ひねもすのたり。

日々と山と猫と蕎麦屋のこと。

▲守屋山(1,651m) 箕輪口 2023年3月15日

初めてのコースから人気の里山へ。

今回のルート

守屋山箕輪口駐車場→守屋山西峰→守屋山東峰※ピストン

▲累積標高差 537m

▲合計距離 6.4km

▲コースタイム 2時間46分(休憩含む)

 

いきさつ

前週は弘法山周辺でゆるっとハイク。そしてこの日もお天気が良さそうなので軽めの山に行こうかという話になりました。

実は弘法山の帰りに立ち寄ったお店で「安曇野長峰山っていう里山も眺めが良くていいそうですよ~」と聞いたので、お隣の光城山と合わせて歩くのもいいな~と計画していたのだけど…(そういえばこちらも弘法山同様桜の名所だそうですね)

山を決めるよりも先に「辰野にあるカツ丼屋さんに行きたい!」というのが決まってしまって(二週連続カツ丼…!!)、じゃあ今回の山は上伊那周辺で探そうか~ということになったのでした。

そして思い付いたのが守屋山の松尾峠コース。以前守屋山の山頂で行き会った方からおすすめされたものの、まだ一度も歩いたことがなかったのです。距離も短くて登りやすい道だそうだから、ゆるっと行ってみよう。

本編

当日朝、自宅を出発して現地へ。登山口近くの林道は以前にも通ったことがあるし、通りながら「ここが登山口なのか~」とちらっと確認した記憶もありました。

だから迷うことはないなと思ったのだけど…いつの間にか松尾峠の登山口を通過していたらしく、気付いたら箕輪口の登山口駐車場に到着しておりました…(・_・;)

箕輪口コースの話も人から聞いたことがあって、しばらく歩けばすぐ松尾峠コースと合流するそうだからここから歩いてもまったく問題はないけど…

どうしようかと話していたらちょうど地元の方らしき男性が通りかかったので「松尾峠と箕輪口とどっちがおすすめですか?」と尋ねたところ「そんな変わんねぇな」とのこと。

8:41 じゃあ今回はこのまま箕輪口コースで行ってみよう\(^^)/

※下山後、車で通過しながら松尾峠の登山口もちゃんと確認しておきました。

序盤からよく整備されたきれいな道。さすが人気の里山だなぁ。

おや、こちらは…。山の中では色々な標石を見かけるけど、これはなんという字だろう。オットは「思かな?」と言っていたけど…田の下のMが謎ですね(゜゜)ご存知の方がいらしたら教えてくださいませ。

明るくて気持ちのよい樹林帯をさくさくと登っていきます。

9:13 松尾峠コース出合い。

この道か。また機会があればこちらの道も歩いてみたいな。

守屋山の登山道には味のある手書き看板がたくさん。

そうか、諏訪湖の花火大会…!山頂から見たらどんなふうなんだろう。花火を見るためにナイトハイクする方もいるのかなぁ。気になります。

左側、やや後ろに白い山々が見えてきました。中央アルプスかな。

ふと見上げるとぽこぽことヤドリギたち。

更に歩いていくと、先行していたおじさま(駐車場で話をした方)が立ち止まっていて「ここに面白いのがあるぞ」と声をかけられました。

「これがな、リスみたいに見えるんだよ」

・・・??

石の上をよく見ると…切り株のなれの果てのようなものが。あっほんとだリス(?)みたい!まん丸の目と耳があって、立派なしっぽまで付いていて。写真がうまく撮れなかったけど面白い形でした(^^)

ここで小休止がてら、おじさまから山の話を色々と教わりました。

この先にはいくつかベンチがあって、二つ目のベンチがある辺りは「八つ株」と言うんだと。ここは諏訪藩と高遠藩の領地争いがあった場所なのだそうです。諏訪藩は高遠側にしじみの殻を投げて「この土地は元々オレたちが住んでいたんだ!」、高遠藩は諏訪側へ炭を投げて「オレたちは昔からここで炭焼きをしていたんだ!」とそれぞれ自分たちの領地であると主張したのだとか。

そんな歴史があるのか(;'∀')

それと登山口の話。箕輪口と松尾峠はよく話に聞きますが、他にも木戸口と片倉口があるそうですね。知りませんでした(゜゜)木戸口はなんと昔殿様が通った道だそうですよ。そう言われると歩いてみたくなりますね…!ただあまり聞かないからマイナールートなのかな?

