ひねもすのたり。

日々と山と猫と蕎麦屋のこと。

松の剪定。

今週は近所の庭師さんに松の剪定をお願いしていました。月曜から始めて休業日(火~木)のうちに終わる予定だったのですが、天候の都合で作業がなかなか進まず今日までかかってようやく終わりました。ご来店中のお客様にはお騒がせいたしましたm(__)m

庭師さんのおかげで二本の松がすっきり!立派な松だね~とお客様からもよくお声がけいただきますが、なんとこの家の亡きおばあちゃんの嫁入り道具なのだそうです。そのため地主さんからは「他の庭木は好きにしてもらって構わないけど松だけは大事にしてほしい」という要望が。そのこともあり、松についてはすべてプロにお任せしています_(._.)_

…ってそもそも松の手入れは素人には難しいですもんね…下手にいじって枯らしてしまうのがオチ。恐ろしい。

ここ数年は虫がついたり流行り病にかかったり何かと心配ごとが多い松ですが、なるべく長くこの家を見守っていてほしいなぁと願うばかり。

さて剪定が済んだあとの松葉の片付けは私たちの仕事。これがまた大変なんだな…広いところの葉はザーッと集めれば済むけど、草花の上や狭いところに落ちたものを掻き出すのに一苦労。今日も張り切って作業したけど奥の松葉が取り切れないうちに暗くなってしまった~。夏の繁忙期だし無理せずぼちぼちやろう。

松の近くではムクゲが咲いています。夏って感じだなぁ。そういえば甲信越地方も梅雨明けしたそうですね。いよいよ本格的な夏、熱中症には気を付けていきましょう~。

 

神子柴遺跡の謎。

 

先日書いた香坂山遺跡の話に関連して。

【過去記事:香坂山遺跡の石器など、備忘録。 - ひねもすのたり。

専門的な知識のない私からすると土器や土偶も相当難しいのですが、それより何より石器の難解さときたら。鏃や尖頭器など特徴的なものはまだしも「これ、その辺に転がっている石との見分けがつかん…」というものが展示ケースにずらりと並んでいるのです。

そのため「私は土器より石が好きですね」という方と会うと、「ガチ勢かな…?」とひそかに羨望のまなざしを向けてしまいます。

 

さてそんな私でも「これは別格だ」と思うものがあります。それは神子柴遺跡出土の石器たち。

伊那市創造館にて。(2023年12月)

素人ながら「これは只事ではない」と震え上がるほどの美しさ。これらが作られたのはなんと1万5千年も前のこと。旧石器時代縄文時代のちょうど境目の頃ですね。当時の伊那谷にはとんでもない職人がいたのか…。

解説パネルに「日本で最も美しい石器」という言葉がありますが、確かにこれを知ってしまうと他の博物館で尖頭器を見ても「神子柴遺跡と比べちゃうとねぇ…」というだいぶ失礼な気持ちが浮かび上がってきてしまうのでした。

 

…そんな中、5月にお邪魔した県立歴史館にて。

香坂山遺跡、飯田市竹佐中原遺跡と石器が並ぶ隣に「あれっ神子柴遺跡並みにきれいな石器がある…!?」とやけに目を引くものが。これは見事だな~と思いつつよくよく見たら…

み、神子柴遺跡の石器でした…!!!

素人にもガンガン違いを分からせてくるこの機能美、やはり只者ではないのですね。思わずため息が。

ちなみにこちらにあるのはレプリカでした。それでも十分見応えがありましたが、実物をご覧になりたい方はぜひ伊那市創造館へ。展示スペースはそこまで広くないものの、美しい石器や土器、興味深い解説パネルが盛りだくさんで時間を忘れてしまいます。

 

ここで話はまた伊那市創造館の展示物に戻りますが(あっちこっち飛んですみません)、初めに載せた写真の尖頭器のほか

黒曜石の石核や、

尖頭器。なんだかよそで見るのと比べると質感が…宝石感が増しているような妙な美しさだな。照明のせい?

磨製石斧や、

掻器などなど。

石材は、石斧など重量があって持ち運びが大変なものについては遺跡近くのものが使われたようですが、他の石器には和田峠の黒曜石、岐阜県下呂石、更には遠く離れた新潟県以北のものも多く使われているようです。

個人的にはやや黄色がかった白色の石器が好きで、見るたびに「美味しそう」と思ってしまうのですが、これは玉髄や珪質頁岩というのか…。でも実物とパネルの写真の色がだいぶ違うから、同じ石でもいろんな色があるのかしら。

 

神子柴遺跡では、完成度が高く欠損もない石器が大量に見つかったということ以外に、その出土状況も注目すべきポイントなのだそうです。

遺跡の一画では、3メートルほどの円を描くように石器が配置され、尖頭器が集積された場所、石核がまとめられた場所、黒曜石の破片が散らばる場所などがあったとか。また別の場所では尖頭器・掻器・削器などがまとまって出土したのだそうです。

この配置についてはいくつかの説が出されており、住居あるいは祭祀の場所、道具類の埋納・隠匿場所、墓だったのではという見方もあった模様。

時間をかけて作られた完成品ばかりがなぜ置き去りにされたのか。これらの石器ははたして実用品だったのか。そして円弧を描くような石器配置はどのような意味を持つ場所だったのか。

