ひねもすのたり。

日々と山と猫と蕎麦屋のこと。

▲天空のテン場、冷池山荘へ 2022年8月29-30日【後編】

とても印象深い山時間となりました。

 

 

前回は冷池山荘のテン場に到着したところまででした。その続きです。

テン場に到着したのが12時半頃だったので、その時点では2~3張のテントしかありませんでした。「早めの時間に行って平らな場所を確保すべし」「遅くなると斜めになった場所にテントを張るはめになる」と聞いていたのでちょっとドキドキでしたが、今回は良い場所をゲットできてひと安心。テントを設置したら中を整えて…

完成\(^^)/今使っているテントは左右のどちらも開くようになっています。この時は陽射しもあって暑かったので、開け放って風通しよく。

早めに到着した方の中には「これから鹿島槍行ってきます!」という方も。確かに時間は十分あるなぁとは思いましたが、へっぽこな私はここまで歩いただけで「今日は頑張った!」とすっかり満足してしまって…(;'∀')

まぁ次の日もお昼頃までは曇り時々晴れの予報だったので、予定通り山頂は翌日目指すことにしました。晩ごはんまでゆっくり過ごそうかね~。

そうそう、のんびりする前に水の確保をしなければ。ということで再び冷池山荘まで下りてきました。前回も書きましたがこの辺りには水場がないため、小屋で分けてもらいます。

宿泊者(テン泊含む)には1人につき1Lサービス。それ以上は1Lにつき200円。

給水対応可能な時間は限らていて、夜は19時まで(※17~18時は小屋の夕食のため休止)。翌日朝は5時から。

小屋番さんに何度もお願いするのも申し訳ないし、小屋~テン場間の行き来も面倒なので、最初に4L分入れていただきました。今回2Lのプラティパスは1つしか持っていかなかったので、足りない分はボトル4本分で…。結局ご面倒をおかけしてしまいました(・・;)プラティパスがもうひとつあればもっと簡単だったのに。次回はちゃんと持っていこう。

水をゲットするついでにお手洗いも済ませたら、テン場へ戻ります。ぼちぼち急登で地味にキツイです…(;'∀')

テン場へ戻ったら今度こそくつろぎタイム。劔立山方面は雲が多めだけどまだ青空が。

歩いてきた稜線を振り返ると、こちらはだいぶガスガスになってきましたねぇ…。

頭上から照りつける陽射しが強かったので、私はひとまずテントの中へ避難。風が通ってとても涼しい~。そしてテントの中からもこの眺め!最高の時間です。

そしてザックから取り出したるは…「何度目だ」と自分にツッコミをいれたくなりますがまたしても暗黒神話です。

ハタチの頃から何十回、いや、何百回読んだかね…。山に来ると壮大な話を読みたくなるのでついこの本を選んでしまう。(とか言いつつ益田ミリさんなどののほほんとした本を持ち出すこともあるけどね)

漫画を読みながら、時々、外の景色も眺めつつ。

あ、そうかここからも種池山荘が見えるんですよね。向こうからも見えていたから当然といえば当然なんだけど、気付いた瞬間ちょっと嬉しくなりました。

午後4時過ぎ、ちょっと早いけど晩ごはんの準備に取り掛かります。今回もラージメスティンで2合炊飯。

これは切り干し大根とミックスビーンズのサラダ。味付けは「すしのこ」と冷蔵庫に眠っていたタルタルソースの小分け袋。

あとはスーパーで見つけた牛玉丼のもと(フリーズドライ)。もうひとつのおかずとしていわしトマトハーブ漬け。山で炊き立ての白ごはんを食べられる幸せ。日本人で良かった\(^^)/

晩ごはんを食べながら、目の前に広がる山々の風景をただ眺めていました。

光と雲の流れ。

湧き上がる雲に飲まれそうな劔岳

後ろには猫耳鹿島槍

遠くには針ノ木&スバリ。

種池山荘。

山の向こうにぼんやりと槍の穂先。

今日歩いてきた稜線。

17:40頃。夕方近くなり空の色が変わってきました。

みんな、テントの外へ出て景色を眺めています。

神々しいな。みんな、ただじっと、静かに眺めていたのが印象的でした。

だんだん寒くなってきたのでテントの中へ入り、顔だけ出して山を眺めていました。確かにこのテン場の立地は素晴らしいな。

そういえば近くのテントの方が「明日Aだってー」と話しているのが聞こえました。もしかしててんくらの話かな?

