ひねもすのたり。

日々と山と猫と蕎麦屋のこと。

中央アルプス南部(越百~空木)縦走 2019年9月24~26日【後編】


2泊3日、家から見える中央アルプスの山々縦走の旅。後編です。

前編はこちら↓




前編は、越百山から仙涯嶺、南駒ヶ岳を経て空木岳に到着。
そしてふらふらお散歩に出かけたところで終わっていました。
その続きです('ω')ノ



で、いきなり食事の写真。
夕方4時頃ちょっと早めの晩ごはんです。
予定していたメニューは干し野菜の味噌汁とたらこパスタ。
でも、越百小屋で作ってもらったおにぎりをひとつ食べそびれていまして。
稜線を歩きながら「あ、あのおにぎりを味噌汁に放り込むのも美味しいかも…!」
と思い付いたので早速実行してみることに。

材料はおにぎり、手作りネギ大葉味噌、油揚げ、干し野菜。



お湯を沸かすときに油揚げと干し野菜を鍋に放り込みます。
この油揚げ、パッケージをすぐ捨ててしまったので写真がないのですが
甘辛だしが浸みていて、尚且つ常温保存が可能。そして軽い!
スーパーで見つけて「これ山で使える!」と即買いしたのでした。



沸かしている間に、おにぎりとお味噌を器に入れておきます。
お味噌は我が家の常備菜であるネギ味噌に、畑でわさわさしていた大葉を刻んで加えたもの。
ついでにニンニクも入ってます。
でもおだしは入れてないから味噌汁にするには物足りないかな、どうかな、と思ったのですが
油揚げから和風だしがしっかり出るので結果的に抜群に美味しい味噌汁になりました。



油揚げと干し野菜を戻したあつあつのおだしをかけて、完成♪
ちなみに干し野菜はナス、にんじん、かぼちゃ。
うちの畑で採れたものやいただきものばかり。ありがたいなぁ。



お茶漬け風というか、おじや風というか、ねこまんま風・・・ウマーイ!!
あったまるしお腹いっぱいになるし。おだしも味噌も最高。
干し野菜も持ってきてよかった~。



さて、おにぎりも食べてちょっと小腹がふくれたところで・・・
当初予定していたたらこパスタはどうしようか・・・
作って食べきれなかったら困るしなぁ・・・

まあ、いっか。食えるだろ、運動したし!!



というわけで作りました\(^^)/
山飯の定番サラスパ+パスタソースで簡単に。
安定の美味しさです。

ああ、すっかりお腹いっぱいになりました。幸せだ~。
このあと夕焼け待ちをするも、外の風景はますます白くなっていくばかり。
風もゴウゴウとうねりはじめて寒い。
「まあ早寝しますか~」ということになり、とっととシュラフに潜り込みました。

ちなみに我々はこの日の駒峰ヒュッテ宿泊者第一号だったのですが
その後一人増え二人増え・・・三人増え四人増え!?
気付けば20人ほどの宿泊者が訪れていました。二階はほぼいっぱい。
それでも寝るスペースの確保ができない人が数人いらしたので
つめる?と言っていたのですが、結局翌日早朝出発の方は一階で寝るということで
話がまとまったようでした。いやあ、平日なのにすごい人気っぷりでした。

さあ落ち着いたところでおやすみなさい・・・

・・・グウウ・・・・・・・




おはようございます\(^^)/
(また食べ物の写真・・・!!)

3日目は早朝出発じゃないので、4時頃までゆっくり寝させてもらいました。
周りの皆さんが出発したり、朝ご飯を食べ始めた頃に我々もいただきます。
手間なく簡単に、カップスープとグラノーラで。
このグラノーラ、フルーツ系じゃなくて大豆で出来ていて
そのまま食べると節分の時に食べるあの豆の味がしてとても美味です。

あと、これに・・・


バゲットもプラス。



スープに浸すと意外とすぐやわやわになってくれるので食べやすい。
バゲットっていいですよね。食パンみたいにぺしゃんこにならないので
よく山に持っていきます。鍋や器のお掃除にも使えるし。

さて朝ごはんもしっかり食べて満足満足ー。
ちょっとお手洗いに行ってこようかな。

と小屋の外に出ると・・・



わっ・・・ もう焼けてる!!

慌ててオットを呼びにいく私。そして再び外へ。



南アルプスの上、羽根のような美しい雲。



下界も見えてきました。松川町の辺りになるのかな?



