久々のテン泊でのんびりハイク。二日目のお話です。
▼前編はこちら
おはよう、テントがバリバリに凍っていた二日目の朝。
暗い内からのそのそ起き出して、お手洗いに行ったり満天の星空を眺めたりとのんびり過ごしていた私たちですが…さすがに寒いです…。
前日の最低気温は1℃台、そしてこの日はいよいよ0℃にまで下がったそうです。
山で泊まる時はいつも暗い内に出発して上で御来光待ちをするのですが、今回はどうしようか…とギリギリまで迷っていました。
というのも、天気は良さそうなのですが寒さに弱いオットが「ゆっくりでいいよ…」と戦意喪失していたのです。って、決してオットのせいにするわけではないのですけどね、私も寒かったし(;'∀')
結論、外がうっすら明るくなるのを待ってから出発しよう!ということになりました。
出かけるまでの間、テント前でお湯を沸かしてゆっくり朝ごはんをば。
カップスープ+パンの予定でしたが、前の晩の白飯が少し残っていたのでスープにそれを放り込んで洋風雑炊のようにして食べました。←あ、おしゃれにリゾット風って言えばいいのか。
朝ごはんとしてはちょっと少なめだったので、道中で食べる行動食は多めに。
5:28 ぼちぼちいってきまーす。
昨日も通った夏沢峠に向けての道を黙々と歩いていきます。
やっぱりこの朝の歩き始めが一番きついな…。
どんなにゆっくり歩いても体が重たくて。
今回、御来光お預けなのはちょっと残念だな…まあ天気は良さそうだから山頂から絶景が見られればそれで充分か…と思いながら歩いていたら、夏沢峠に到着したところで
おお!!山の向こうからちょうど御来光が!!
わあーーー、そうか、ここまで来れば東側が開けているから日の出が見られるんだね。
山頂近くまで行かなきゃならんと思い込んでいました。嬉しいなぁ。
そして眼下には一面の雲海。なんて素晴らしい…。
元気充電。よし、頑張って登っていこう。
硫黄岳山頂へ続く登山道にもやわらかく朝日が射して。
雲海を振り返りながら少しずつ高度を上げていきます。
はあ…思わずため息が。
あ、下の方にオーレン小屋が見えてきました。
テン場は森の中だから確認できず。
森林限界を過ぎて、登山道がゴツゴツしてきました。
ジグザクのガレ場を黙々と。
ふと右手に目をやるとぽっこりしたお山が。
峰の松目というピークが地図に載っていたからそれなのかな。ちょっといい形ですね。
それにしても今回「峰の松目」という言葉がすんなり出てこなくて。松の峰目だの蜂の松目だの…。峰の松目って結局なんなんだろう(;'∀')
周りの風景に気を取られてコケないように…注意注意。
…なんて言いつつやっぱり何度も振り返ってしまう。
昨日歩いた根石岳、東天狗&西天狗が見えてきた!
山頂近くになるといくつかのケルンが。
時折足を止めて、キンッキンに冷えた朝の空気を吸い込みながらじわじわと登っていけば…
6:48 わ、ここが山頂かな?お疲れ様でした~~~。
写真で見ていた通り広い山頂だなぁ…その中にぽつりぽつり人影が。
山頂の標識の辺りをウロウロしていたら、隣のテントのお姉さんと遭遇。
挨拶しつつ軽くおしゃべりしていたらまた「すみませんが写真お願いできますか?あ、よかったらお二人も撮りますよ」の流れで、
お言葉に甘えて撮っていただきました。ありがとうございます♪
お姉さんはこのあと横岳まで足を延ばすと言っていました。
そうなんですよ…オーレン小屋から硫黄岳のみを目指すとコースタイム3時間ほどであっという間に終わってしまうのです。
私たちも横岳辺りまで行こうか?という話もしていたのですが…「まあ、いっか」になってしまいまして。
今年はどうも楽な方へ楽な方へと気持ちが行ってしまう。
まあそんな時もあるさ…半端な気持ちで行っても、場所が場所だけにケガしそうだし。
今回はのんびりじっくり、この絶景を楽しもう。
根石岳、東&西天狗が相変わらずばっちり見えています。その左奥にぽこっと見えているのは蓼科山かなぁ。
そして正面にドドンとそびえる南八ツの面々。
中央に見えているニョッキとしたのが赤岳かね…。
すごい高度!だけど小屋もよく見える。
とある方が「八ヶ岳はコンパクトな山だから」と言っていたのをふと思い出します。(決して登るのが楽という意味ではなくて)
なんだか不思議な感覚だなぁ。
おや、あんなところにぼこっと突き出た部分が。
地図を見ていたオットが「あれが大同心かな?」と。
ヤマレコで確認したらオレンジ色の線が思いのほかたくさん付いていました…ということはあそこに登る人もいるんですね(;'∀')ヒョエー
↑この写真でいうと真ん中に見えている稜線が権現か…。
以前、編笠山と権現岳に登ったのは2011年9月のことでした。
当時のブログ記事↓
その1~その5まで細切れに書いているので読みにくくてスミマセン。
見返して思い出したけど、我が家のテン泊デビューは青年小屋だったんだな!
