ひねもすのたり。

日々と山と猫と蕎麦屋のこと。

▲弘法山古墳~中山霊園のんびりハイク 2023年3月8日

ゆったり山歩きをしながら古代に思いを馳せるひと時。

今回のルート

弘法山駐車場→弘法山古墳→中山霊園→弘法山駐車場

▲累積標高差 271m

▲合計距離 5.3km

▲コースタイム1時間54分(休憩含む)

 

しばらくぶりに足慣らしのんびりハイク。

松本市にある弘法山古墳から中山霊園までの遊歩道を歩くことにしました。

駐車場前には立派な案内板が。

今回は黄色の線を引いたところを巡る予定。弘法山古墳をスタートして中山霊園まで片道2kmちょっとのハイキング。弘法山古墳まで戻ってきたら近くのお店でお昼を食べて、そのあと考古博物館へ向かいます。

遊歩道の入り口は反対側にあるのですが、せっかくだから先に弘法山古墳にお邪魔します。

よく整備された歩きやすい道をしばし歩いていきます。

弘法山古墳は3世紀末頃に造られており東日本でも最古級の古墳とされているのだとか。出土した副葬品は長野県宝に指定されていて、下山後に寄る予定の考古博物館で見られるそうです。楽しみ楽しみ。

古墳が見えてきました。

上まで行くと…おお~~広々。

眼下に松本平、そして正面には北アルプスの山々がずらりと見えてそれはもう大絶景…なのだそうです、空気が澄んでいれば。この日は春霞なんだかそうじゃないんだか、天気は良いんだけどとにかく眺望がきかなくて。

↑またの機会にこんな景色を眺めてみたいなぁ。

敷石内には入らないように気を付けつつ散策します。

ここは前方後方墳なんですよね。古墳というとどうしても口が自然と「ぜんぽうこうえんふん」と言ってしまいがち…(私だけ?)

でも実際、こちらの古墳も最初は前方後円墳だと思われていたのだとか。これが長野県内では大変珍しい(発見当時は県内唯一)前方後方墳だとわかるまでにはいろいろな経緯があったようで…。

そもそも「ここに古墳があるぞ」というのは古くから知られていたものの、これは単なる円墳で、尚且つ既に破壊されてしまった古墳と認識されていたため本格的な調査はされていなかったのだそうです。

昭和49年に松商学園がこの土地を買収し、学校用地として造成するために調査をしたところ「これは…ただの円墳じゃないぞ、これまで松本平にはないとされてきた前方後円墳なのでは!?」となり、教育委員会が調査を継続したのだとか。

その結果「県内唯一(発見当時)の前方後方墳だ…!!」ということ、そして副葬品から3世紀末(古墳時代初期)に造られた古墳であることがわかったのだそうです。

昭和51年には史跡指定を受けたとのことですが、これは類を見ないスピードなのだそうですよ(素人には全然わかりませんが)。それだけ重要な発見だったのですね(゜゜)

今月末に調査が終了するのですね。あ、桜の名所だからそれに間に合うようにということなのかな(全然関係なかったらすみません)。

霞んでいても本当に素晴らしい眺めです。

この古墳に埋葬された人は誰なのかはっきりとはわかっていないそうですが、ここから見渡せる広い範囲を治めていた人だと考えられているとか。

そうそう、古墳といえば。昔学校で習ったのは「地域を治めていた偉い人が自分の権力を示すために大きな古墳を造らせたんですよ」という内容でした。

でも最近では「土木工事の残土で古墳を造った」とも考えられているらしく、個人的にはこの説がとても好きです。

古墳時代というのは灌漑技術を持った渡来人が大勢日本にやってきていたこともあり、農業用水を引くための土木工事が盛んに行われていたそうです。水路を掘れば掘るほど土が大量に余る。そうだ、これを古墳にしよう!…ざっくり言うとこんな流れなのだとか。

