ひねもすのたり。

日々と山と猫と蕎麦屋のこと。

▲爺ヶ岳(2,670m) 2021年9月27日

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色々と予想外の北アルプスデビューとなりました。

 

 

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爺ヶ岳(じいがたけ)

後立山連峰の南部にあり、北峰・本峰(中峰)・南峰の3つのピークからなる。爺ヶ岳の山名は、残雪期に種子蒔き爺さんの雪形が現れることから付けられたもので、爺さんが蒔く種を漬ける種池だ、というおまけまでついている。(ヤマケイオンラインより)

 

【今回の行程】

柏原新道登山口→種池山荘→爺ヶ岳中峰(ピストン)

▲合計距離 13.3km

▲累積標高差 1594m

▲行動時間 7時間9分+休憩1時間6分

 

【いきさつ】

なんだかお天気が良さそうな9月最後の定休日。

せっかくだからどこかへテン泊しに行こうかな。今年の目標だった塩見と赤岳は無事クリアできたから、あとは常念&大天井1泊2日だな。よし、行ってみようか!

…と、思ったのだけど… どうしてだか気が乗らない。

なぜだろう?お天気も問題なさそうだし、体力的にも時間的にも十分余裕があるはず。なにより10月に入ったらだんだんテン泊もきつくなるから、おそらくこれが今シーズンラストチャンスのはず…。

それでもやっぱり気が乗らないのです(・・;)

オットと二人で「どうする…?行く…?」の繰り返し。

で、なんだかんだ話した結果、最終的には「ま、まぁ…いっか?今回は…。どっか日帰りの山にする?」ということになったのでした。

なんなんだよ!と自分で自分にツッコミを入れたい気分(・・;)

もしかしたら北アルプスデビューで緊張してたのかな?実は山登りを始めて10年以上(確か15年)になるのですが、北アルプスエリアの山に登ったことが一度もないのです。

コロナ以前から「人がたくさんいそう」という理由だけでなんとなく足が向かなくて…。気付いたら中央アルプス南アルプス八ヶ岳里山ばかりをウロウロしていました。

それでも最近になってようやく「せっかく山をやってるんだから北アルプスにも行っておかないと…」と思い始めた私。まぁオットはいまだに「えぇ~北アルプスぅ~~~??」と若干嫌がっているけど(;'∀')

 

それで結局どうしたかというとタイトル通りなのですが、北アルプス後立山連峰の一座である「爺ヶ岳」に日帰り登山をしてまいりました。いきなりテン泊は気が進まなかったけど日帰りなら、まぁ…。

北アルプスデビューでなぜ爺ヶ岳という渋いところを選んだかというと、このところSNSで見かける機会が多くて気になっていたのです。まず山頂へ続く柏原新道(登山道)がとても歩きやすいということ。そして稜線に出てからの眺望が素晴らしいこと。もうひとつ、つい何日か前に当店の常連様がインスタにて「日帰りで行ってきました!」と投稿されていたこと。

爺ヶ岳に行くなら冷池山荘にテン泊して鹿島槍と合わせて登りたいな~とひそかに思っていたところなのですが、常連様の投稿を見て「そうか、爺ヶ岳だけ日帰りで行くという手もあるのか」とすっかりその気になってしまいました(つまり真似です)。

ちなみにガイドブックなどによると、爺ヶ岳は1泊2日コース。日帰りは健脚向きとあります。でも登山道は歩きやすいし危険箇所も少ないため、ある程度体力のある人なら大丈夫なんじゃないかなといった印象でした。

前置きがかなり長くなってしまいましたが、ようやく本編です↓

 

【本編】

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朝5時半頃、登山口近くの無料駐車場に到着。

北アルプス方面はまるで土地勘がないので、駐車場も「ここでいいのかな…?」とドキドキ。ここが満車だと扇沢駅の駐車場に停めることになるそうです(歩いて15分程と書いてあったような)。

 

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私たちは橋を渡った先に停めたので、ほんのちょっとだけ歩いて登山口に到着。

 

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5:54 ここからいよいよ出発です。初めての北アルプス、どんな景色が見られるのかな。