この論争は現在でも決着しておらず、謎のままなんですって。

星を散りばめたように石器が並ぶこの場所は、1万5千年前の世界を凝縮したミクロコスモスといってもいいだろう。

解説にあったこの一文にロマンが満ち満ちていて、想像を掻き立てられますな。

 

神子柴遺跡についての論争は他にも。

この遺跡が残されたのは氷河時代末期の1万5千年前、ちょうど日本列島では最古の土器が出現する時代です。神子柴遺跡からは土器が見つかっていませんが、本来なら土器がある時代ということで「縄文時代でもっとも古い遺跡」として神子柴遺跡を位置づける考え方があるのだとか。

ただ一方で、石器の特徴から神子柴遺跡を「旧石器時代の終わり」とする見解もあり、この時代論「神子柴論争」はいまだに決着していないのだそうです。

こ、これは…弥生時代みたいにグラデーションだろうから一生決着しない問題なのでは…?なんて思ってしまいました。きっと専門家の先生方にはそれぞれの論があり、譲れないのだろうな…。

それともうひとつ、別の謎も。磨いた石斧と長大な尖頭器をもつ神子柴文化は、これまではシベリアを起源として北海道を経由し本州にもたらされたと言われていましたが、実は北海道での存在が希薄らしく、本当は北方起源じゃないのでは…?と疑問視されているのだとか。

いくつもの謎が渦巻く神子柴遺跡。改めて写真を振り返っていたら、また実物を拝みたくなってきました。伊那なら近いのでまたお邪魔したいな。

 

昆布の佃煮。

このところ、だしがらの昆布で佃煮を作るのにハマっています。

当店は蕎麦屋ゆえそばつゆを作るときに昆布のがらが必ず出るのですが、これまでは炊き込みご飯や煮物などに足して消費していました。でもあるときネットで「だしがらが出たら冷凍保存し、ある程度の量がたまったら佃煮にする」というのを見かけまして。

早速真似してみたところ美味しいものが出来たので、「これはいいぞ」と日々だしがらを冷凍庫に貯めております。

ちなみにレシピはネットで検索して出てきたものを参考にしていますが、昆布200g(作りやすい分量)とあるのにうっかり400g貯めてしまい、大量生産してしまったこともありました。まぁ昆布の量が多ければ調味料を増やすだけなので何も大変なことはないのですがね…

でも佃煮作りって、使う醤油の量に毎回ドキドキするのは私だけでしょうか。あとジャムを作るときの砂糖の量とか。クッキーのバターも…。

手作りなら好みに合わせて増減できますが、減らしすぎると美味しさや保存性が損なわれるので程々にしたいところ。食べ過ぎなければ、ね、ちょっと食べる分ならからい佃煮とか甘~~~いジャムとか、やっぱり美味しいですもんね。フフフ。

 

巨コロッケ。

先日、私の両親が伊那谷へ遊びにきました。いつも来る途中に道の駅(阿南町新野)で巨大コロッケを買ってきてくれるのですが、毎回見るたびに「でっか」と言ってしまいます。この大きさと美味しさ、コロッケ蕎麦にしてしまうのは忍びないな~。ということで別々で食します。こうして並べてみるとやっぱりデカい。そして美味。

他にも美味しいお土産。いさごやさんのどら焼き。私が子供の頃からあるお店だけど、創業何十年になるんだろう?

しっとりで中のあんも美味~~~。どら焼きって定期的に食べたくなりますよね。

 

さて今日までの一週間もたくさんのご来店誠にありがとうございましたm(__)m

今週は火水木と三日間お休みをいただきます。次は金曜日からの営業となりますのでどうぞよろしくお願いいたします。

ではでは、おやすみなさいまし。

 

上空から。

少し前のことですが、とあるお客様が当店周辺をドローンで撮影してくださいました。

こうして改めて見ると、のどかなぁところですねぇ…緑が濃い。

飯島町民を見守るようにそびえる中央アルプス

撮ってくださった方は当店のリピーター様でして、「また違う季節にも撮ってみたい!」と言ってくださっていました。この度は素敵なお写真をありがとうございます。またのご来店心よりお待ちしております\(^^)/

※ドローン技能証明保持者による許可証、および届け出等を行った上で撮影しています※

 

畑の様子。

緑がたくましい今日この頃。

畑の方では暑さに負けじと野菜が頑張っています。育ちつつあるロロン。

おお、こちらはニョーンと伸びている。なんていう品種?とオットに訊いたら「ごっちゃんかぼちゃ」と返答が。え?ごっちゃん?ぼっちゃんじゃなくて?うん、ごっちゃん。そんなやりとりをした午後のこと。

今年は白いナスも育てている模様。これは「とろ~り旨なす」というそうで、名前だけですでに美味しそう。実際に焼いて食べてみたら確かにとろとろで美味!

左のはいつもの千両ナスだっけ。今は調子よく採れているけど、ある時ぱったり止まってしまうこともあるからな。なるべく長く頑張っていただきたいm(__)m

ナスの写真を撮るのに近くにあった新聞紙を広げたら、早速来ましたよ… さすがの猫しぐさです(ナスは撤収済み)。寝ころんだ直後にスヤ……

隣の部屋でオットが物音を立てたため「ハッ」の顔。うちの者が失礼しました。

 

さて、本日もたくさんのご来店誠にありがとうございました。週末もどうぞよろしくお願いいたします。