ひねもすのたり。

日々と山と猫と蕎麦屋のこと。

▲茅ヶ岳(1,704m) 2022年3月23日

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お久しぶりの山梨へ。

 

今回のルート

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深田記念公園P→女岩→茅ヶ岳山頂→千本桜分岐→深田記念公園P

▲合計距離 6.8km

▲累積標高差 835m

▲コースタイム 4時間23分(行動3時間37分+休憩46分)

 

いきさつ

だいぶ暖かくなってきたし、久々に山梨方面へ遊びに行こうかと思いまして。それならコーナーポケット(パン屋さん)に行きたい!とオットが言うので、じゃあパンを買ってどこかの山で食べようかということになりました。

どの山に行こうか色々考えた結果、「一度登ってみなきゃね~」と言いつつ未登頂だった茅ヶ岳に決定。

先日の記事でも書きましたが、茅ヶ岳といえば百名山深田久弥終焉の地として有名です。その深田先生の命日がつい先日の3月21日だったそうで、当日は多くの方が登られていたようでした。

でもその翌日の22日は雪予報。ヤマレコやYAMAPなどで確認しても山行記録がひとつも出てこない(;'∀')またノートレースの予感…

そこまでどっさり降ったわけではないとは思うけど、無理はしないように安全第一で行ってみよう。

 

本編

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数か月ぶりの山梨。中央道から見える富士山は相変わらず麗しいお姿です。

韮崎にあるコーナーポケットさんでお昼ごはん用のパンをいくつか買ったら早速現地へ。

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9時過ぎに深田記念公園の駐車場に到着しました。

あらら…今日は誰かいるはずと思っていたけど、まさかの先行者ゼロ!?

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9:31 ちょっと不安だけど…とりあえず出発してみます。

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スタートからしばらくはゆる~い林道歩き。うっすら陽が射して良い雰囲気です。落ち葉をガサガサさせながらなので晩秋の山を歩いているみたい。

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途中、一ヵ所だけ道路を横切るところがあります。そのまま直進。

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だんだんと雪が出てきましたねぇ…このぐらいならまだ我が家の庭の降雪量と同じくらい。

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枝についた氷や雪がぱらぱらと落ちていきます。

雪面に人のトレースは一切なく、動物たちの足跡のみ。

倒木の上にずらりと並べられた石たち。

まるで仏様のようにも見える…。

左側の斜面は岩ゴツ。この辺りの山って独特な山容ですよねぇ、伊那谷里山とは雰囲気がまるで違うような。

そういえば茅ヶ岳ってピラミッドみたいな綺麗な形だし、もしかして火山なのかな?と思って帰宅後に調べてみたらやはりそのようでした。

・茅ヶ岳…奥秩父山地の南(西)部に位置する火山。標高は1,704 m。火山体には金ガ岳峰も含む。東側は黒富士火山群に接する。

・茅ヶ岳火山は約20万年前後に活動した安山岩の複成火山であり、それが侵食されてできた峰が茅ヶ岳である。

(Wikipediaより)

やっぱり火山って独特な雰囲気を持っていますよね。

浜松に住んでいた頃によく通っていた奥三河の山々も随分と岩ゴツなところばかりだな~と思っていたら、なんとその辺りも火山だったそうで。「設楽火山といって約1500万年前に大規模活動していたんですよ」というのをたまたまテレビで見かけてびっくりした記憶があります。

遠い遠い昔のことに思いを馳せながら、雪の道を歩いていきます。

3月ともなるとガシガシに固まっていたりグズグズに腐った雪ばかりなので、踏むとギュムギュムいう新雪の上を歩くのは久しぶり。

岩陰には可愛いつららがズラリ。

曇りがちな日でしたが、時折青空も。

おや、目の前に看板が。

正面に見えるあれが女岩なのかな。崩れてきたら大変だわ。

さてさて、ここまでずーっとほぼ平坦or緩い登りでしたが「女岩の辺りから急登になる」と他の方の山行記録で見ました。どんなもんだろうかと登山道を見上げると…

わわ、確かに様子がガラリと変わった…!!

