といういつもの流れを何度かやりまして、
青空の下、
うわー気持ちのいいところだなぁ。
惜しくも100名山に選ばれなかった南駒。でも、とても素晴らしいお山です。そうそう、前日越百小屋でご一緒したとある男性が「南駒っていいですよね、なんだか渋くて」とおっしゃっていましたが激しく同意いたします('ω')ノ
そういえば伊藤さんが言っていたっけ。「空木から南を歩く人は、山を本当に知ってる人ばかりだよ。 山の歩き方を知ってるようなね。だから事故もほとんどない。」初めてこの山域を歩く我々でも、なるほど…と深く頷いてしまったわ。この景色、このルート、この静けさ。なんとなくわかる気がする。(その、山を本当に知ってる人に私が含まれるかどうかは火を見るよりも明らかだな… って自分で言うにはちょっと悲しいが。)
ここまで無事に来させてもらいました。
ありがとうございます。下山までどうぞ見守ってくださいm(._.)m
これから進む道。
空木山頂はどこになるのかな?と目をこらしていたら・・・
先の山間に木曽殿山荘を発見!(黄色い○の中)
とすると山頂はあそこかな~とあたりをつけます。
ちょっと見づらい写りだけど「コスモ」の文字。
周回ルートは違う道を歩ける楽しさもあるけど歩いてきた道を戻れない寂しさもあるな。ちょっとだけ。
空木方面に少し進んで、南駒を振り返る。
青空も相まって本当に美しい山です。それなのにとても人が少ない。ここまでですれ違ったのは二人だけ。もっとたくさんの人に歩いてほしい気もするけどワイワイガヤガヤ賑わうようになるのもちょっと違うかな、とも思う。
山はほんのり秋色。
この日は本当に良い天気で風もなく、稜線歩きも安心。
9月下旬のアルプスにしては暑いけど・・・。紅葉も、いつもよりちょっと遅いような気がしますね。
ヤー。天気が良いと影で遊ぶ余裕も。
摺鉢窪避難小屋との分岐。
右手に目をやると
摺鉢窪カールの下、ぽつんとありました。
町の皆さんはここまで管理登山に来るんだもんなぁ。本当にご苦労様です。
向こう側はガスっていて百間ナギはよく見えず。
百間ナギとは年々進行している「生きている崩落地帯」。晴れていると、小屋スレスレまで迫っているのが見えるんだろうな。
9月の終わりということもあってお花少なめ。
アキノキリンソウやウスユキソウやヤマハハコやトウヤクリンドウなど…↑こちらはイワギキョウ?違っていたらごめんましょう。
絶景の中、稜線歩きを楽しんでいると
道標のないぽつんとしたピークに出ました。ここがおそらく赤梛岳かな。下界から見ていると手前の田切岳に隠れていて、そのお姿をあまり拝む機会がないけれど名前はちゃんと覚えておりますよ。もちろん。
で、ここが赤梛岳ということは、
オットが「ネットで見ると田切岳に登る人も結構いるんだね」と言っていました。もちろん一般登山道ではないけど・・・どんな道になってるのかな?挑戦する勇気はありません。とても・・・。
南駒を時々振り返りつつ、更に先へ。
昨晩越百小屋でご一緒した方々は皆さん木曽殿山荘まで行くとおっしゃってたから(お一人だけ南駒から下山ルート)そろそろあの辺りまで登ってきているかもしれないな。
正面に見えるあのとんがりは見るからにピークのようだけど
おそらく違うような気がする・・・騙されないぞ。
不思議な形の岩たち。自然って面白いです。
うおおーーー、なんだか異様な光景ですね。下界から見ても、こうして横から見てもインパクト大。
稜線上はまるで岩の庭園。
太陽の光が花崗岩の白さに反射して、ま、眩しい・・・!!わたくし、この辺りでたまらずサングラスを取り出しました。
スチャ。(なぜかドヤ顔)
どうでもいいけど腰ベルトのひもが長く垂れすぎですね・・・。
サングラスっていつもザックに入れてはいるのですがなんとなくいつも使いそびれてしまうのですよ。目から入る紫外線がなかなかやっかいだとはよく聞くから顔のシミ対策のためにもまめにかけるようにしなきゃなぁ。
あ、もしかしてあそこが山頂なんじゃないでしょうか。
おおーー、今回の縦走最後のピークにして最高峰、
空木岳に到着\(^^)/
いつか登りたいと思っていたけど、越百山と絡めて登ることができたなんて幸せすぎます。冠二郎でございます。