仙丈ヶ岳の向こう、雲の中から御来光おはようおはよう。



モルゲンロート。
空木山頂にも数人の人影が見えます。皆さんおはよう。



木曽駒ヶ岳方面への稜線と、その向こうに御嶽山の姿。



また、新しい日がはじまる。
じんわりとあたたかい光。

朝焼けを堪能したら、パッキングしていよいよ出発しましょうか。
小屋番の高橋さんとも色々お話しできてよかったです。
次に会う時は下界かな~その日を楽しみに。



憧れの駒峰ヒュッテ。とても素敵な山小屋でした。
大変お世話になりました。
次は池山尾根から訪れたいな。



今日の山行は空木山頂への登りからスタート。
そして山頂から木曽殿山荘へ。そして木曽側への下山ルートを歩きます。
コースタイム8時間ほど。最後には長い林道歩きが待っている…。

水と食料を消費してザックは多少軽くなっているはずなのに
まだ体がしっかり動いていないせいか、お、重い。



ゼェハァゼェハァ、いきなり若干息を切らしながらの登頂。



前日は山頂であまり写真を撮らなかったので、カシャっとな。
今日も素晴らしい青空だわー。
しばし山頂でのんびりしていたら、昨夜木曽殿山荘泊だったと思われる登山者が続々と登ってこられました。
あちらの山小屋も昨日は大混雑だったんだろうな。



さあ我々は逆ルート。空木山頂から木曽殿山荘を目指すわけです。
話に聞いていた通り、山頂の向こうは岩場の連続。







隙間からコンニチハ。



岩場。



また岩場。



岩場自体は慎重に行けば大丈夫なのですが
人が続々上がってくるのですれ違いがちょっと緊張・・・。



岩と同化する私のザック。



謎のシャキーン。



しばし歩いたところで振り返ってみる。
おお、なんという大迫力の岩塊。
中央アルプスだってカッコいいんだぞー(大声で言いたい)。



ミニサイズの鬼の俎板みたいな岩。その向こうに御嶽山



ガンガン下り続け、木曽殿山荘はまだかなぁ・・・と思い見下ろしたら
見えた、あんなところに。
木曽駒方面からの縦走を経験した方からは
「木曽殿山荘からの登りがキツイ!見ただけで心が折れる!」
という話を何度も聞いたことがありますが、確かに結構な標高差ですよね。
登るのもエライだろうけど下りもなかなか膝にきます(*_*)



ガレ場の激下りを経て、木曽殿山荘までやってまいりました~。



振り返る・・・も、逆光で何も見えん。



真っ直ぐ行けば木曽駒方面への縦走路。
いつかここから檜尾までの道をつながねばな。

さてさて、木曽殿山荘に着いたということは
次の水場「義仲の力水」まではもう少し!
水は一日目に余裕を持って汲んでおいたけどさすがに残り少なくなっていたので
(一人につき500mlくらい)ここで補給しなければ~。



・・・って・・・・・ か、涸れています・・・!!??
そうか、もうこの時季になると・・・・・クウゥーーー。

ちなみに現在の七十二候は「水始涸(みずはじめてかるる)」でございます。
まさに、ですね。

ちょうど外に小屋番さんがいらっしゃったので水場について訊いてみると
ひとつ下の水場なら汲めますよ、とのこと。
そこまでは確かコースタイム2時間ほど。
大丈夫大丈夫、そこまで頑張って下ろうー。



木曽殿山荘から下りはじめて数分で義仲の力水に到着。
はい、確かに涸れておりました。
機会があったらここの水も飲んでみたいな。



下りはじめは比較的緩やかな道。



展望台を通過。素晴らしい天気の時に来られて本当によかった。
また来年!来れたら来ます!



静かな森に光が射し込んでとてもきれい。



そうそう、越百小屋で伊藤さんが
マイヅルソウの実、見た?地球儀みたいでものすごく綺麗なんだよ!」
と熱弁されていました。
登りではあまり気にせず歩いてしまったので、下りはなるべくキョロキョロしてみました。
マイヅルソウの実自体はいくつか見つけられたんだけど写真がピンボケ・・・!
確かに模様が美しい!でももっと色づいた時に見たらもっと綺麗なんだろうな~。
これからこの時季に山登りするときは足元をよく探すようにしよう(^^)



このルート。もっと寂しい道かなと思ったけど、美しいところじゃないですか。



ギャオス!って感じの枯れ木。
得体の知れない何かから鳥獣が生まれたみたい。



そしてしばし歩いたところで、次の水場に到着!
仙人の泉。飲めば不思議な力が湧いてくるかも。



ありがたく頂戴します。



美味しいお水で休憩しながらお菓子をつまみます。
もう残りわずかだけど、バナナチップス。美味しいですよね、コレ。



その後も順調に下り続け、吊り橋のところに来ました。
「吊り橋が流されちゃったから今はないんだけど川の石づたいに渡れるところがあるから」
と事前に聞いていたんだけど、吊り橋あった!!助かりますー。