民衆のための土木工事を多く行えば行っただけ古墳が大きくなる。つまり権力者の功績=古墳の大きさ。

そう考えると仁徳天皇のエピソードも納得ですよね…「炊煙が上がっていないぞ、もしや我が国の民たちはご飯も食べられないほど貧乏暮らしをしているのか?よっしゃ3年間は免税じゃ!」と言ったあの優しい仁徳天皇が人々を働かせてあんなに大きなお墓を造らせるか?と疑問に思う人もいたはず。

…といってもあくまで「こういう説もあるそうですよ」という話なので、あしからず(;'∀')

すっかり話が長くなってしまいましたが、ようやく中山霊園への遊歩道に入ります(;'∀')一旦駐車場まで下りたら次は反対側へ。この階段を上っていきます。

早速、熊の出没情報が。あぁ熊もいるよねぇ…とチラリと見れば日付がなんと令和5年2月24日。めっっっちゃ最近じゃん!!!思わず二度見してしまいました。

一応熊鈴もつけていますが…周囲に気を付けながら行きましょう。登山道については「遊歩道」と書かれている通りとても歩きやすいです\(^^)/

木々の向こうには松本の街を見下ろしながら。

全体的に歩きやすい道なのですが、途中何ヵ所か痩せ尾根がありました。道はしっかりしているので難所というわけではありませんが、うっかりコケて崖下にゴロリンチョすると危ないな…といった感じ。

ちょこちょことアップダウンもあり。

ぼちぼち良い運動になるな~と思いつつ歩いていくと…

突如、ぱっと開けた場所に出ました。看板には「神聖な墓所」という文字…あっ霊園に着いたんだ!

せっかくなのでぐるっと歩いてみます。霊園といっても公園のようになっているんですね。この日は誰とも会いませんでしたが、お散歩をする方、ベンチでお弁当を食べる方、芝生で遊ぶファミリーなどなど皆さん気軽に訪れているのだとか。そういえばマレットゴルフ場らしきエリアもあったっけ。

駐車場。こちら側も良い眺めですね。

霊園の一画には神社があります。

鍬形神社。お社はなくこちらの石碑のみでした。詳細はわからずでしたが古くからある神社さんなのかな…。

さてそろそろ戻ろうかしら。

遊歩道の入り口付近から改めて景色を眺めてみます。

山はうっすらだけど…本当に良い眺めだなあ~。この辺りは芝生になっていたのでのんびり過ごすのも良さそうだな。

では同じ道を通って弘法山まで戻ります。すごい崖だわ。

↑これは多分切り株のなれの果てなのだろうけど、面白い形をしていて「なんだか役行者みたい」とオットが言っていました。おお、ちっこいのがもうひとついたら前鬼後鬼だね。

この日は行きも帰りもチョウチョの道案内付きでした。タテハチョウの仲間でしょうかね。春ですなぁ。

気持ちの良い森でした(熊さんにも会わずに済んで良かった)。

そして無事下山!\(^^)/

ほどよくお腹も空いたので早速近くのお店へお昼を食べにいきます。

徒歩数分、やってきたのは…

櫻守さんというお店。

小さな看板のみの隠れ家的なお店。今日は営業日のはずだけどやってるかな…?とドキドキしながら階段を上ります。

お店の前に着いたら、なんと…のれんがかかってない…!(T_T)

でも中をのぞいたらお店の方がいらして、ちゃんと営業されていました。よかった!!

わーいわーい。煮カツ丼\(^^)/ソースカツ丼も好きだけど卵でとじてあるのも時々食べたくなるのです。写真を撮りそびれたのですがこの前にもサラダ、きんぴらごぼう、お漬物を出していただきました。

そして食後にはゼリーまで。カツ丼ひとつ注文しただけでこんなに色々出していただいてよいのでしょうか…すみません、ありがとうございます。お味はどれもとっても美味でした!お肉も柔らかくて全然くどさがなくて。写真を見たらまた食べたくなってしまいました…セルフ飯テロ。

 

そんなこんなで楽しい&美味しいひと時でした。

次回は博物館のお話です。