「花よりもガラス戸の外の風よりも、猫に春が来る。」
さてこれは一体どういう状況なのかと言いますと…
私が庭で草取りをしていたら、地域猫のポッキー氏がうにゃうにゃ言いながらやってきて、わざわざ私のすぐ横でゴロリンチョしている図であります。
別にそれはいいんだけどさ…
あんた、地味に私のことを足蹴にしているよね…まぁ別にいいんだけどさ。
と、油断していると
突然じゃれてくるので要注意。いって!おばさんの膝をあぎあぎするのやめてくれ!爪もキトキトで痛い!!
ふう…。そうだよあなたちゃんはそうやってトロトロしていればいいのだよ。
そして作業を終えて家の中に入ると、
「誰か…外の猫と戯れてきましたね…?」と姉妹から無言の抗議を受けるなどしました。(なぜか目線が合わない)
ところで冒頭の一文は、佐野洋子さんの『猫ばっか』から引用させていただきました。
個人的にこちらの本は「まるで共感できないな」と思うところも多々あるのですが、それは佐野洋子さんの猫との付き合い方を批判するものではなく、同じ猫と暮らす者でも私とはタイプがまるで違うんだなぁという感想から来るものなのでどうか誤解なきよう…_(._.)_
猫との距離感というか、猫の尊厳を大事にしているところはなんだかすごくいいなと思いました。私のようなただの下僕タイプにはとてもできない高貴な付き合い方なんじゃないかなと。
そういえば。
『ゆる言語学ラジオ』にて昨日更新されたばかりの動画の中で、堀元さんが「顔も声も知らないのに文章を読んだだけで『この人好き!』ってなることがあるんですよ、珍しいかもしれないけど」と話されていましたが、それわかる…!とひそかに共感してしまった私でした。
10年以上前にSNSでフォローしていたとある方、投稿内容からおそらく私より一回りか二回り年上の女性だと思うのですが、その方の言葉の選び方や着眼点があまりにも好きすぎて熱烈な隠れファンになっていたことがありました。
一緒に暮らすワンちゃんとのことを主に綴られていて、フォロー数もフォロワー数も決して多くない一般的な個人のアカウントでしたが、「この方の文章をまとめた本を出してくれないかな」とずっと思い続けていました。
しばらく経ってワンちゃんが亡くなってしまったあとアカウントを閉じてしまわれたので、現在はどんな日常を送られているかわかりません。どうか健康で心穏やかに過ごされているといいなと願うばかりです。
実は佐野洋子さんの『猫ばっか』もこの方が「猫に春が来る」の一文を引用していたことから知り、購入した本なのです。
これからも猫に春が来るたびに、どこの誰かわからない、でも素敵な文章を書いていた人のことをぼんやりと思い出すんだろうな~~~。
そんな今日でした。