ひねもすのたり。

日々と山と猫と蕎麦屋のこと。

中秋の名月。

月々に月見る月は多けれど月見る月はこの月の月(詠み人知らず)

今晩は中秋の名月。夜空を見上げてみたらぴっかり明るい月が出ていて、その周りを薄い雲が流れていました。

月の写真は撮らなかったので庭のホトトギスをば。

中秋の名月といえば、毎年同じことばかり言っていて申し訳ないけど枝雀さんの名月屋が脳裏をよぎります。正しくは『春風屋』の中に出てくる名月屋ですが。

「はぁ~見事なもんやなぁ、我々素人が上げんのと玄人が上げんのとでは、月の上っがりようが違うわ。」何度聴いてもふふっと笑ってしまう台詞。

そしてうさぎが月に昇るようになったエピソードを語りながら晩酌をするシーンでしんみりしてしまう。枝雀さんの落語はあんなに面白くて笑えるのに、どこか寂しい。まるで尾崎放哉の俳句のような。