ひねもすのたり。

日々と山と猫と蕎麦屋のこと。

なつのひかり。

江國香織さんの『なつのひかり』

私の手元にある文庫は2001年発行なのでもう23年前になるのか。カバーが一部破れていたり擦れたような汚れがついて少々痛々しい。

おそらくこの23年間で何度か繰り返し読んでいるはずなのだけど、「こういうことか」という読後感を一度も味わったことのない一冊です。いつも「今度こそ!」と気合を入れて読み始めるものの、しばらく読み進めると必ず「お前は一体何を言っているんだ?」になってしまう。風邪をひいたときに見る夢のようなんですよね。

思えば江國香織さんご本人がこの作品について語ったインタビューや他の方の書評、一般の方の感想など、一度も読んだことがないな…と今更ながら気付きました。それらをあたれば少しは理解できるのかなと思いつつ、いや読んだところで、という気持ちがあるのも正直なところ。

夏の間にまた挑戦しようかなと思ったけど、この繁忙期に手を出すものじゃないなと思って本棚に戻しておきました。

…で、なぜ突然この本のことを書いたかというと

先日片付けをしながらキリンジを聴いていたのでタイトルつながりで。

ところで当店の本棚の『なつのひかり』の近くには、湯本香樹実さんの『夏の庭』、ハインラインの『夏への扉』が並んでいて、個人的夏三部作としております。

『夏の庭』は当時学校の先生が毎日少しずつ朗読して聞かせてくれて、最終的に先生本人が泣くという思い出付きの作品。

夏への扉』は村山由佳さんの『天使の卵』に出てきたのでそれがきっかけで読んだのでした。「猫がジンジャーエールを飲むのよね」と言われたら読まずにいられません。あと夏関連ではないけど『ホテルニューハンプシャー』も『天使の卵』の影響で読んだんじゃなかったかな…?う~ん、ちょっと記憶が曖昧だから違うかもしれない…けど何かの小説に出てきたのは確か。

夏の光は白いイメージ。強くて眩しくて儚いような。

夏は一番好きな季節だけど今の猛暑はさすがにつらい。最高気温30度くらいの昔の夏が半年くらい続いてくれたら嬉しすぎて遊びまわっちゃうのにな。…いや、それだと夏の魅力が半減するのか、難しいな(って私がどうにかできることではないのだけど)。

引き続き、熱中症には気をつけてまいりましょう。