ひねもすのたり。

日々と山と猫と蕎麦屋のこと。

ジオジオ。

 

数日前、日本地質学会のSNSアカウントから

「6月9日はロックの日(Rock、岩石)、6月10日は露頭の日ということでジオジオした1週間です」という投稿が。

ジオジオした1週間の語感が良すぎて、ふと思い出してはニヤニヤしてしまう…

 

地質といえば。

今年はフォッサマグナ発見から150年ということで、信濃毎日新聞ナウマン博士やフォッサマグナ関連の記事が度々掲載されています。

今年1月から関連記事はすべて切り抜いて店内のファイルに入れてありますので、ご興味のある方はぜひご覧になってくださいませ。

ナウマン博士はドイツの地質学者で、明治政府の招聘により来日し日本各地で地層や岩石などの研究をされました。フォッサマグナを発見したほか、日本でゾウの化石を初めて研究したことから「ナウマンゾウ」の名付けのきっかけになった方でもあります。

 

ナウマン博士がフォッサマグナを発見したのは、南牧村の平沢峠だったそうですね。

1875年、地質調査旅行の途中で平沢の集落に宿泊したナウマン博士。その夜は嵐に見舞われましたが、翌朝には風がやみ、宿を出発する頃には青空がのぞいていたのだとか。

そして平沢峠から南アルプスを眺めたとき、言葉を失ったそうです。

それはまるで別世界に置かれたような感じであった。私は幅広い低地に面する縁に立っていた。対岸側には、3000mあるいはそれ以上の巨大な山々(南アルプス)が重畳してそびえ立っていた。その急な斜面は鋭くはっきりした直線をなして低地へ落ち込んでいた。

(中略)そのとき私は、自分が著しく奇妙な地形を眼前にしていることを十分に意識していた。

平沢峠といえば、昨年飯盛山に登ったときの登山口でした。ナウマン博士はこのすぐ近くの獅子岩から南アルプスを眺めたそうですが…

飯盛山に向かいながら「あの辺りが獅子岩なのかな~」と眺めていた私たち。…結局あちらは寄らずじまいでした。すぐそこだから行ってみればよかったなぁ。またいつか機会があれば。

でも、平沢峠や山行中にも何度か南アルプスは眺めましたが、さすがに素人には「これはすごい地形だ…!!」という感動は得られず…

いつも通り、「いい眺めだなぁ~~」で終わりました。

ナウマン博士はフォッサマグナに関する調査を通じて

地球上の他の山地のどこにも認められない地質現象だ。

との結論に至ったのだそうです。

同じ風景でも専門家にはまったく違うものが見えているんですね。当たり前のことではありますが、そのすごさを改めて感じてしまいました。

 

フォッサマグナといえば、以前訪れたフォッサマグナミュージアムもすごく楽しかったな。下の地図はフォッサマグナの範囲を表した地図ですが、

写真が暗い上に文字が見えづらくてすみません、左の細長い赤丸が南アルプス、その右上の小さい赤丸が飯盛山(平沢峠)の位置です。こうして地図と照らし合わせてみると、ナウマン博士は関東山地の縁からフォッサマグナを挟んで南アルプスを眺めていたんですね。この発見が地質研究の分野にどれほどの影響をもたらしたのか、それはおそらくあまりに大きすぎて一般人の私には想像もつかないくらいですが…

またぜひ平沢峠にも、フォッサマグナミュージアムにも、もちろん他の場所にも訪れてみたいと思った次第であります。

 

余談ですが。

ナウマン博士の記事を初めて読んだとき、「あれ?ナウマンさんって女性じゃなかったっけ…?」と思ってしまった私。なぜこんな勘違いをしたかというと、地質学者のエドムント・ナウマンと、日本学者のネリー・ナウマンをなぜか混同していたようで…。考古館などに行くとよく名前をお見かけするんですよね、ネリー・ナウマンさんは。失礼いたしましたm(__)m