ひねもすのたり。

日々と山と猫と蕎麦屋のこと。

寒晒しそば作り。

昨日、1/20の大寒の日に寒晒しそばの作業をしてまいりました。

過去数回挑戦している寒晒しそば。その年の気候にも左右されますが、それ以前に場所の選定がなかなか難しくて…。綺麗で冷たい沢水、ほどほどの水量、上に人家がない場所、尚且つ作業がしやすい場所(車と人が入りやすい)、ロープを結べる木や岩などが近くにあるとベスト… などなど希望の条件にぴったり合う場所がありそうでないため、ほぼ毎回場所を変えてあちこちで試しています。

昨年はオットがふと「与田切の上流に入らせてもらうのはどうかな」と思い付き、役場に問い合わせをしてみるもその時は工事など諸事情のため許可が下りず。

今年改めて問い合わせたところ、役場の方にご快諾いただきましたm(__)mありがとうございます。

 

※寒晒しそばとは※

秋に収穫したそばを夏まで美味しく食べるために考えられた、江戸時代の保存方法です。

1.厳寒期(大寒立春)にそばの実を冷たい沢水に浸ける

2.寒風に晒して乾燥させる

3.夏まで土蔵等で熟成させる

このような手順で作られます。

江戸時代には伊那の高遠藩や諏訪の高島藩が将軍家に献上しており、最高級のそばとされていたそうですよ。

現代では温度管理がしっかりできる貯蔵庫に入れておけば鮮度が保たれますが、自然の力で寒晒しにしたそばは通常より甘みが強く、もちもちとした独特の食感になります。夏が近くなるとお客様から「今年の寒晒しそばはいつからやるの?」とお問い合わせをいただくことも。

 

↑先日の下見の様子。どこがいいかな~と川の周辺をウロウロして目星を付けます。

↑そして昨日。閉店後、明るいうちにと慌てて家を出て現地まで行きました。

※与田切川上流某所ですが、この場所は現在立ち入り禁止になっています。今回は役場の方の立会いのもとゲートを開けていただきました。

ネットの中身は蕎麦の実(殻つきの状態)。今回は田切産のそばの他、贅沢に入野谷在来種も少し浸けてみようかと(^^)

力仕事はオットにお任せ…すまぬのう。

オットよ、なぜ素手…手袋持ってこなかったんか。

手冷たくない?大丈夫?と声をかけると「大丈夫!意外と冷たくないよ」とのこと。それはよかった…いや、冷たくないって寒晒しするのにはよくないのでは(;'∀')まぁ来週はぐっと冷え込むそうなのでそれに期待ですね。

がっちりロープで固定してひとまず作業終了。大丈夫だとは思うけど流されないか心配なので、また様子を見に行かねば…。

作業中はそこまで寒さを感じなかったけど、帰宅途中に雪がちらついてきました。暦どおり大寒はやはり寒くなるのですねぇ…ブルブル。

寒晒しそばのご提供は夏(7~8月頃)の予定です。もちろん無事に仕上がれば…ですが(;'∀')美味しいそばになりますように。