ひねもすのたり。

日々と山と猫と蕎麦屋のこと。

霧訪山(1,305m) 2021年3月1日

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気軽に登れて大展望!と噂の山へ行ってきました。

 

 

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 【今回のルート】

 かっとりコース→南の尾根を下る周回ルート

▲合計距離 3.98km

▲累積標高差 409m

▲コースタイム 登り53分+下り47分

 

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駐車場には立派な案内板。霧訪山に登るコースはたくさんあるそうです。

今回登りは一番メジャーなかっとりコース。そして下山に使ったコースはこの案内図には書かれていないようですが、多分黄色の指先マークをつけた尾根の辺りだと思います。

 

【いきさつ】

休日のたびに何かしら用事があり、山に行けないまま終わってしまった2月。

そして今週は諸星大二郎展に行きたいからまた山には行けず、か。

…いや、ちょっと待てよ、諸星大二郎展と組み合わせて周辺の里山にサクッと登ってくればいいんじゃないの?

そこでふと思い出したのが霧訪山(きりとうさん・きりとうやま)。

片道一時間ほどで登れて山頂は360度の大展望。いい山だよ~といろんな方から噂を聞いていたのです。

それに、【付近は日本海側に流れる川と太平洋側に流れる川との分水嶺になっていて日本のへそと呼ばれています】という気になる話も。

お天気も良さそうだしゆるっと行ってみましょ~。

 

 

【本編】

小野神社・矢彦神社の西側、保育園を通り過ぎて真っ直ぐ行くと田畑の真ん中にぽこっと登山者用駐車場があります。私たちはのんびり10時頃到着したのですが、その時点で7台停まっていました。久々に複数の登山者さんがいる里山\(^^)/

 

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10:15 立派な看板がどどんとある登山口からスタート。

 

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下調べではいきなり階段、そして急登とのこと。

おお…本当だ。257段。

およそ2か月ぶりになってしまった山登り。このところすっかり運動不足だったのでハヒーと言いながらてくてく登っていきます。

 

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階段ゾーンが終わるとほっとしますね。

 

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御嶽山大権現の立派な碑。1811年建立とのこと。

 

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更に登るとふいに現れる鉄塔。

 

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ここがかっとり城跡なのか。

ここ両小野には城跡が三つあってそのうちの一つだそう。

 

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そうそう霧訪山に登るのに忘れてはいけない大事なこと。

ここは止め山になっているので、至る所にこのような張り紙やテープがあります。

止め山というのは主に松茸が採れる山で権利者以外は入ってはいけない、という場所のこと。北小野財産区という看板もたくさん見かけたから地元の方々で管理されているのかな。

信州には止め山がたくさんあるのでよく見る光景ではあるのだけど、他県から来ると「この張り紙は興ざめだ」と思う方も多いそうです(そういうレポを実際見かける)。

でも地元の方にとっては非常に深刻な問題なのでしょうね…というのも、私がいつも参考にしている山の本には「昔は止め山に入ったら殺されても文句が言えない程の重罪であった」というとんでもない一文が書かれているからです(;'∀')穏やかじゃないねぇ…

 

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ロープを越えずにおとなしく歩きましょう…

(まあ今はきのこシーズンではないけども)

 

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途中に分岐が出現。

右へ行くと新道南沢コースで、山頂まで90分。

歩き足りない人にはおすすめだと思いますが、私たちはそのまま真っ直ぐ進みます。

 

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三角の可愛い避難小屋を通過。

 

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このかっとりコースはとてもきちんと整備されていて、あと〇〇mの看板がずっと立てられています。中学校の生徒さんたちが手作りされたものもあって、地元の方々に愛されている里山なんだなぁという印象。

 

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中盤はゆるやかな登り。

気持ちのいい道だな~と思いながら歩いていると、目の前に何やら小さな影が…

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あらま!!キュートなちいこき鳥さん!!

私が進行方向にそのまま歩いていくとピョンと飛んで少し遠ざかる、の繰り返し。まるで道案内のようでした。とはいえあちらは一生懸命松ぼっくりなどをつついていたので、完全に私がお食事の邪魔をしているといった構図なんでしょうな…スミマセンでした。

 

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黒いヘルメットをかぶったようなお姿。

コガラちゃんで合ってるかな?違ってたらごめんね。

 

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山頂に近づくにつれだんだんと急登になってきました。

 

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少し前に登った方のレポを見ると山頂直下は凍ってる箇所があったとのこと。

今回は↑こんなふうに溶け残った雪がわずかにあったけど気温が比較的高かったので凍ってはいませんでした。というかやっぱり今年って雪が少ないですよねぇ(+_+)一応アイゼンを持って行ったけど全く出番はなし…。

 

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急登を登りきると・・・

 

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 11:08 霧訪山山頂に到着です\(^^)/

かっとりコース方面から行くと、大展望よりも小さなお社に目を奪われます。

「会地社(おうちしゃ)」と書かれていました。

会地社(おうちしゃ)

小野神社の境外社の一つで小野の一番高い霧訪山(1,305m)頂上にまつられている。 祭神は伊弉諾命、伊弉冉命であの神代の昔我国土、山川草木はじめ万水万物の主宰天照大神をはじめ神々を生み成された夫婦の神である。 古代山岳信仰の地で健脚名方命が跋渉された旧地といわれている。 地元では古くから雨乞いの神としても信じられてきた。                             小野神社

 とのこと。

 

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祠にはなんとも可愛らしい神様のお姿。

こんにちは、お邪魔しております。

 

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そして一茶の句も。

ぱっと見て「八朔=果物のはっさく」だと思った私たち。

どういう意味だ…?犬用のお椀に八朔とあずき飯を盛る…?

