ひねもすのたり。

日々と山と猫と蕎麦屋のこと。

▲甘利山(1,731m)・千頭星山(2,138m) 2021年11月16日

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山梨へ、富士山とサルオガセに会いに。

 

 

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【今回のルート】

甘利山グリーンロッジP→甘利山→千頭星山→甘利山→甘利山グリーンロッジP

▲合計距離 8.2km

▲累積標高差 655m

▲コースタイム 合計4時間2分(行動2時間54分+休憩1時間8分)

 

【いきさつ】

計画段階で、2012年の山行につながった私の脳内。

↓詳しくはこちらに…。

 

【本編】

今年は(昨年もかな?)ずーっと長野県内の山ばかり登ってきたので、久々の山梨です。

山梨でも北杜市韮崎市の辺りは物件探しをしていた頃にもしょっちゅう来ていたので本当に懐かしい場所。また来られて嬉しい限り。

道中、数年ぶりのコーナーポケットさんでお昼用のパンを買い込んだら、早速現地へ。

 

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10:10 甘利山グリーンロッジの広い駐車場からスタート。

地図があったので、ついつい千頭星山の先の登山道に注目してしまう…そうだ、苺平の辺りで合流するんだっけ。いつかこの道をつなげてみたいけど「難路」だって(;'∀')そりゃそうだよね。

 

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さてさて今回はもちろん鳳凰三山方面には行かずにゆるハイキングです。

コースタイムでは、駐車場から甘利山までがなんと20分。千頭星山まで行っても2時間半ほど。

 

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まずは甘利山を目指してゆるやかに登っていきます。

おや、可愛いぽんぽんとしたものが…。

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あとから調べてみると、こちらマルバダケブキですって。夏の姿からは全然想像できない…!!アザミか何かかと思っちゃったわ。

 

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駐車場からほんの数分登れば、もう富士山もお目見え\(^^)/

 

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しかもちょうど良いところに木のテーブルやベンチが。

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ここは「鍋頭」というんですね。立派な看板だわ。

 

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この辺りはレンゲツツジの群生地として有名なんだとか。時季に来たら素晴らしいんだろうな。

 

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ここからひと登り、青空に向かって歩いていくと…

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10:26 あっという間に甘利山到着です\(^^)/

 

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振り返ると富士山が大きくドドンと。

散策気分で登れる上に景色が素晴らしいから、週末は混むんだろうな。

 

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まだまだ歩き始めなので休憩せずそのまま先へ進みます。あそこを登っていくんだな~。木々の葉が落ちてさみしくなった分、登山道がなんとなく確認できます。

 

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そうそう、今回の山行で楽しみにしていたもの…それは富士山の眺めと「サルオガセ」。このとろろ昆布のようなほわほわしたものです。とある方の山行記録に「たくさん見られます!」とあってすごく気になっていたのですよー。サルオガセ自体は他の山でもよく見られるけど(我が家周辺だと池山が印象深い)、ここでは特にたくさん見られるんだとか。

気味悪くて嫌だ…と言う方もいるかもしれないけど個人的に大好きなのです、このよくわからない感じが。

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サルオガセって、一体なに?菌?コケ?藻?と気になるところですが、正解は地衣類(ちいるい)だそうです。

【地衣類とは】

地衣類は一般には「こけ」と呼ばれます。「こけ」には蘚苔(せんたい)類(コケ植物ともいう)など様々な植物の仲間が含まれますが、じつは地衣類は 植物ではありません。菌類の仲間が、藻類(そうるい)と共生して一つの体を作っているのです。

こちらのサイトに詳しい説明が→ 地衣類って何?