(※てんくら→日本気象株式会社の運営する天気予報サイト「てんきとくらす」のこと。登山指数をA~Cで教えてくれます。SNSなどでも「てんくらAだから期待」とか「てんくらCだからやめよう」とか聞かれますね。)

我が家は別の予報アプリをチェックしていたのですが、そちらもやはり午前中は曇り時々晴れ、午後は雨となっていたので、二日目の鹿島槍登頂も楽しみだな~とワクワクしながら眠りについたのでした。

 

・・・・・・・・・

 

そして二日目(8/30)。

夜中から強風が吹き荒れていて、フライシートが絶えずバタバタ…。ちゃんと固定してあるから大丈夫だとは思うけど、まさか吹っ飛ばされやしないだろうなと不安な夜を過ごしました。

そして午前2時頃からパラパラと雨の音。えっもう降ってきた⁉随分早いじゃないの(;´Д`)朝までには止んでくれるかなと思いましたが、雨は止むことはなく強まったり弱まったりの繰り返し。

予定通り3時過ぎにオットも私も起きだしましたが、さてどうしよう。

鹿島槍山頂を目指すなら4時過ぎに出発するところだけど…この雨ではなぁ。ひとまずお湯を沸かして朝食のアルファ米(チキンライス)をテントの中でむしゃむしゃ食べて腹ごしらえ。

外が明るくなるまで待って、それでも雨がずっと続くようだったら撤収しよう、ということにしました。

そして5:30頃。雨、止まず(T_T)

大雨というほどではありませんでしたが、周りの人たちも続々と撤収していきます。山頂方面に向かったのは私が見た限りでは一人だけだったかな?(ピストンではなくその先まで縦走予定だったのかも)

残念だけど私たちも今回は撤収して、鹿島槍はまたの機会にしよう!という結論に達しました。

昨日の午後、鹿島槍に向かう方を「元気だな~」と眺めていたけどそれが正解だったのね…今更それを言ってもたらればでしかないか…。

雨が小降りになった隙を狙ってバババッと撤収。私がまた全身ピンクマン(あ、ウーマンか)になっている…実はこの後にレインウェアを買い替えたので、全身ピンクはこれで見納めです(;'∀')

そして下山開始。あれ?なんだかうっっっすら青空がのぞいてない?(往生際が悪い私)

下山する前にもう一度冷池山荘へ立ち寄りました。手ぬぐいとTシャツを記念に購入。

小屋の外にはこんな募金箱が。このご時世では山小屋の経営も本当に大変だと思います。小屋がなくなってしまっては困るので、私たちもほんの少しですが協力させていただきましたm(__)mまた来ますね。

それでは昨日と同じ道を歩いて下山していきましょう。相変わらず雨は強まったり弱まったりを繰り返しています。でも時折うっすら陽が射すこともあって…。こんな様子だと「山頂まで行けたんじゃないかな?」と後ろ髪を引かれる思いも(・_・;)

せっかくここまで来てたのにな~…とトボトボ歩いていると…

あ、虹だ!!!

わー、きれいだなぁ。山で虹を見るのは初めてかも…。虹の向こうには種池山荘が見えています。

目標が達成できなかったのはとても残念だったけど、昨日は一日中絶景を楽しめたし、ライチョウにも会えたし、今日はこうして虹を見られたし… うん、来てよかったんだ。来れてよかった。

そんなふうに思いながら稜線を歩いていたら、私たちより先に出発していたグループに追いつきました。その内のお一人が「向こうにライチョウがいますよ」と教えてくれたので、見てみると…

どこだろう?

あ、あれかな? …いや違う!

こっちだ!! 岩の形がものすごくそれっぽかったので完全に見間違えてしまいました。今日もお会い出来て嬉しい~\(^^)/

その後も稜線をトコトコ歩いていきます。爺の中峰近くだったか、コマクサがほんのちょっとだけ残っていました。こちらも嬉しい出会い。

その先でも、岩の上に丸っこいものが…と思いよくよく見てみると、

またライチョウだ!\(^^)/ 姿を見せてくれてありがとう~また来るね~。

種池山荘まで戻ってきました。↑私は何をやっているんだろう?確か靴紐を結び直していたんだっけ。相変わらずの雨なので休憩もせず下山再開。

歩きやすい道ですが、天候が天候だけに足元には特に気を付けて。

10:38 そして次の写真ではもう下山が完了している…!やはり雨だと写真も撮らず歩きっぱなしなので早いですね(;'∀')このあと数分歩いて無事に第二駐車場まで戻ったのでした。

さて、今回は一番の目的だった鹿島槍登頂が叶わず何とも消化不良な山行となってしまいましたが…それでも山の上から眺めた絶景は目に焼き付いていて、とても印象深い二日間となりました。ライチョウに何度も会えたのも嬉しかったな。

よくよく考えたら、オットは爺南峰&中峰と登っていたけど私はどこのピークも踏んでいないな…(;'∀')まぁこんなこともありますよねぇ。

また機会を作って鹿島槍リベンジをしたいと思います。

 

▲おまけ

今回購入したお土産の品。登ってないけど鹿島槍手ぬぐい&Tシャツ。種池山荘のライチョウ手ぬぐい。そうそう、このライチョウ手ぬぐいは私も色違いを持っていて二日目の下山の時に頭に巻いていたのですが、途中で行き会ったお姉さま方に「あら!可愛い手ぬぐい!」と褒めていただきました(^^)フフフ

 

今回の山行記録も読んでくださりありがとうございました。