 

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とにかく歩きやすいと聞く柏原新道。

その名前は、種池山荘の柏原正泰さんにちなんだものだそうです。

柏原新道は現オーナーの柏原正泰(二代目)が昭和30年代後半から昭和41年頃にかけて自らツルハシやスコップを手に持ち、独力で開けた登山道です。 それ以前は扇沢を詰めて種池山荘へ直登するという北アルプスでも名立たる急登でした。開通によって安全かつ短時間で爺ヶ岳鹿島槍への登頂が可能になりました。今でも種池山荘スタッフが整備に当たっています。 開削から50年以上をへて今では代表的な北アルプス入門コースの一つとなりました。(種池山荘HPより)

 

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柏原さんに感謝しながらテクテクと歩いていく我ら二人連れ。

 

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おや…ガスが晴れて山の姿が見えてきたぞ。

 

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朝の強い光が登山道に降り注ぎます。

 

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歩いていくにつれ、やけにカッコいい姿の山が姿を現しました。うわー、あれが針ノ木岳なのかな?

 

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八ツ見ベンチに到着。この日は八ヶ岳は見えなかった…はず。というより西側の山々に気を取られてちゃんと確認していなかったような気がする(・・;)

 

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(レンズが曇っていたせいかちょっと幻想的な写真になっちゃったな)

 

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中アとも南アとも異なる山の様相。

ちょうどこの辺りでとある女性グループさんに道を譲っていただいたのですが、山に詳しそうな方々だったので「あれって針ノ木岳ですか?」と尋ねてみました。すると…

「そうね、針ノ木だと思う!それかズバリかなぁ!」

とかなり勢いよく答えられたので私の脳内は一瞬で丸尾くんに埋め尽くされました。

ズバリそうでしょう…!!(正しくはスバリ岳)

初めて足を踏み入れる山域だったので少し緊張もあったのですが、この短い会話のおかげで気持ちがほぐれました。ありがとうございました\(^^)/

 

下山後にちゃんと調べてみたら、左の三角が針ノ木で、右がスバリ岳のようです…が、違っていたらスミマセンm(__)mスバリ岳らしき山にピークが二つあるようだけど、右が2569のピークで(名前はあるのかな?)、がく~んと下がっているところがマヤクボのコル?なんだかもう「?」マークがたくさんになっちゃったわ。

 

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少し引いてみると…左が蓮華岳で、右が赤沢岳…というのか。

 

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(まだ写真が幻想的になっていますねぇ…)

傾斜の緩い快適な山歩きを楽しみながら、どんどん先へ。

 

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ふと正面が開けてきたので目を向けると、種池山荘が見えました!うわーいいところに建っているなぁ。まずはあそこを目指して頑張ろう\(^^)/

 

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西側にはずっと絶景。うっとり。

 

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周りの木々は秋色。

 

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向こうの斜面の彩りもきれい。

 

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「石畳」という、その名の通り石が敷き詰められた道に出ました。登山道というよりなんだか古道のようだな…と思いながら歩いていたら、オットからも「古道を歩いてるみたい」という声が。

 

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石畳を過ぎ、落ち葉の道になると…

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水平道という、名前からしてのんびりなルンルンロードに。

 

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今度は向こう側も歩いてみたいなぁ(^^)

 

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更に進み、こんなところに出ました。アサミ沢…?

 

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周りにはアザミの群生が。きっとアザミ沢なんだろうな。

後から調べるとこの辺りには7月上旬頃まで雪渓が残っているそうです。

 

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黄金岬。黄葉が陽に輝いてまさに黄金色です。

 

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南側の雲海がまるで押し迫ってくるようだわ。

 

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さて、更に進むとガラ場と呼ばれる場所に来ました。※この看板は下山時に撮ったものなので「下山」と書かれています。登りでもガラ場手前にこのような注意書きがありました。

えぇ~サルやカモシカかぁ…上をチラチラ見つつ、足場も確認しつつ、ささっと通過せねば。

 

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前方を見ると先行者さんが一人。おぉ~あんなところ通るんだ!とドキドキしたけど近づいてみるとわりと幅はあったのでひと安心。