さてそんな楽しいおしゃべりをしつつも先へ進みましょう\(^^)/

おお、ここだけ長いつららが…!

里山もだいぶ春めいてきたからこんな光景も見納めですね。

登りになると暑いなぁ…でも思いのほか風が冷たい。

あ、片倉口との分岐だ。

踏み跡はちょっと薄いような感じだけどこちらを使う方もいるんだろうな。

更に進むと立派なベンチが。

息切坂。コロナと書かれているから2020年以降に書かれたものなんですね。そういえば一昨年立石コースを歩いたときにもこんな看板があったっけ。

そして二つ目のベンチ。

これがさっきのおじさまが言っていた八ツ株ですね(゜゜)

十年余りに渡る江戸裁判… へぇ~飯田藩士の方が判事に… 八ツ株は八つの村のことなんだ… 小休止がてらまじまじと見入ってしまいました。ただハイキングを楽しむ里山というだけではなくて昔の出来事を知ることができるのはとても面白いですね。

まだまだ知らないことだらけだなぁ。そして登山道は傾斜が緩んでとても快適な道に。

見上げれば木々の間を縫うように飛行機雲が。

更に進むと男坂と女坂(日向尾根)の分岐がありました。これも先程おじさまから「男坂と女坂ってのがあるけどどっちを行ってもたいして変わんねぇ」と聞いていたところだわ。

たいして変わんねぇならどうしようかね(;'∀')とりあえず登りは男坂、下りは女坂にしておこう。男坂というと直登でキツイというイメージがあるけどゆるっと登りやすい道でした。

あらら、ごくわずかに雪が残っていました。

さてお次は七曲坂。山頂まではもうちょっとのようですね。

わかりづらい写真だけど確かに右へ左への九十九折ですね。でも急登というわけではないのでゆるゆると。

頂上まであと3分!

お、見えてきた~。少しだけ残雪のある坂をひと登りすれば、

9:54 守屋山頂上(西峰)に到着いたしました~\(^^)/

北アルプス方面。前週の霞み具合と比べるとものすごくクリア!!

北八ヶ岳。は~こりゃこりゃ、良い眺めだなぁ~。山頂に居合わせた方ともあいさつ代わりに「今日は素晴らしいですね!」とついつい言ってしまいます。

諏訪湖も。

南アルプス

南ア拡大。仙丈・北岳・甲斐駒あたり。

中央アルプスも。

御嶽も。チラリと見えているだけなのに存在感がありますね。

ぐるっと景色を堪能したら、せっかくなので東峰まで行ってみましょうか。

山頂直下にあるラビットハウス。

数年前の冬、初めて守屋山に来た時は山頂にこんな小屋があるって知らなかったのでびっくりしたっけ(元々は測量用の小屋だったそうですね)。外でラーメンを作って食べようとしていたら地元の常連さん方から「こっちに入りなよ!」と声をかけていただき、色々おしゃべりしたりコーヒーをごちそうになったりしたなぁ。

前回2021年に訪れた時は、山頂で金子孝さんとお会いしました。金子さんはラビットハウスの管理人であり守屋山の名物おじいさん。90歳を目前にしても(当時)とてもお元気で、杖にその年の登山回数を刻んだものを見せていただいたり、『守屋山』と書かれた木の札をいただいたりしました。

そして今年のお正月には地元の新聞(信毎)に金子さんと守屋山の記事が載り「すごい方だよね~」と我が家でも話をしていたのですが… およそひと月後の2月4日、新聞で金子さんが逝去されたということを知りました。ご家族はもちろん山仲間の皆さんにとっても大変お寂しいことと思います…。

