ひねもすのたり。

日々と山と猫と蕎麦屋のこと。

霊仙山の麓、落合神社にて。

先月霊仙山に登ったときの話。

本編→▲霊仙山(1,094m) 2024年5月14日 - ひねもすのたり。

下山中、道端にあった神社に立ち寄ってみました。

落合神社さん。落合集落が廃村となっているため寂れた雰囲気ではありましたが、今でも管理している人はいらっしゃるようで綺麗な境内でした。数か月前についたGoogle mapのレビューによると、今でも御神事が行われているそうです。

しかしこの階段はすごいな…昔は真っ直ぐだったけど地震か何かで歪んだ、ということなのでしょうか?せっかくだからお賽銭をと思い階段を上ってみましたが、上の方は見るからに危なそうだったしそもそもロープが張られていたのでおとなしくすぐ下りてきました。

ご祭神は磐裂神・根裂神とのこと。イワサクネサクってものすごく聞き覚えがあるけどどんな神様だったっけ…?

調べてみたら、イザナギカグツチを斬った時に剣についた血から生まれた神様でした。そうか、あのタイミングで。

というかあの辺りって何をするにもポロポロ神様が生まれてくるからまったく覚えきれないですよね…確か黄泉の国から戻ったあと「禊をしなければ!」と身に付けていた衣服を脱ぎ捨てる時にも神様がたくさん生まれたんじゃなかったっけ?とうろ覚えの記憶で検索してみたらこんな記事があって思わずふふっと笑ってしまいました↓

杖、帯まではうんうんと読んでいたけど、その後のトップス、ボトムスがなんだかじわじわ来ますね… え、イザナギさんTシャツでも着てたんか?と言いたくなるような(んなわけない)。

 

磐裂神・根裂神は、栃木県内に100社以上ある星宮神社の多くで祀られているのだそうです。星宮神社で検索すると岐阜県郡上市の星宮神社が真っ先に出てきたのですが、こちらは神仏習合の形が残る神社さんだそうで、御祭神は明星天子(虚空蔵菩薩)とのこと。

じゃあ別系統なのかなと思ったのですが、栃木県の星宮神社も神仏習合の時代には虚空蔵菩薩を祀っていたため「こくぞうさん」と呼ばれていたのだとか。神仏分離に伴い神社に改組し、御祭神を磐裂神・根裂神に改めた、とのこと。じゃあ同じなのか。※栃木岐阜以外にも磐裂神・根裂神を祀る神社はあるようです

日本の神話だと、星の神様は日本書紀に出てくる天津甕星のみ(しかも悪神とされる)。あと素人ながらパッと思い付くものといえば妙見信仰だけど、虚空蔵菩薩も星の信仰とのつながりがあるんですね。虚空蔵菩薩=知恵とばかり思い込んでいました。※虚空は広大無辺の宇宙であり、そこに無限の知恵があるとされたことから星の神と結びついていったのでは、と考えられているそう

なぜ栃木県に磐裂神・根裂神を祀る神社が多いのかについては…う~ん、なぜだろう… としばし調べてみましたが、平塚市博物館さんのブログ記事にわかりやすく書かれていました↓

見たか家康 徹底解説(番外編)日光の星伝説 – 博物館日記

以下、本文から一部引用させていただきます。

奈良時代に日光を開山したとされる勝道上人が幼少のころ、ある夜、枕辺に突然、明星天子が降臨し「自分は虚空蔵菩薩垂迹で、空では太白星(金星)、この土地では磐裂神である」と名乗り「お前は見込みがある。日光を開山して後世の救いとなれ」と促しました。そこで上人は一念発起、精進の末に、ついに開山事業を成就させました。

なるほど…!明星天子虚空蔵菩薩=金星=磐裂神が、日光開祖である勝道上人の夢枕に立ったことから始まっているのですね。

虚空蔵菩薩と磐裂神のつながりがよくわからないな…と思っていたけど、ご本人がそうおっしゃったんですね。じゃあそういうことなのでしょう、一応スッキリした!

ただ…釈日本紀(日本書紀の注釈書)に引用されている『天書』という書物の逸文によると「磐裂神は歳星(木星)の精、根裂神は熒惑(火星)の精とされる」そうだけど…(;'∀')まぁ日本の星神に関する話は追いきれないし記紀から外れると古史古伝と言われるし。また何かの機会に…。

さて落合神社さんの話に戻りますと、お堂の隣の御神木と思しき木がとても立派な佇まいでした。楠?(違っていたらすみません)威厳のある姿だなぁとしばし見入ってしまいました。

そして気になったのが狛犬。大柄でモコモコして迫力のある姿だったのですが…

特に目を引かれたのは吽形。

このもっしゃもしゃしたヒゲというか歯というか…。ちゃんとツノもありますよ。

そして足元を見ると、子供がぶら下がっている…!前足で踏んでいるのは見たことがありますが、こういうパターンもあるんですね(゜゜)

「ねぇおかあちゃ~~~ん」という声が聞こえてくるようで微笑ましい。

踏ん張った両足としっぽも可愛いですね。

子供を連れた狛犬には様々なタイプがあるようで、子供がおんぶされているもの、仰向けで踏まれているもの、吽形の前足の間にちんまり座っているもの、台座周辺で遊んでいるもの(!?)、中には阿形が子供を連れたものもあるのだとか。写真を見るだけでも和みました。

ちなみに子連れの吽形に対して阿形は毬を持っていることが多いとのことですが…

あ、確かにちゃんと毬をお持ちで。諸説あるそうですが、子連れは子孫繁栄、毬は玉(ぎょく)で財宝や権力を表すものだとか。

山帰りに立ち寄った短時間のお詣りでしたが、なんだか良いひと時でした。また霊仙山に登る際には必ず再訪したいと思います。お邪魔しました。

 

…と話を閉めようとしましたが、そもそもこの地でなぜ磐裂神・根裂神が祀られているんでしょうね??そこが大いなる謎。

あ、そういえば近くに多賀大社があるけど、数年前に「多賀大社は星の神様を祀っている」という話を読んだことがあるような…もしかしてそことつながってる?いや、そもそもその話も公式じゃなくて神社巡りをされている方の個人の考察だったかもしれません。

ここで深掘りするとまた長くなってしまうので、続きがもしあればまたの機会にm(__)m