おや、八月一日とわざわざ日付がある。あ、八月朔日で八朔なんだ!!

帰宅してから調べたら、旧暦8月1日に行われていた「八朔祭り」というものがあるのですね。恥ずかしながら知りませんでした。

お祭りの内容は地域によって様々だそうですが、山口県の古熊神社さんが下記のように書かれているのを見つけました。 

令和2年9月1日、八朔(はっさく)のお祭りを行いました。 八朔とは8月1日のこと、今の暦で9月1日頃を指し、台風がよく来る時期なので農作物に被害が無いよう、祈るお祭りです。 そして柿の葉で包んだ赤飯をお供えし、朝方お参りされた方にお分かちする風習が、当社では残っています。

 

ふもとの小野神社、矢彦神社の祭礼にもちゃんと八朔祭りの文字がm(__)m失礼しました。

 

余談ですが、果物のはっさくは「8月1日ごろに食べられるようになったためこの名が付いた」そうですよ。byウィキペディア

 

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さて!色々書きましたが肝心の山頂からの大展望です\(^^)/

 

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北アルプス方面。

 

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にょきっとしたのが二つ見えるけど、右が槍で左のおぼっちゃまくんみたいなのは奥穂…でしょうか?

 

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八ヶ岳方面。

 

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ぼんやりとしているけど南アルプス方面。

 

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左の三角形が甲斐駒かな。

 

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案内板があるのでこの通りに見ればいいのだけど今ひとつ自信が持てない方向音痴人間です…。

 

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中央アルプスはちらりと空木岳

 

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噂に聞いていた通りの大展望!!

自分が立っている場所を中心にまるで地球が丸く見えるようで、なるほどここが日本のへそなのか…と実感した次第。

そういえば昔ドラクエ3で地球のへそってあったな。当時人気だった4コマ漫画シリーズで柴田亜美先生が地球のへそネタで何か描いていたような記憶…でも内容は全然覚えてないわ…。

 

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山頂にはこんな鐘もありますよ。

オットがそこそこの力でゴ~ンと鳴らしたところ、ものすごい音の響き!!

まるでお寺の鐘のよう。でもとてもいい音でした。

私も後からゴ~~~ンと。

 

さてさて。山頂からの眺めを満喫したのでそろそろ下りましょう。

手っ取り早く下りも同じコースを歩くつもりでいた私ですが、突如オットから「南の尾根がなかなか気持ちのいい道だって書いてあったよ」という提案。

いや、それ私も読んだけどさ…歩く人が少ないらしいからわかりづらいんじゃないの?とやんわり拒否したところ「もう地図ダウンロードしてあるから大丈夫」とオット。

それなら、まあ、行ってみますかねぇ…(若干不安)

 

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南の尾根にはこの「カミナリ注意」の看板がある方を下っていきます。

 

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おや、ここはずっと日陰なのか今まで歩いた中で一番雪が残っていました。

下ってすぐ分岐がありますが、ここは右折せずに真っ直ぐです。

 

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下山を始めてすぐは広くて気持ちのいい尾根道が続きます。

 

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時々、ほんのちょっとのアップダウン。

 

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でもだんだんと道幅は狭く…

木の枝が張り出していて体にビシビシ当たる感じだったので、葉っぱが出てきたらうっそうとした道になるんだろうなぁ。でも静かな山を楽しみたい方にはいいかも。

このあと分岐が一か所あって、左へ行くと沢の方へ下りる近道でやや急、右へ行くと遠回りだけど比較的ゆるやかな道(のはず)。オットが右の道を勧めるのでそちらへ。

 

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途中、こちらにも止め山の看板やテープが現れました。

一番道幅の狭いところには有刺鉄線も!うっかり触れないよう気を付けながら歩きます。

 

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その後、もう一か所分岐が現れます。今度は左へ。

この辺りまで来ると踏み跡が薄くなってきました…こっちでいいんだよね?とヤマレコのアプリで確認したらちゃんと合っていました。ヨカッタ。

登りのかっとりコースはよく整備され案内板もたくさんありましたが、こちらのルートには全然なくてテープも少なめ。分岐で迷ったら、地図かアプリのGPSで確認しながら進むのが吉です。

 

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まあ、ここまで来ればもうだいぶ里が近いので万が一迷ってもどうにかして下れるでしょう(とはいえもちろん油断は禁物だけども)。

 

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落ち葉もふもふの中を下っていたら突如現れた鉄塔。

かっとり城跡に合流したのかと錯覚してしまったわ(;'∀')

ここを左に折れて…

 

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ちょっと急な坂を下るのだけど、なんでもないように見えるこの坂が今回一番の難所(?)でした。落ち葉の下の土が凍っていたのか、足を置くとつるつる滑る!そしてつかまるところがない…ワーワー騒ぎつつ下までずるずる下りていきました(;'∀')焦った~

 

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そんなミニハプニングがありましたが、

 

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無事、下りてまいりました~。

 

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あ、左側に登山口が見える。

歩行時間2時間弱、運動不足の身にはちょうどいい山歩きとなりました。

 

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駐車場に戻って改めて案内板を見る。

うーむ、次はどこを歩こうかなぁ…あ、中央分水嶺コース。日本のへそがどうのこうの言うならここは絶対歩いておかねばなりませんよね。よし(決意)。

 

この後、本来ならば小野神社と矢彦神社にお参りするべきなんだけど、次の予定があるからという理由でスルーしてしまい、原画展のキャラ投票でタケミナカタへ一票を投じた私。実は小野神社の主祭神建御名方命なんですよね…罰が当たりそう…スミマセン。

※もう一票(オットの分)は開明獣にしました。

 

また時間を作ってお参りに行かねば!必ず!!