ひねもすのたり。

日々と山と猫と蕎麦屋のこと。

マルテと林檎のケーキ。

季節ごとにかわる蕎麦粉のケーキ。冬のあいだは地元田切産のりんご(サンふじ)を使います。

ケーキといえば今日はクリスマスイブですが、皆さんおしゃれな食卓でお過ごしでしょうか。我が家は味噌汁、ごはん、納豆、そして茶色いおかず(ひき肉とカブの炒め煮)という完全にいつも通りのメニューでした。カブがやわらかくて美味だったな… フライパンいっぱいに作ったので明日も同じものを食べる予定。せめてケーキくらい買ってこようかしら。

 

晩ごはんを食べながら、ふと「そういえばドイツでは鯉が欠かせないんだっけ…」というぼんやりとした情報が脳裏をよぎりました。

そんな習わしについて書かれているのは、シュトルムの『マルテと彼女の時計』(1848年)という短篇。この中でシュトルム自身がとある友人宅でクリスマスイブを過ごすエピソードが登場します。

私たちは、欠かすことのできない鯉を食べたり、ビショプ酒を飲んだり、しきたりのお祝いは何一つ欠かさなかった。

現在のことはわかりませんが、19世紀の北ドイツで行われていたささやかなクリスマスの様子を垣間見ることができて妙な感動があります。あちらでは鯉が欠かせないんだ…!信州の人がお年取りに鰤(または鮭)を食べるようなものなのかな、と思いつつ。

 

さて、クリスマスということで本作をざっくりと読み返してみたのですが、マルテ自身が幼い頃に家族で過ごしたクリスマスを回想するシーンで

母親にはあまりひまがない。台所へ行って林檎入りの菓子を焼かねばならぬからである。

と、林檎のお菓子が出てきて思わず嬉しくなってしまった私でした(以前読んだときはあまり気に留めずスルーしてしまったな)。

マルテのお母さんが焼いてくれたのはどんなお菓子だったんだろう。

晩年は家族で過ごした家にたったひとり残されたマルテ。孤独を受け入れながらもたくさんの思い出に囲まれて生きる彼女の物語は、胸がじんわりとあたたかくなる一篇でした。

読書メモを綴らねばと思いつつそのままになっていたので、近いうちに。