一応、コケでも菌でも藻でもあるんですね…。

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ちなみにサルオガセは霧藻(きりも)とも呼ばれていて、空気中の水蒸気と光合成だけで成長するから単独で育つことができるそうです。ヤドリギのように他の植物に寄生するわけではないんですね。仙人のように霞を食べて生きているのか…。

更にサルオガセは汚れた空気のところでは生息できないらしく、つまり「サルオガセがあるところ=空気がきれい」と言えるらしいので、見ると無意識にほっとしてしまうのはもしかしたらそのせいかな?とはいえ私はだいぶ鈍感タイプの人間なので、空気がどうとか言うよりただ単に見た目が好きなだけかもしれませんが…。

 

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サルオガセを眺めつつ、富士山も眺めつつ…

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笹の間の道をてくてくと歩いていきます。

 

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途中、奥甘利山との分岐が。ここから数分登れば到着するそうだけど今回はパスしましたm(__)m

 

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目指す千頭星山のピークはあそこかな~。意外と近いような遠いような。

 

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整然と立ち並ぶカラマツ林を少し下って…

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また登り返し。決してキツくはないけど地味~にアップダウンがありますね。いい運動になります。

 

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途中、北側が開けて八ヶ岳の見えるポイントがありました\(^^)/右が赤岳、左は権現岳編笠山かな??

ここから更に先へ進むと…

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わ~!なんだこの気持ちの良い道は!スキップで歩けそうなルンルンロードが森の奥へと続いています。

 

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味のある手書きの看板も。

やっぱりいい名前ですね、千頭星山って。なんだかロマンチックな響き。

そういえばこの山名の由来はなんだろう?と思って調べてみました。すると…

千頭星山の由来は狩猟と関係があるという。千頭(せんず)は、シカやイノシシなどが多い狩猟地を指す言葉。「ぼし」は境界を示す榜示、法地が語源といわれる。鳳凰山との関連で法師という説もある。(南アルプスNETより)

ですって(゜.゜)

あらら、千の星が降り注ぐようなロマンチックな由来ではなかったのね。ここは狩猟のための場所だったのか。

このことからふと思い出した話があります。山の名前には「○○」や「○○」がありますが、その違いというのが「山と付くのは昔から木材や山菜などを採集する生活のための場所」で、「岳と付くのは標高が高くて岩ばかり、神や魔物が住む不可侵近な場所」という説があるのだと高橋庄太郎さんの本で読みました。ただしこの話は一部地域での話らしいから、山梨はどうかわからないけど…。

山と岳の違いに関する説の中ではこれが一番しっくりくるな、と個人的に思うのでありました。千頭星山も生活のための大事な場所だったのでしょうね。

 

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ルンルンロードを過ぎたら再びサルオガセの森。

美しいような、恐ろしいような。

そういえばむかーし観た「世にも奇妙な物語」に『峠の茶屋』という話がありましたよね…あの深い森、樹木に取り込まれた女性…いまだにふと思い出してしまいます。

「決して左から振り返ってはいけない」んだっけ、それともそもそも「絶対に振り返ってはいけない」んだっけ… ←うろ覚え。とにかく、こういう場所では振り返るにしても「右から」という癖がついてしまいました。右からなら多分大丈夫(わけわからんマイルール)。

 

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そしてまた分岐。

そうそう、千頭星山の先を行くと夜叉神からの道と合流するけど、ここで曲がると青木鉱泉の方に行けるそうなのです。胸熱だわ~。

 

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そして左側には相変わらず富士山が。

 

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そして先に広がるなんだかのどかな登山道。全体的に素晴らしく歩きやすい道だわ。この山は。

 

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笹に覆われた道をガサガサと。

 

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富士山の反対、右側の木々の向こうをずーっと見ているんだけど…鳳凰三山が見えそうで見えない。かろうじてオベリスクがちらっと見えた!!嬉しい\(^^)/

 

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もう少しで山頂かな?という辺りもサルオガセに覆われていました。

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きれいな緑… 淡くてやさしい色。

 

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サビの付いた道標には、南御室小屋の文字。

 

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あ、登山道に雪が。

そうそう書き忘れていたけど、登りの途中で行き会ったおじさまが「上の方に雪が少しありましたよ」と教えてくださったのです。

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これよりもっと雪が増えるのかな?今回は軽アイゼンも何も持ってきてないや…と思いつつ登っていくと、

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11:52 あれっ、もう山頂に着いちゃった。雪は全然たいしたことなかったわ!よかった~。

 

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山頂では一組の登山者さんが休憩されていました。

さて、私たちは…どうしようか。千頭星山の山頂は展望がない樹林帯の中なのですが、少し先へ進むと眺めの良いポイントがあるらしいのです。ただリサーチ不足なのではっきりした場所がわからない…ひとまず少しだけ進んでみます。