私たちがお話ししたのはたった一度のことでしたが、その時のことをよく覚えています。中でも印象的だったのは「二百名山、三百名山をやるなら百名山のついでに登っておかないとだめだぞ!」ということ(;'∀')私たちはそういった大きな目標は掲げていないので登る予定はないけど「た、確かに…!」なアドバイスですよね。同じ場所に何度も行かなきゃいけないことも多々ありそうですし。

今回訪れたラビットハウス内には金子さんのお写真が飾られていました。小屋は今後も山仲間の皆さんが協力して管理していくとのこと。これからも人気の里山として賑わっていきますよう_(._.)_

さて!東峰まで足を延ばしましょう。あらら、こちらはまだ結構雪が残っています。やはり同じ山でも北と南では季節の進み方が違いますね(゜゜)

無難観音のブナの木。

今日もケガなく楽しく歩けますように。よろしくお願いします。

ブナの木の佇まいっていいですね。それにしても空が青いな。

残雪の道はチェンスパ等使うほどではないのですが(一応持参しています)、場所によってズルっといきそうでちと怖い…。コケないよう慎重に。

かき氷みたい…('∀')

以前歩いた守屋神社コースとの分岐を過ぎたら、

守屋神社奥宮があります。

10:17 その先に東峰\(^^)/到着~

ここからの眺めも素晴らしい。北八ヶ岳方面。

浅間山。冬の間に黒斑山からガトーショコラ浅間を見たいなと毎年思いつつ毎年行きそびれています…(;'∀')

北アルプス

トンガリ槍。

写真中央の二つの山、左が常念、右が大天井(のはず)。どちらも登ったことがないので今年行けたらいいなぁとは思っているのですが、どういう行程で行こうか悩ましいですね… パノラマ銀座縦走とか蝶常念のみとか、中房から大天井ピストンとか計画だけはたくさん作っています(;'∀')

後立山連峰。写真中央よりやや左の猫耳風が鹿島槍かな?そしてその右が五竜かな(違っていたらすみません)。

東峰で大展望を満喫し、また西峰まで戻ってきました。ラビットハウスの前を通ったら登りでご一緒したおじさまが休憩されていたので、少しだけおしゃべりを。その中でお聞きしたのですが、道中に立てられた味のある手書き看板は金子さんが作られたものだそうですね。そういうことからもこの山にとって金子さんはとても大きな存在だったのですね。

そうそう西峰にも立派な山名盤ができたんですよね。もう2年くらいになるんでしたっけ?その時の記事も新聞で見て「へぇ~!」と思ったのですがそれから全然登りに来ていなかったんだな、私たちは。

南アルプスの上空に飛行機雲。

もう一度中央アルプスを眺めて… 夕方にはそちらに帰りますからね~と念を。

下りもサクサクと。こんなに歩きやすい登山道ってなかなかないんじゃないかと思うくらい快適でした。ほぼルンルンロードです。

オットが「阿修羅みたい」といった松の木。わかるような気がしなくもない…か?

そろそろ登山口かな~と見下ろすと…あ、車が見えてきた!!

11:28 無事下山\(^^)/

いい道だよ~と噂には聞いていましたが、思った以上に歩きやすい道でびっくりしました。整備に携わる方々や、頻繁に歩く方がいるおかげなんだろうな~。登山道は誰も歩かなければすぐ荒れると言いますもんね。

これは気軽に絶景を楽しみたい時にはもってこいだなぁ。テン泊前の歩荷トレにもいいかも。

またぜひお邪魔したいと思います(^^)

 

おまけ。

宣言通り下山後はカツ丼を食べに、辰野のまつくぼさんに寄りました。

かなりのボリューム…!食べ切れなくてもお持ち帰り用のパックをいただけるので安心です。持ち帰った分はこの日の晩に美味しくいただきました(^^)また行かねば~~。