この辺りは8月中旬頃まで雪渓が残るとのこと。でも種池山荘の関係者さん方が2日に一度は整備してくださるので安心して通過できるそうな。ありがたや…。

 

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ガラ場を通過し、また歩きやすい道になりました。

 

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富士見坂かぁ。

 

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目をこらしてみたけれど…この日は遠くの景色がぼんやりとしていてよくわからず。でも休憩にはちょうどいい場所だなぁ。

 

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ということでトレイルミックスを取り出してぼりぼりと。

これまであまり人に会わず静かに歩き続けてきたけど、この辺りまで登ってくると何組かの登山者さんに追いつきました。とはいえみんな休憩を挟みながらなので(私たちも)抜きつ抜かれつといった感じ。「暑いですねぇ~」などと話をしながら。

 

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さあ!小屋まで最後の登りだ!と気合を入れ直した私の前にこんな看板が…。く、熊…。そういえばSNSで「最近爺ヶ岳の辺りがヤバいらしいよ」という情報をちらっと見た気がするけど、もっと標高が下の方だと思ってました(・・;)

 

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これまた古道のような趣のある坂を、熊鈴チリンチリン言わせながら登っていきます…ドキドキ。

 

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そして数分後… あっ、小屋が見えてきた!

 

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8:56 種池山荘に到着\(^^)/休憩含めちょうど3時間。ほどよいペースです。

そしてすかさずお手洗いを借りに行く私。気温が低いからついついトイレが近くてねぇ…。

オットは外のテラス近くで待っていてくれたのだけど、お手洗いの前からオットを見ると、山々をバックにして良い感じ!「今写真撮ってあげるからそのままで!」とオットに声をかけてカメラを構えたら…

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シャッターを押すと同時に、上がってきた登山者さんに「こんにちはー(ペコリ)」と挨拶をしたオットでした。なんだか妙な写真を撮っちゃったな、まぁいっか。

 

さて、そんなこともありつつ改めて小屋からの景色を眺めてみると…

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わっ!なんだこの眺めは!!…と思わず声が出ました。

立山だよね、なんときれいな山々なんだろう。※下山後に確認してみると左から立山真砂岳別山とのこと。

 

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爺ヶ岳山頂へ向かう道中にもこんな看板が…(;´Д`)超注意!?

私もオットも熊鈴をジャリンジャリン言わせながら歩いていきます。

 

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紅葉と登山者さん。すっかり秋の風景。

 

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正面にはドドンと爺ヶ岳。あのきれいな三角が山頂かなと思ったのだけどあそこは南峰のようでした。中峰はあの向こうに。

 

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小屋近くの登山道脇には、チングルマの群生が!!朝露に濡れたのか、穂がシュ~ンとしていて可愛い。

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下の方までずっとありますよ。これは7月頃に来ればきれいなんだろうなぁ~。

 

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ヤマハハコもわさわさしています。

お花がもう少ない時季だから、少しでも見られると嬉しいな。

 

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足元を眺めたり周りをキョロキョロしたり忙しい。南にはずっと大雲海。

 

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少し先へ進んでも…、

 

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また、振り返ってしまう。種池山荘の屋根のオレンジ、風景に映えますね。なんて素敵なんだろう。

更に歩いていくと、

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わぁ!あれは…劔だ!!(゜゜)

 

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あまりに衝撃的な眺めに、ついつい無駄にズームしてしまった…

すごいな!こんなカッコいい山見たことないぞ、いやいや中央アルプスの仙涯嶺だって負けてはいないけど…いやあ、それにしてもすごいな~本当にすごい、と何故か語彙力が危うくなる私。

 

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劔の隣は池平山とのこと…その北は赤谷山とか毛勝山?地図を見ると間に猫又山と書かれているけどそれも見えてるのかなぁ。

 

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絶景に何度も足を止めながらも少しずつ山頂へ近づいていく私たち。ハイマツと雲のこの感じ、夏山みたいだわ。

 

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それでも季節はやっぱり秋なのですね。

 