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ゆるくアップダウンをしつつ、

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数分間歩いてみました…が、だんだんとガスってきているような…。日が陰って寒いし(・・;)展望地もどこまで進めばいいかよくわからなかったのでもう引き返すことに。

途中、休憩に良さそうな広い場所があったので

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(乱雑な置き方でスミマセン…)お昼ごはんにします\(^^)/

朝、コーナーポケットさんで買ったパンとカップスープ。

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誰も通らない静かな山の中… いや、静かすぎるほどだわ。

パンが美味しくて黙々と食べてしまいました。ごちそうさまでした♪

 

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お腹がいっぱいになったらそろそろ下りましょうかね。サルオガセの森へ再び足を踏み入れます。

 

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何度も言うけど本当に見事だわ…。シャッターを押す手が止まらず同じような写真を大量に撮ってしまった今回の山行です(;'∀')

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ふわふわ~。

 

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おっと!サルオガセに気を取られていましたが、下りの途中でオベリスクがしっかり見えるポイントがありました\(^^)/わーやっぱりかっこいいな~また行きたいなぁ。

 

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少し高いところから見下ろす登山道。タイヤのスリップ痕みたいで面白い。

 

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そしてルンルンロードまで戻ってきました。わーここからの見え方もいいなぁ!写真だとわかりにくいけど、木々の間にまっすぐ登山道が伸びています。

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振り返っても素敵。

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あまりに快適なので、オットがテケテケ走っていく…。

 

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ルンルンロードのあとは下り。そうそう、ここからは…

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南側にずっと富士山が見えているんですよね。

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本当に贅沢な眺めだわ。うっとり。

 

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八ヶ岳が見えるポイントを過ぎて…

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ちょこっと登って、また下ります。

 

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ふと振り返ってみると…白い幹のダケカンバが絵画のように。

 

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そしてまたもふもふのサルオガセを眺めつつ歩いていくと、

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甘利山が見えるところまで戻ってきました。あぁ~この素晴らしい山歩きが終わってしまう…さみしい。

 

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少し前の記事でも書いた気がするけど、この写真の富士山がどうも浮かんでいるように見えてしまう私です。面白い眺めだわ。

 

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紅葉の名残りなどを眺めつつ歩けば、

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あっという間に甘利山に到着。

 

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ここからの富士山も大きくて素晴らしい。

 

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木道をトコトコ歩いて、

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鍋頭まで戻ってきました。

 

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景色を眺めつつ、十文字ガルテンさんの美味しいドライフルーツを食べて小休止。

 

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甲府盆地。いつも見ている伊那谷の風景と違ってやっぱり広いなぁ。建物がたくさんあるわ。

 

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そうそう、ここには山名盤があるので方向音痴の私でもやんわり山座同定ができます。

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あっちが聖や千枚岳・・・ ん?那覇

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よく見ると宮崎、広島、大阪などなどありとあらゆる都市名が・・・!!

反対側にはもちろん横浜や東京、千葉などの名前もありましたよ(^^)広範囲で面白すぎる。

 

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14:12 鍋頭から下るとあっという間に駐車場に戻ってきてしまいました。富士山の眺めにサルオガセにルンルンな森。のんびりととても良いお山でした。登山道もずっと歩きやすかったからお子様連れでも楽しめそう。

 

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いつか千頭星山から鳳凰三山への道をつなげたいな~。

そうそう、このルート上には青木鉱泉への分岐もあったから…「駐車場→甘利山→千頭星山→鳳凰三山→青木鉱泉→甘利山→駐車場」っていうルートもありなのか…!?2泊3日で行けばコースタイムは問題なさそう。あとは道の状況を調べてみなければ~。

 

おまけ。

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信州への帰り道。高速から八ヶ岳がきれいに見えるのが嬉しい。

 

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おお、権現岳!右から三ツ頭、権現山頂、東ギボシ、西ギボシかな?10月の山行で下山中に見えたのと同じ並びで感激しました。

 

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そしてやはり目立つ地蔵岳オベリスク。またお会いしましょ~~~。