9年前かぁ。10kgちょいの重さのザックでヘロヘロになった私の話が書いてあります。
ちなみに今回のテン泊装備も10kg程度だったのですが、感想はただただ「軽っ…」。
多少は成長したのでしょうか、私も(;'∀')
来年は赤岳、阿弥陀岳、横岳に登れればいいなぁ。
そしていつか権現から赤岳の道もつなげたいな。
そうすれば八ヶ岳のメインルートはほぼ歩いたことになるのかしら。
そんなことをぼんやり考えつつ目線を少し右に移します。
いい雰囲気で佇むオニーサンの向こう、一番奥に見えている山塊は…
南アルプス・甲斐駒だ\(^^)/
我が家からちょこんと見えるのはにょきっとした三角だけど、ここまで来るといわゆる「山梨側からの甲斐駒」ですねぇ。摩利支天ぼっこりカッチョイイ。
右側は鋸岳のギザギザ。
南アルプスより北側の山塊。
あ、あれって中央アルプスだよね?
↑写真真ん中あたりがなーんとなくカールっぽく見えるような見えないような。違ってたらゴメンナサイ。
その少し左を写した一枚。
もしかして、いつも家から見ている観音様(仙涯嶺・南駒・田切※赤梛岳)かな??
右側の切れ落ちている辺りが木曽殿山荘のあるえげつない標高差のところなのかしら。こちらも全然違ってたらゴメンナサイ。山座同定得意な方、お願いしますm(__)m
↑オットが撮ってくれた一枚。
どこもかしこも絶景すぎてそこらじゅうにレンズを向けていた私。
このまま雲の上を歩いていけそうなほどの雲海。
景色をぐるりと堪能したので爆裂火口のふちを歩いてみようかね。
左側が崩れているので注意しつつ、ロープに沿って歩いていきます。
正面に見えているあの島のような山塊は…金峰や瑞牆なんかの奥秩父の山なのかな?
ズーーーーム…
あっ!なんとなくだけど五丈岩っぽいものが見える!
じゃああそこが金峰で合ってるのかな。
今回晴天の天狗をクリアしたから、いつか晴天の金峰もクリアせねばな。
(数年前に一度登った時は見事にガスガスでした)
それにしても寒いです。
登りの道中からあちこちに霜柱が立っていたけど、山頂付近もビシバシです。
爆裂火口のふちの先端から山頂方面を見たところ。
本当に大迫力の岩壁です。思わず寒さも忘れてしまう。
ほんの数十mの距離を歩いて山頂に戻ると、横岳方面から登ってくる人がじわじわ増えていました。上の写真は横岳へと続く登山道に立っているケルン。何かの遺跡のような佇まい。
登山道の先を見ていくと山小屋発見。
あそこが硫黄岳山荘かな。
稜線歩きも楽しそうだけど…今回はゆるっと周回してテン場へ戻ろう。
それで下山してから何か美味しいものでも食べに行こう。オー。
下りる前にちょっと行動食でもつまんでいこう。お腹空いたわ。
エナジーバーなどもしゃもしゃ食べながら下をのぞいてみると、砂浜のようなところに赤い服の登山者さんがぽつりと見えました。わ、なんだかいいところだな。あそこが赤岩の頭かな?
よし、お腹が落ち着いたところでそろそろ行きましょう。
硫黄岳の広い広い山頂の一画から赤岩の頭へ向けて下っていきます。
いかんせん山頂がだだっ広すぎて一見「どこから下っていくんだ…?」と戸惑ってしまった私。
↑ちゃんとこういう看板があるので落ち着いて辺りを見なければなりませんね。失敬。
そういえば硫黄岳の山地図には「濃霧時注意」と書かれていました。
確かに、ガスガスで視界がほぼ無かったら変なところから下りていっちゃいそう…。
ちなみに上の写真の看板がある登山道と、その一段下にも登山道があったのですが「どっちから下りるんだ?おそらく少し下で合流してるんだろうけど…ひとまず看板のある方から下りるか」ということにしてみました。
すると、
下山を始めていきなり現れた岩場。
そして岩場を通り過ぎたと同時に現れる分岐。
あ、一段下にあった登山道は巻き道だったのか…(;'∀')
その少し先にも「明らかに登山道は真っ直ぐ続いてるけど右側の斜面にたくさんのトレース」という場所があり、そちらも岩場と巻き道でした。ちょこちょこあることなんだけど後ろから人が来ていると「ど、どっちだ!?」とドキドキしてしまう私でした(落ち着け)。
下りながらオットが「あ、御嶽が見える」と言っていたけど足元は急なザレ場。
よそ見したらコケるわ…と余裕のない私は平らなところまで一気に下ります。
あ、ほんとだ御嶽だ\(^^)/
遠くには北アルプスも。
にょきっとした槍だけは私でもわかるけどそれ以外は…。
峰の松目らしき山もどんどん近づいてきました。
地図には「展望なし」と書かれているので特に寄る予定はないんだけど…どんなところなんだろうな?