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あ、あの辺りの紅葉がすごくきれい。

 

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登山道ではないので近寄れないのが残念だけど、遠くからでも楽しませてもらいました。

 

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あちらは鹿島槍へと続く稜線。

 

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肝心の山頂は雲の中。

 

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もう一度振り返る。まるで外国の絵葉書のような風景。

 

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そんなことをしている間に前の登山者さんとの間が結構空いたな(;'∀')

 

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とはいえ時間にはゆとりがあるので、また振り返りつつ…

 

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美しすぎて、何度も同じような写真を撮ってしまう。

 

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登りながらふと北側を見たら、冷池山荘らしき建物が!いいな~いつかあそこでテン泊したいなぁ。

 

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その先の鹿島槍は相変わらず雲隠れ。

 

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更に登っていくと、目の前に山頂らしき場所が見えてきました。あれが南峰?それとも中峰?

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…と思ったところで目の前にこんな道標が。この上が南峰で、目の前に見えているのが中峰なんですね。ということは小屋から見えたきれいな三角形をちょうどいま巻いているところなんだ。

「南峰に寄ってく?」とオットに訊かれたけど、ひとまず直進して中峰へ向かうことに。

 

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正面に見えるあそこが中峰。近いように見えるけど…

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一旦下って、登り返し。

 

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山頂直下、なかなか急です。前の登山者さんも頑張ってるな…私も頑張ろう\(^^)/

 

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南の大雲海を眺めつつ。

 

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足元に真っ赤な葉っぱを眺めつつ(ウラシマツツジかな?)

 

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あ、分岐だ。右へ進むと爺さま中峰。まっすぐ進むとピークをふまずに冷池山荘方面に行けるとのこと。そしてここからひと登りで…

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10:18 爺ヶ岳中峰に到着です\(^^)/お疲れ様!

山頂はゆったり腰を下ろして休憩できるだけのスペースはあったのですが、他にも数組の登山者さんがいらしたので少し距離をあけて…最終的に南を向いて座るような形になりました。そんな私たちの目の前は、

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ガスガス真っっっ白・・・・・

あ、でも真ん中あたりにぽっかり穴が開いて向こうの雲海が見える。

 

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目線を少し西側に移すと、こちらはかろうじてとおーーーくに山が見えます。どこなのかはわからず(;'∀')

 

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おにぎりをむしゃむしゃ食べながら首をぐるんと回すと、堂々とした佇まいの劔さま。

 

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そうそう、今回はお昼ごはん以外にも美味しいものを持ってきました\(^^)/

お友達のハルカさんが手作りされている「ハルグラ」というグラノーラです!ココナツカカオ、そば粉&雑穀、マスタードなど種類がいくつかあるのですが、実はそば粉は当店で自家製粉したものを使ってくださっています。ありがとうございます♪

グラノーラって牛乳や豆乳、あるいはヨーグルトなどと一緒に食べる印象でしたが、このハルグラはそのままぽりぽり食べたくなります。素材の美味しさ、ほんのりとした甘み、香ばしさ。ぜひみなさまにも召し上がっていただきたい…!

 

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現在キッチンガーデンたぎりさんや陣馬形山キャンプ場、たろう屋さんなどで販売されているそうですが人気商品のため品切れなどあるかもしれません。ご注意ください。

ハルグラインスタアカウント→ https://www.instagram.com/haru.granola/

チェックしてみてくださいね。『お山でハルグラ』も最高でしたよ♪

 

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さて、すっかりお腹も満たされたしそろそろ下山しましょうか。

私たちと入れ替わりで山頂に到着されたとある男性。登りの途中でもお話した方なのですが、この日は冷池山荘にお泊まりだそうで。実は8月にもここを訪れたそうなのですがなんと大雨に見舞われてしまい、何も見えず鹿島槍に登れなかったとのこと。今回は翌日の天気予報も良さそうだったから、無事ピークを踏めたかな(^^)

 

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中峰から一旦下り、南峰を見上げる。山頂には人影が。やっぱりきれいな形の山だなぁ。