今まで平和だった分、ようやく山登りらしくなった気がする(;'∀')

半端に積もった雪と岩々で結構登りにくいな…。

オットの方がルート選びが確実なので先行してもらいましたm(__)m滑らないよう慎重に…。

山頂まで1km。

雪がだんだんと増えてきました。雪面に落ちる影がきれい。

まだチェンスパつけなくて大丈夫そうだな。そのまま行きます。

トラバース道が終わったら… おお~、また結構登るなぁ。

この辺りは写真を撮らずに黙々と登っていたのですが、途中でごっそりと地面がえぐれてぼこぼこになったところが何ヵ所もありました。イノシシの仕業なんだろうけど、かなり広範囲だったので大きな群れなのでしょうか?(;'∀')

そういえば山でイノシシって一度も遭遇したことがないな…遭遇しないに越したことは無いですが。

はー。なかなかにエライ登りです。

尾根はまだかな~~~と思っていたら、目の前にこの巨石が現れて…

少し登ると、尾根が見えてきた!!

わーい\(^^)/って、まだ山頂ではないんですけどね。ここまで単調な登りだったのでちょっと嬉しい。

早速動物の足跡こんにちは。キツネかな?お邪魔しますね。

そういえば深田久弥先生の碑はどこにあるのかなぁ…なんて思いながら登っていくと、

尾根の途中にありました。雪に埋もれていたけどお花もちゃんと供えられていましたよ。命日の3月21日に登られた方のものかな。

昭和46年3月21日、登山中にこの場所で脳卒中のため倒れ急逝されたとか…。

百名山」といえば現在でも多くの方が目指しているし、今後もそうなっていくんだろうな。私達はあまりこだわっていませんが、それでも百名山のひとつに数えられる山に登った時は「そうか、ここも百名山なんだよなぁ」と少し特別な思いがします。

病気の奥様を置いて他の女性と逢引きをしていたというエピソードにはコンニャロウとしか思いませんが(山女日記の雨飾山編でも登場しましたね)、日々のほほんと山を楽しんでいる私達からするととんでもなく偉大な先生なわけで…

おかげさまです、の思いで合掌させていただきました。

さあ!気を引き締めて山頂を目指しますよ~~~。

「尾根に出たら山頂まではすぐ」という気がしていましたが、雪の下に隠れる岩や木の根っこなどに気を遣いつつなので思いのほか時間がかかってしまった印象。

ゼエゼエ…

そ… そろそろ山頂なんじゃない??

わーー、着いた!

11:42 茅ヶ岳山頂に到着しました~\(^^)/

正面に見えてるのが金ヶ岳かな。その奥に八ヶ岳

八ヶ岳ズーム。高曇りだから山はよく見えてるなぁ。

こちらの看板の向こうには…

金峰山かな。てっぺんのポチっと目立つのはおそらく五丈岩。

左の方のちょっとゴツゴツしているのは瑞牆山かなぁ…。

遠くに北アルプス

近くに南アルプス

鳳凰三山。写真中央、わずかにポチっと見えるのは地蔵岳オベリスク

仙丈と甲斐駒。仙丈は我が家から見える姿が好きだけど、甲斐駒はやっぱり山梨側から見るのがカッコいいな。摩利支天がもりっとしてて。

 

…そうだ、周りの山々はずらりと見えるけど富士山はどこだろう?とキョロキョロすると…

わっ!あちらにいらした!!

「ワタクシが主役です」とでも言いたげに南東方面がすこんと開けていました。まるで富士山のための展望台のよう…。

美しいなぁ。ありがたやありがたや…m(__)m

ところで山頂には立派な方位盤があるのですが、雪が積もっておまんじゅうと化していました(;'∀')

手でざっとどけてみる…でも下の方はまだ凍っていて完全には取れません。おや?