足元に気を付けつつもちょこっとよそ見もしつつ、
赤岩の頭の辺りまで下ってきました。
白いキラキラの砂…眩しい(*_*)
こういうところでサングラス使わないと…といつも思うんだけどザックの頭ポケットに入れっぱなしなんだよね。←しかもこの時はテント内に置き去りだった。
キラキラの砂の中、水晶のようなきれいな塊が。
よーく見たら霜柱でした。おおーすごいなぁこんなふうにもなるのか。
赤岩の頭から右手の登山道(オーレン小屋方面)に入っていくんだけど、
あの先が少し気になる…
とほんの数m足を延ばしてみたら確か道標には赤岩の頭山頂とか書いてあったっけ?このまま真っ直ぐ行ってもぐるっと回ってオーレン小屋に着くんだけど、私たちはやはりさっきの右の道を行こう。
分岐からもう一度硫黄岳山頂方面を振り返ってみる。
良い天気の時に来られて本当に良かったな。またいつかお邪魔します。
分岐から樹林帯に入ったら小屋までひらすら下るだけ。
コースタイムを見ると1時間もかからないくらい。
静かな森の中、下りてきた道をふと振り返ってみる。
やっぱり八ヶ岳はいい雰囲気ですねぇ。
↑この白い実、山で時々見かけるんだけど何だっけ…。
帰宅してから調べたら「シラタマノキ」でした。
丸っこくて可愛らしい。
峰の松目方面からの道とも合流して、
もう少し歩いていくと、小屋が見えてきた!
8:34 無事にテン場に戻ってまいりました~。
我が家のテントを張った場所はまだ日陰で、あと数分待てば陽が当たるかなといったところ。うーむ、下の段の方が朝の陽当たりがいいのか…次回来るときの参考にしよう。
テントがびっしょりなのでひとまずフライシートを横のスノコで乾かしつつ、お茶でも一杯。
今日もまたいいお天気だなぁ…あ、飛行機雲。
テントを乾かしつつ、お茶を飲んだり行動食の残りを食べたり。
時間がまだ早いのですぐ下っちゃうにはもったいないような気もするけど…
10:24 テン場を出発し下山開始。
これから登ってくる方々とちらほらすれ違いながら、森の中を歩いていきます。
オットにカメラを向けられなぜかかしいでいる私…。
スッテケスッテケ。
今回「寒いだろうな」と思っていたので、荷物のメインは防寒具でした。
でも水が豊富な場所なので家から持参した水分は小屋までの500ml×1本のみで済んでしまったわ。だからかさばるわりにはザックが軽かったなぁ…。
やはり水は偉大。水は神。
11:15 “中”の駐車場まで戻ってきました~~~お疲れ様\(^^)/
今年唯一となりそうな予感のテン泊。
無理のないようにとかなりゆるいコースで行ってみたけど今の私にはちょうどよかったです。テントでのんびりする時間もたくさんあったし。
今回のコースは「登山初心者・八ヶ岳入門におすすめ!」と書かれていたけど本当にそうだなと思いました。天狗の山頂直下にほんのわずかな岩場があったくらいで特に難所があるわけでもないし。
駐車場から小屋・テン場までがとても近いので、小屋泊デビューやテン泊デビューにもちょうどよさそう。ご興味のある方はぜひ!
〝今回の拙いレポも読んでくださってありがとうございました。〟
▲おまけ▲
下山したらなぜか二人ともラーメンの口になっていたので、近くにあったテンホウさんへ。いつだったか、どこかの山の帰りにも同じお店にお邪魔したっけか…。
肉揚げラーメン。うましでした。
▲更におまけ▲
予備の食料として持っていった袋ラーメン。
食べずに帰宅したので翌日のお昼にいただきました。
なんだかラーメン続き。美味しかったです('ω')