でもこのあとだいぶガスが上がってきたので、結局南峰はピークを踏まないまま通り過ぎてしまいました。爺さまごめんなさい…またいつか。

 

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種池山荘へ向かう下り。登ってくる方が数組いて、中にはヘルメットを付けた大きなザックの人も。八峰キレットやその先までずっと縦走されるのかな(不帰キレットでしたっけ)。

すごいなぁ~とつい憧れの眼差しで眺めてしまうけど、実は八峰キレットが以前から気になっている私。山のグレーディングを見ると、同じ難易度(7D)のところに【空木~越百山周回・塩見・八峰キレット・北穂】の4つが書かれているのです… 私達は既に2つは歩いているから残りの2つも行けるのかしら。

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更によくよく見ると、八峰キレットよりも上級向けと言われる不帰キレットは体力レベルがひとつ下なんですよね…(6D)。

これだけ見ていると好条件なら私でも歩けるはずなんだけど、「ほんとに!?」と思ってしまう… まぁ、参考にはするけれどもこの表がすべてではありませんよね。あんまり真に受けないようにしておこう。

 

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そんなことぼんやり考えながら下る間にも、鹿島槍をちらり。ここはずっと雲が取れないですね。

 

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あ、あの辺り紅葉がきれい!と思って写真を撮ったけどよく見たら登りで撮ったのと同じ場所でした(;'∀')

 

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あの谷の辺りもきれいだなぁ。

 

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何人かの登山者さんとすれ違いながら、テクテクと下っていきます。

 

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そして種池山荘まで戻ってきました。見事にガスに飲まれています。

オットが「売店をのぞきたい!」と言うので山荘の中へ…そして、

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雷鳥手ぬぐいとTシャツをゲットしていました(^^)Tシャツの方は背中に「爺」と大きく書かれていてインパクトがあります。

さて、あとは下るだけなんだけど念のためお手洗いをまたお借りしようかな…と思って屋外トイレに向かうと、トイレ前で立ち話をしている女性二人組が。

トイレ待ちですか?と訊くと「そうです~」とのことだったので、じゃあいいや…そんなに行きたいほどでもないし、と思ってオットのところに戻ろうとしたらオットから「行列には並んでおきな」という謎のアドバイス(゜゜)そして女性二人にも「そうよ~」と援護射撃をいただき、行列に加わった私なのでした。

このあと、個室が二つとも使用中だったから空くのをずっと待っていたんだけどよく見たら一つは無人だったというよくわからないことがあったけど(先頭の女性が「私さっきノックしたらちゃんと返事があったのよ!おかしいわね!」と一生懸命弁解していてちょっと面白かったな…)、無事にお手洗いをお借りできて一安心。

 

余談ですが。

待っているあいだ前に並んでいた女性と話したところ、その方はこのあと冷池山荘に泊まるんだとおっしゃっていました。「昔は山小屋なんてぎゅうぎゅう詰めで寝てたじゃない、それが嫌でテン泊を始めたんだけどコロナになってから小屋も定員を減らしているから逆に小屋の方が快適になっちゃって」と話されていたのが印象的でした。

な、なるほど~、言われてみればそうなのかもなぁ。小屋泊でゆったり泊まれるなら重い荷物を担がなくていいし…。予約争奪戦に勝利し、尚且つ小屋泊代を捻出できれば…←我が家はここでつまづきそう。

 

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そんな楽しい会話もありつつ、ふと小屋の窓を見ると… あ、これ全部熊のイラストなんだ!

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どれも可愛い。

そうなんですよね、熊たちの生活を脅かすつもりはまったくないのですよ…ただ出会いたくないだけで…。(それがワガママなんですけどね…すみません)

 

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熊に会わず無事に帰れるよう祈りながら、下山を始めます。

 

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ガラ場付近だけちょっと緊張。↑谷の反対側から撮った登山道。

 

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その後もテクテクと快調に。

 

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登りでは「アサミ沢」だった標識。下りで見るとちゃんと「アザミ沢」でした(^^)

 

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ある程度標高の高いところはもう落葉していますね。秋色の登山道。

 