あ、この方位盤って立体なんだ!!カッコいい~

富士山の頭がちょこんと出たわ\(^^)/写真だとわかりにくいけど…

さてさてお腹も空いたし絶景を眺めながらお昼ごはんを食べましょう。コーナーポケットさんで買い込んだパンをわさわさ取り出します。

あまおうのクリームパン。甘くて美味~。見た目も可愛い。

そしてこちらは信玄パン。中にお餅が入った信玄餅風のパンなのです。前回千頭星山に行ったときに食べたらこれが美味しくて美味しくて…すっかりハマってしまいました。

あ、そういえばオットはドラえもんのパンを買ってたなぁ。

「ボ…ク… ド…ラ…エ……」

ド、ドラえも~~~~~ん!!!(;´Д`)

見た目はかわいそうなことになってたけど味は美味しかったそうです。ほんとホンワカパッパですよね(謎)。

そんなこんなで楽しい山ごはん時間を過ごしたのでした。

ではそろそろ下山しましょうか… 山頂を去る前に方位盤の富士山と本物の富士山のツーショットを撮ろうとしたんだけどうまく写せなかったな(;'∀')

そうそう、山頂付近にはシカの足跡がたくさんありました。お騒がせしちゃってすまないね、お邪魔しました。

下山はこちらから。

安全のため一応チェンスパ装備してみたけど…どんなもんかな。

下りは一層気を付けていきましょう~。

誰一人として入山した形跡がないから下りも当然ノートレース。登り同様隠れた岩や木がちょっと怖いけど、きれいな登山道だな。何度も足を止めて写真を撮ってしまいます。

場所によっては結構積雪がありますね。それでも一番深くてふくらはぎくらいかな。

オットがルン♪としている写真が撮れてしまった\(^^)/

分岐がありました。深田公園に下りるので真っ直ぐ行きます。

なかなか急な下りが続きます。

チェンスパ付けたけどすぐダンゴになっちゃって用をなさない…。ズルズル滑ってしまって一度ものすごくきれいに尻もちつきました(;'∀')ピターン!!って。思わず笑ってしまいました(ケガはありません)。

オットが見つけた影絵作品「キツネ」。

こんな感じ?(うまく写真が撮れない)

こちらはオットの手。分厚い手袋をしていたから、キツネというよりウサギに見えますね。

そんな遊びもしつつどんどこ下ります。

振り返ると山頂が見えました。だいぶ遠ざかってきたなぁ。

この辺りには可愛い足跡がたくさん。影絵ではなく本物のキツネたちかな。

この看板がある辺りまで来ると、

雪がだいぶ少なくなり、広々とした道になりました。

更に下ると…あっ、道路が見えてきた!!

道路を横切るポイントまで戻ってきました\(^^)/

左に折れて少し歩くと、

駐車場への道があります。登りで直進したところですね。ここから緩やかな道をテクテク行けばもうじき駐車場だ~。

そういえば、駐車場手前でぽつんと佇む黒猫さんを見かけました。自宅周辺にいる地域猫たち(黒猫)を思い出して「付いてきちゃったの!?」と口に出してしまったけどそんなわけないわ(;'∀')

13:54 無事駐車場に帰還~。

1~2台くらい車が停まってるんじゃないかと思ったけどこの日はほんっとうに貸し切り状態だったんですね…。静かなのはいいけどちょっと寂しく感じてしまった私達でした。

でも、ずっと気になっていた茅ヶ岳に登れてよかったな。雪のおかげか意外と良い運動になったし。また別の季節にも訪れたいと思います。

 

▲おまけ

麓に下りたあと、きれいな形の茅ヶ岳を撮りたいな~と思って帰りの車中でカメラを構えたのですが…なぜトイレの看板越し(;´Д`)

そして中央道から八ヶ岳を眺めながらの帰路でした。久々の山梨、立ち寄ったのはパン屋さんと山のみだったけど楽しかったな。次はどこへ行こうかしら。