一月十五日。小正月ということで、先月少しだけ書いた『十二月』風習についての続きをば。前回の記事と重複してしまう箇所もありますがご容赦ください_(._.)_
(過去記事:かにかや、ひいらぎ、十二月。 - ひねもすのたり。)
このかにかやをご覧になった飯田ご出身のお客様から「うちはかにひいらぎだった」「あと木に十二月と書く行事もあったような…」と聞いたのが事の発端でした。
飯田周辺の風習かと思いきや、木に十二月と書くのは県内各地で見られるのだとか。天龍村や阿南町から伊那谷、諏訪から松本平、さらにずっと北の小谷村でも!(ざっくり調べただけなのですべてを把握したわけではありません。あしからず)
内容としては、木を割ったものに十二月と書き、それをお正月飾りや神棚にお供えしたり玄関または室内に置いておく、というものだそう。これは外からやって来る悪いものを弾くため、つまり魔除けの意味を持つらしいのですが…
調べれば調べるほど、地域によって異なる点が多すぎてだんだんと脳内が混乱してきました。
まず時期の違い。大体は小正月に行うか、節分に行うかに分かれるそうです。そして使用する木の種類も様々で、「我が村では〇〇の木を使うよ」と決まっているところが多いのだとか。※木ではなく紙に書くという事例も多く見られるそう
そして一番混乱するのは、書く文字の違い。「平年は十二月、閏年は十三月と書く」というのが主なのかなという印象ですが、これが逆になる地域があるそうなのです。つまり「平年は十三月、閏年は十二月と書く」ということ。小谷村がこの風習だそうですが、他の市町村でもあるかも。
さらに「十二、十三に近い数字を書く」「数字ではなくて線を引く」という変わった例も見つけてしまいました。例えば数字を書く代わりに十四本、または十五本の線を引く、など。地域単位では数が決まっておらず、家によって引く本数が異なるというところもあるようで。
……う~~~ん、こんなにバリエーションが豊富だったとは…!!
素人が軽く調べてみただけでも興味深い話がわんさと出てきました。実はまだまだあったのですが、とても書ききれないので気になる方はぜひ調べてみてくださいませ_(._.)_
ちなみに伊那谷は小正月&十二月パターンが多いようですが、伊那市あたりから線を引く例が見られ、諏訪方面に行くと節分&線パターンに変化する模様。面白いなぁ。
様々な違いはあれど、根底にあるのは「鬼を攪乱させて家に入って来られないようにする」ということだそう。今は一月のはずなのに十二月とはおかしいな、など。
なるほど、かにかやにも通じる意図があるんですね。(かに?かや?似ている言葉だけどちょっと違うな、おかしいな…と考えているうちに夜が明けてしまう)
そういえばこの十二月について調べていたとき、諏訪市博物館についての過去記事が出てきました。節分が近くなると博物館の玄関に線を引いた2本のまきを飾り、現在はほとんど見られなくなった風習として解説も添えていたのだとか。毎年やっているかはわからないけど、もともと諏訪市博物館もいつか行きたいなと思っていたので、機会があれば節分前に訪れてみようかな。