せっかくだから山頂でのんびりしたいところだけど、空木に来た途端登山者がわさっと増えたので先に駒峰ヒュッテにお邪魔して一息つこう、ということにしました。
山頂直下に佇む駒峰ヒュッテ。
↑の写真右上に写っていますが、本当に目と鼻の先です。
到着したとき小屋の周りに人が多かったので写真は撮れず。
↑こちらは翌日朝に撮ったものですが、とても良いロケーションに建っています。
まず宿泊の受付を、と思って小屋の中に入り「こんにちはー」と小屋番さんに声をかけると…なななんと、そこにいたのは麓で何度もお会いしたことのある知人でした!昨年まで中川村の地域おこし協力隊として活動していた高橋さんといえばご存知の方も多いのではないでしょうか。当店に遊びに来てくれたこともあるし、ジビエのお肉関連でお世話になったこともあります。まさかこんなところでお会いするなんて・・・嬉しい驚き。この山小屋は地元の駒峰山岳会のメンバーの方々が交代で小屋番をされているとお聞きしているんですが、高橋さんもそのメンバーのお一人なんですって。
初めて泊まる山小屋はちょっと緊張するものだけど、それが一瞬で吹っ飛びました。よかった\(^^)/
というわけでお世話になりますー。
二階の大部屋に荷物を置いたらひとまずテラスでおやつタイム。
見上げればすぐそこに空木の山頂!
木曽駒方面への縦走路もよく見えます。
なんと素晴らしい景色なんだ・・・。
さて、おやつを食べてお腹も心も落ち着いたら
アタックザックを持って少しだけお散歩に出かけます。例の駒石というのを見てみたくて。
我が家の裏庭から駒石のような巨石が見えるんですよね。↓こんな感じへっぽこ望遠レンズなので写りがわかりにくいけども。
もしあれが駒石だとしたら、上の稜線じゃなくて池山尾根が見えてるということなんだな。
さて、駒峰ヒュッテを出てまっすぐ下りはじめたのですが・・・
あちこちに巨石、奇石が・・・!!
ど、どれが駒石なんだろう・・・?
真っ白な、ビーチのような道。
ヒュッテから下界を見ると、ちょうど我が家のある辺りが手前の山に隠れて見えませんでした。
でも少し先まで進むと・・・だんだん見えてきた!!
左の赤いのが内堀醸造さんかな~。
てことは我が家があるのは黄色い○で囲んだあたりなのかな??違ってたら恥ずかしいけど(;'∀')
結局、駒石ってどれだろうね~もっと下かね~なんて言いながら我が家が見えたことですっかり満足してしまい、ヒュッテに戻ることにしました。
カラフルではないけど美しい秋色。
不思議な公園といった空気感。
御在所のおばれ石みたい。
近寄りすぎて全体像が収まらなくなってしまった(笑)
ちらりと見える田切岳。
なんだろう、地球じゃないみたいな妙な風景だ。
“武は五十六億七千万後の未来で弥勒になったのかもしれない・・・”あのシーンを思い出すな。なぜか。
あ、空木平避難小屋が見えます。
あそこの水場はまだ涸れていないそうですよ。(確か二ヶ所あって、片方は涸れてるって言ってたかな?)
我々の水は前日越百山の上の水場でたんまり汲んできたのでまだ余裕があります。翌日、木曽殿山荘下にある義仲の力水までの分は大丈夫そう。
あ、ちなみにお水やその他のドリンクは駒峰ヒュッテでも購入できますよ。HPには「シーズンの終わりごろには品切れになることもあります」と書いてあるので、今後はわかりませんが・・・。
ヒュッテの近くまで戻ってきたら、手前のこの山で
我が家の辺りが隠れてしまいました。確か丸山という名前だっけ。高橋さんが「ああ丸山さんね」と呼んでいてなんだかほっこりしました。
ところで後からよくよく調べたら、我々は駒石のだいぶ手前で引き返していたようです・・・我が家の裏庭からあんなにはっきり見えるくらいだから、実物はとんでもなく大きいんだろうな。次は池山尾根で登って、駒石で写真撮るぞー。
時刻はまだ13時。こんなにのんびりしてていいの?と少々不安になるほどのゆるゆるとした時間が流れていました。
※ちょっと半端なところですが、長くなってしまったので前編はここまで。近日中に後編をupしようと思います。読んでくださった方、ありがとうございます('ω')
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