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ゴゼンタチバナかな?お花も素敵だけど赤い実も可愛い。

 

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更にどんどこ下っていくと…

 

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扇沢駅がだいぶ近づいてきたなぁ。

あともうちょっとだ~と思いながら下っていると、突然後ろからシャンシャンシャンシャン!という鈴の音が。誰かが猛スピードで下りてきているな…と思って立ち止まると、とある男性が「すいません」と言いながら私たちの横を駆け抜けていきました。初めはトレランの人か…と思ったけど、よく見ると普通の登山の恰好だし、ザックのバランスも左右ガタガタ、トレッキングポールもザックから落ちそうになっていました。

もしかしたらバスか電車の時間がピンチで大慌てで下っているのかな…(・・;)

ポールが危ないかも…と思ったんだけど、それすら言う隙もなく男性の姿はあっという間に見えなくなってしまいました。この後、「さっきの人は時間に間に合ったかな~」と話しながら下っていた私たちでした。全然違う理由かもしれないけどね(;'∀')

 

もうひとつこぼれ話。

下山の途中、登山道脇に二つの人影が見えまして。「ああ、休憩してる人か…」と挨拶だけして通り過ぎようとしたら、お一人がエマージェンシーシートで体を覆っていました。寒いのかな~と思いながらも反射的に「大丈夫ですか?」と声をかけたオット。すると「救助を呼びましたので…ありがとうございます」とまさかの返事。

な、なんと!ただ休憩しているのではなく要救助者でしたか!(;´Д`)とはいえとっさに何と声をかけたらいいのか…。励ますとか何か手伝うとか、気の利いたことをするべき?と思ったけど何も思い浮かばず… 結果的に「そ、それは大変!どうかお大事に」とだけ言ってその場を立ち去った私たちでした。(ほんの気持ちで飴とかあげればよかったかなと思っちゃったけど冷静になって考えてみると「いらんわ」ですよね、多分…。こんなご時世だし。)

「どうしたんだろう…熱中症とか高山病かな、それとも低体温症になっちゃったのかなぁ。もしかしたらケガかも…」「救助を呼ぶとなると、場所によってはヘリが飛ぶんだろうけどこういう場所だと救助隊の方が下から登ってくるのかな…?」そんなことを話しながら下っていきました。私たちは今のところ幸運にも救助隊のお世話になったことはないけど、決して他人事ではないからな…。

このあと、少し下った辺りで2名の救助隊の方とすれ違い、更に下でも3名の救助隊の方とすれ違いました。

反射的に「ごごご苦労様です!」ってものすごい勢いで道を開けてしまったわ…さながら山の救急車ですよ。本当にご苦労様ですm(__)m

後日、遭対協が発信されている山岳事故の情報をチェックしてみると、救助を待っていた方は下山中に転倒してケガをされたとのことでした。どんな状況だったのか詳しくはわからないけど… 色々考えてしまいますね。

仮に私がケガをして自力で動けなくなったとして、オットが私を背負い、更に二人分のザックを持って…そう考えるとまったく現実的じゃないわ。逆なら尚更。私がオットを背負って山を下りるなんて100%無理(*_*)

もしそうなってしまったら本当に申し訳ないけど救助を呼ぶしかないんだろうな…いざというときのために山岳保険にはずっと入っているけども。まずはそうならないように本当に気を付けよう…と改めて思った帰り道でした。

 

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14:09 色々ありましたが無事に下山!!\(^^)/

北アルプスデビューは燕か常念かな~と勝手に思っていた私ですが、爺さまはとても穏やかな山で楽しい一日となりました。累積標高差1600m弱なので日帰りとしてはぼちぼちハードだったけど、良いペースで歩けたのはよく整備された登山道のおかげかな。稜線からの眺めも素晴らしかったし。

来シーズンは北アルプスの他の山々も少しは歩けるといいな。そのためにはオットを説得するというか、「こんなに素晴らしいみたいだよ」と山行計画のプレゼンをしなければな…。

ひと月以上前の山レポとなってしまいましたが、読んでくださってありがとうございましたm(__)m次回は初秋の雨飾山のことを書きます。