ひねもすのたり。

日々と山と猫と蕎麦屋のこと。

猫ばっか。

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“花よりも風よりも、猫に春が来る。”

 

 

あちこちから桜の便りが届く今日この頃。

ふと、以前某SNSでフォロワーさんが書き込んだ「佐野洋子さんの『猫ばっか』がとても良かった。花よりも風よりも、猫に春が来る、というところが特に。」という言葉を思い出しました。

その書き込みを見たのはもう10年以上前のことなのに今頃思い出すなんて、たかがSNS、されどSNSですね。

思い出してしまうとすごく気になってしまって…

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ネットで探して購入しました。

100万回生きたねこ」の作者である佐野洋子さんが書かれています。

 

当時のフォロワーさんの書き込みと、講談社の内容紹介の「ギュッと抱きしめたい。愛しい猫たち」から察するにきっとまったりほのぼのとした猫との物語なんだろうなぁと思っていましたが、実際に読んでみると想像とまるで違ってびっくり。

あまり書くとネタバレになってしまうので控えますが、著者さん含めこの本の登場人物はいわゆる「げぼくタイプ」の飼い主ではないんだなというのが一番の感想('ω')30年近く前の本なので時代もあるんだろうけど、猫にとってかわいそうなことをする話もあるから猫好きの人にはちょっとおすすめしにくいかもしれない(個人の感想です)。

とはいえそれもひとつの付き合い方。

人は人、猫は猫。深くは干渉しない。でもいつも近くにいる。

この距離感は猫ならではだなぁとしみじみ感じた一冊でした。

そうそう、当時そのフォロワーさんはワンちゃんと暮らしていたので「犬ばっかもあればいいのに」と言っていたけど、それだとまったく違う本になるんだろうな。それもまた面白そう('ω')

 

何はともあれ、ずっと気になっていた「猫に春が来る」が読めてよかった。

 

あ、それと個人的に好きなのは「私は五歳の頃が人生で一番頭が良かったと思う」というところ。ふと、ゆらゆら帝国の「ゆらゆら帝国で考え中」を思い出してしまった。「大体俺は今3歳なんだけど2歳の時にはもうわかってたね」のアレ。

ちなみに「頭の中で爆音で音楽が鳴ってるから聞こえねぇよ」とのところは何回聞いても毎回ニヤリとしてしまう。

 

そんな春のある日でした。