なんか・・・斜めになってるけど・・・ヨロヨロと通過。

若干のアップダウンを繰り返し、最後は急な下りを経て、


うさぎ平まで下りてきました\(^^)/オツカレー
あとは林道をひたすら歩いて車まで戻るだけ。

そういえば3日目のお昼ご飯用にラーメンを持ってきてるんだけど
どこで食べよう?
ちょうどうさぎ平に下りてきたところに木のベンチがあったんだけど
まだそこまでお腹も空いてないし・・・
まあとりあえず進もう、ということになりそのまま歩きはじめた我々でした。
(今思えばここで食べておけばよかった・・・)



ここからの林道歩きはコースタイム2時間ほど。
長い・・・長いけど、淡々と歩いていけばじきでしょう。



ん?ダムより8km??
てことは車まで9km・・・・・!!!

あと2時間、もアレだけど
あと9kmという数字が脳内をグルグルグルグル駆け巡って・・・

この時点で心が折れました\(^^)/

まあ、でも、自分の足で歩くしかないんですよね。当たり前だけど。
頑張れ頑張れ。できるできる。



あ、水場・・・らしきもの。
道から少し遠かったのでこんな写真で申し訳ないのですが
そういえばスマホのマップじゃなくて紙の山地図には「水」マークがあったな。
横にカップも置いてあったのでちゃんと水場なんだと思います。多分。



てくてく歩きながら小腹が空いてきたので
ポケットに放り込んでおいた行動食をかじります。
一日目と同じ、ピー揚げ+ミックスナッツ。
この塩分が疲れた体に効く~。



なんていい青空なんだ!しかし暑い・・。



金沢土場を左に折れて歩いていくと、伊奈川本谷避難小屋がありました。
ネットには「荒廃しているので使うには勇気がいります」と書いてあったけど確かに。



あと7km・・・あと6km・・・
路肩の看板を見ながら、ただただ無言で歩く・・・
なんだか林道に出たら急に荷物が重くなった気がする(気のせいなんだけど)。
肩がいてェ、足もいてェ、なんだか頭もいてェ気がする。
そんなとき、道端に咲いていたダイモンジソウ。ちょっと癒されました。

この辺りでどうにもたまらず、スマホを取り出し何か「音」を出して気を紛らわすことに。
オットは落語。私は新しいスマホに落語を入れていなかったので某深夜ラジオの録音をば。



そしてやがて越百との分岐に到着!
このあと上の駐車場を通過して・・・



ダムの綺麗なブルーが遠くに見えてきた・・・キラキラしてる。



そして半分白目になってきた頃、ようやく、ようやく



ゲートくぐったーーーー



車に着いたーーーーーーー\(^^)/

今回もわりと調子よく歩けてコースタイムを若干巻くくらいだったので
林道も2時間かからず歩けるだろうと思ったのですが、しっかり2時間かかってしまいました。
ああ、でもよかった。事故なくケガなく無事に歩けました。嬉しい。

あ、ちなみにラーメンは結局食べそびれて歩き切ってしまいました(;'∀')


最後になっちゃったけど3日目のログ。
3日間で歩いた距離は29kmほどだったのですがそのうち13kmぐらいが林道歩き。脅威!
急登よりも、激下りよりも、最後の林道歩きがなによりつらかったな。



下山後は温泉に直行してサッパリ。
そして晩ごはんはしばらくぶりのヒゲのとんかつ。
浜松にいた頃から通っていた大好きなお店です。最近はなかなか行けていないけど・・・。
美味しかったです。疲れが吹っ飛びました。



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飯島に引っ越して6年目、次の冬が来ると7年目に突入するわけですが
こんなに夏~秋のアルプスを楽しめたのはこちらに来てから初めてのこと。
(テン泊も7年ぶりだったし。)
周りの環境に恵まれたおかげで信州の暮らしに馴染むのは思いのほか早かったとは思うのですが
6年目にしてようやく趣味をしっかり楽しむ心のゆとりができたような気がします。
それもこれも、なんとか商売を続けていけているおかげ。
そして留守中に猫たちのお世話をしてくださる友人ご夫妻のおかげ\(^^)/
本当にありがとうございます!
これからしばらくは日帰りハイク中心になるかと思うけど、
来シーズンはまたリフレッシュ休暇として時々ゆっくり山に行けたら・・・。
その際はまたご迷惑をおかけするかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします。

最後に、だらだらと書いてしまいましたがここまで読んで下さった皆さま、ありがとうございました♪




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