ひねもすのたり。

日々と山と猫と蕎麦屋のこと。

諏訪上社巡り 2022年4月25日【4】北斗神社

同日に巡った場所はこちらから↓


大国主命社を後にして、前宮駐車場に戻るまでの道中でもう一ヵ所立ち寄った場所がありました。

それがこちらの北斗神社。

 

寿命の神様、天御中主命(アメノミナカヌシ※北極星)を祀る神社。祭主は祢宜太夫…あ、五官の祝のひとつでしたっけ。

大祝諏訪(おおほうりすわ)氏は現人神であり、実際に神事を取り仕切っていたのは神長官をはじめとする五官祝(ごかんのほうり)である。五官祝には、祢宜太夫守屋(ねぎだゆうもりや)氏、権祝矢島(ごんのほうりやじま)氏、擬祝伊藤(ぎぼうりいとう)氏、副祝長坂(そえのほうりながさか)氏がいた。※守矢史料館パンフレットより

そういえば…すわっチャオのオンライン講座「御柱と諏訪信仰」でアシスタントをされていた女性が権祝矢島家のご子孫だとお話されていたっけ。この日も歩いている途中でとても立派な門のあるお宅があるなぁと思ったら「権祝邸」と書かれていました。おお、ここが…とちょっと感動してしまったのでした。

さて、北斗神社の話に戻ります。一番上のお社まで200段の石段が続いているのだそうです。頑張って上っていこう\(^^)/

上り始めてすぐ、左右に絵が掛けられていました。

あら、なんだか可愛いほのぼのとした絵。町並みや山々の名前も書かれています。

反対側には上社周辺のイラストマップ。これほしいなぁ(゜.゜)ポストカードとかになっていたらいいのに。

前回書いた大国主命社の辺り。おお、フネ古墳から蛇行剣?変形獣文鏡?なんだか気になるものが出土されているんですね…

息を切らしつつ石段を黙々と上っていきます。手すりが付けられたのはわりと最近の話だそう。登りはまだ大丈夫だけど、下りは手すりが無ければちょっとこわいだろうなぁ…うっかり足を滑らせたら一番下まで転がっていきそう(;´Д`)

ところで石段自体も古そうな箇所と比較的新しそうな箇所がありました。調べてみたら以前は石段が途中で途切れていたのだとか…。

寿命の神様として古くから地元の方に親しまれていたこちらの神社ですが、戦時中は特に参拝者が増えたのだそうです。そこで人々が上りやすいように石段造りに着手したそうなのですが敗戦のためそれも中断…長い間そのままの状態になっていたのだとか。そんな歴史があったのですね…。

現在は上までずっと石段があり、手すりも付けてくださっているので安心して上ることができます。

※ちなみに天御中主命が寿命の神様とされているのは、古事記で最初に誕生した神様だから(最長寿)なのだそうです。

200段の石段を上り終え、ようやく北斗神社に到着いたしました。お邪魔します。

ふと見上げると…おや、あんなところに神様のお札が。どう見ても天照大御神だなぁ…なぜこんなところに。

お社の横には小さな石の祠が。ちゃんと御柱まで。ちなみに後ろの斜面は崩落の危険性があるのかコンクリートで固められています。

お参りをすませて振り返ってみると…わぁ、なかなかの高度感!!

良い景色~~~\(^^)/とても気持ちの良い場所です。

せっかくなので周りを少し散策してみると(といってもとても狭い境内なのですが…)、こんな灯篭が。横には祭主 物部安貞、正面には…奉献…奏?泰?一社…読めない(・・;)

帰宅後に少し調べてみたら、正面の文字は『奉献 泰一社』だそうで、泰一とは太一で北極星のことなのだとか。そっか、北斗神社は北極星を祀っているんだものね…。

更に調べていくと、どうやら北極星天照大御神とされているようで…あっ、だから天照大御神のお札が貼ってあったのか!?

でも、太一って確か中国の思想だったような気がするけど…(私のこういう知識は大体諸星大二郎由来。そもそも歴史好きというよりはただの諸星ヲタクなだけなのです)

なぜ太一が天照大御神なんだろう?と検索してみたらこちらのサイトさんに行き当たりました↓

伊勢神宮の文化史 第6回 遷宮に向かって 〜太一のシンボルマーク〜

「太一」は伊勢神宮のシンボルマークだったんですね。伊雑宮のお田植え神事の団扇にも書かれているなんて(好きな神社さんなので気になってしまいました)。

古代中国には「太一神」があり、天と地のすべての最高神とされていました。(中略)おそらく奈良時代にこの中国の思想が入ってきた時、これはわが国の天照大神と同じだと感じ、「太一」を神宮の印としたのでしょう。

そうなんだ…ひとつ勉強になりましたm(__)m

物部安貞というお名前については…祭主ということは祢宜太夫守屋家。つまり本当のお名前は守屋安貞だったのかしら。また物部と守屋(・・;)

※ちなみに最後の祢宜太夫は守屋要人という方で、その一代前が守屋安貞だそう。

祢宜太夫、神長官、大祝の辺りのいざこざは本で読んだはず…なのに複雑すぎて一度読んだだけではとても覚えきれない…。

それに物部と諏訪の関係も多くの方が調べていらっしゃるようなのですがなんといっても複雑すぎて「こうだ!!」とバシッとしたものがないのですよね…。私も素人ながら引き続きいろんな本を読んでみようm(__)m

そもそも諏訪の信仰は諏訪の方々のものだから、よその地域に住んでいる私たちが知ってどうだということもないのですが。でもそれを言ってしまったら身も蓋もないですね(;'∀')なかなか真相に近付けなくても勉強をするのは楽しいものですから。

色々難しいことは抜きにしても、こちらの北斗神社はとても眺めの良い場所でした。また寿命の神様に会いに行こう(^^)