ひねもすのたり。

日々と山と猫と蕎麦屋のこと。

日出処の天子。

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山岸涼子先生の『日出処の天子』。

「冬の間にゆっくり読んでくださいね」と常連様が貸してくださいましたm(__)m

40年ほど前に描かれた伝説的な漫画なのでご存じの方も多いかと思いますが、恥ずかしながら私は未読だったのです。そもそも山岸涼子作品自体ほとんど読んだことがないかも…(なぜか『押し入れ』という単行本だけ持っていたような気がする)。

ゆっくりじっくり読むつもりでいたのですが、どれどれとページを何気なくめくってみたらすっかり引き込まれてしまい、年を越す前に読破してしまいました…(;'∀')あまりに面白くて。

一周目は続きが気になりすぎてわりと駆け足で読んでしまったので、冬の間に二周、三周しよう。…と思いつつも、「楽しい」方の「面白い」ではないので、再読するのがつらい部分も…うーむ。

舞台は飛鳥時代聖徳太子こと厩戸王子、そして蘇我馬子の息子である蘇我毛人(えみし)、この二人を中心に物語が進んでいくのですが… 念のため内容はあまり書かないようにしておきます。何年も前の大人気作品に対してネタバレも何もないんですけどね(;'∀')私のように未読の方がいるといけないので…。

物語の本筋以外でも、色々と考え込んでしまいました。

ただでさえ謎の多き時代、最近では「聖徳太子は実在しなかった!?」説もあるし、関わりの深かった秦氏のルーツについても様々な説が(本作には秦氏はあまり描かれていませんが)。

そして崇仏派の蘇我氏と排仏派の物部氏の争いについても。厩戸王子や毛人目線の物語なので物部氏は敵。読んでいる最中は「厩戸も毛人もやれやれー!」と思ってしまうけど、物部氏の祖先はニギハヤヒというのをふと思い出すと「カッコいいなぁ…日本の神様最高!」とも思ってしまう。物部氏に関しては、昨年守屋山に登ったときに物部守屋神社からのスタートだったので勝手に親近感を抱いていたというのもあるかも。

どっちも自分が正しいと思ってるんだ。戦争なんてそんなもんだよ。」と子供の頃に読んだドラえもんの台詞を思い出しますね…。

 

…と、色々と考えながら読んでしまったわけですが、ひとまず一番素直な感想は「王子が美しすぎる・・・!!」、そして「毛人は悪いやつじゃないが意外とスットコドッコイなんだな」。春が来るまでに、心して再読させていただこうと思いますm(__)m