ひねもすのたり。

日々と山と猫と蕎麦屋のこと。

▲八島湿原・車山(1,925m) 2022年7月11日

黄色いじゅうたんにまみれた夏の一日。

 

 

今回のルート

八島湿原P→物見岩→蝶々深山→車山→沢渡→旧御射山神社→八島湿原P

▲合計距離 11.4km

▲累積標高差 440m

▲コースタイム 5時間31分(休憩含む)

 

いきさつ

そろそろ今シーズン初のテン泊山行を…と考えていたところだけど、どうもこのところ天候が不安定。相談した結果、今回は無理なく日帰りのハイキングにしようということになりました。

SNSなどを見ているとどうやら霧ヶ峰方面のニッコウキスゲが見頃だそう。ならば少し前に歩いた八島湿原と合わせてぐるっと周回してみよう!ニッコウキスゲ以外のお花も続々開花しているようなので楽しみ楽しみ♪

 

本編

8:23 八島湿原の駐車場からスタート。

ハイシーズンは早くに駐車場が埋まってしまうそうですが、この日はぼちぼち空きがありました。平日だし予報も今ひとつだったからかな?それでも前回来た時に比べるとにぎわっていましたよ。

湿原に下りる手前にはお花の案内がずらり。

さーて行きますかぁと歩き始めると…すぐニッコウキスゲがご登場!あらら、きれい~。

ニッコウキスゲの黄色に紛れてショウブがぽつん。

あっ、ハクサンフウロだ!

いかん、全然進まない… ニッコウキスゲは車山の方がメインだと思っていたけど八島湿原でも本当にたくさん見られました。

あらら、カラマツソウだ。花火みたいにほわほわしていて可愛い~。

お花に見とれて歩いているとうっかり木道から転げ落ちそう。気を付けねば。

おや、このお花は…?ヤナギランかな?と思っていたら、帰りに反対側の道で「ヤナギラン」の札を見つけました(よかった、合ってた)。まだまだ咲き始めだからこれからが楽しみですね。

ヨツバヒヨドリもたくさんありました。このお花を見ながら「うちにあるフジバカマに似てるよね」と話していたのですが、ヨツバヒヨドリってフジバカマ属なんですね!ちなみにアサギマダラもちゃんと来るそうで。知らなんだわ(゜゜)

前方を見ると、これから向かう車山のレーダーが見えました。うーむ、遠いような近いような…。

ウツボグサもたくさん。

湿原側に目を移すと、やわらかなシダ植物がわさわさしていてとてもきれい。

可愛い野鳥たちもいたのですが名前がわからず…しかも後ろ姿しか撮れず(;'∀')

木道脇にはイブキトラノオがずらり。

所々にニッコウキスゲの群生も。

反対側の斜面にもニッコウキスゲの黄色いじゅうたんが。

そしてまたカラマツソウ。

こちらは何トラノオ?そういえば帰りに「オカトラノオ」という札を別の場所で見かけたけどこれがそうなのかな。

ハクサンフウロヒョウモンチョウ

鎌ヶ池までやってきました。

ニッコウキスゲに気を取られつつ辺りをキョロキョロすると、

あっ、オダマキだ!!可愛い~。

つやつやキンポウゲもひっそりと。

これはグンナイフウロ?もう終わっちゃってるかと思ったけど少しだけ残っていました。

ところで以前からグンナイってなんだ?good night?んなわけないよな…と思って調べてみたら『郡内風露。郡内は山梨県東部の桂川流域の古名。』だそうです。地名だったのか。

 

さて、ここから少し写真が飛びまして…

以前トイレをお借りしたキャンプ場跡の前を直進し、物見岩方面へ登っていきます。

先程の開放的な雰囲気とは打って変わって狭い道に見えますが、ここを登り切れば…

また視界が開けた~~~\(^^)/良い眺め。

向こう側にも所々に黄色いじゅうたんが見えます。ニッコウキスゲは近くで見るのもいいけどこうして遠くから探すのも面白いな。

左側(北東方面)の眺めも牧歌的ですね。

ぽこぽこと生えている木が可愛い。

そして目の前の道では、小ピークのようなところが見えてきました。あそこが物見岩かな?

おお、そうだった。大きな岩だなぁ。

ここで休憩しようかとも思ったけど蝶々深山まで進むことにしました。

わぁ、蝶々深山に続く道、そして奥の車山。広々としていて気持ちがいい\(^^)/

こちらに向かって歩いてくる人たちが見えます。

そしてまた可愛い鳥さんたちも。こんにちは。

右側にはなんだかカッコいいトンガリ岩。

ゆるゆる歩いて蝶々深山に到着です。素敵な山名。

車山がだいぶ近くなってきたなぁ。

ここからの眺めも爽やか… おや?

ズームしてみるとあちらにも見事な黄色いじゅうたん!!すごいな~。

さて、お腹が空いてきたのでおやつをいただきます。お客様からいただいたじゃがポックルシリーズ♪どれも本当に美味しいんですよ~ありがとうございます(^^)

無心でポリポリ食べていたら通りすがりのおじさまから「美味しそうに食べてるねぇ!」と言われていまいました(;'∀')エヘヘ…お恥ずかしい。

さてそれでは本日最後のピークに向けて。といってもまずは下るんですよね…。

車山には過去に二度来たことがあって、最初は冬のスノーシューハイク、次はレンゲツツジの季節だったような。この辺りの木道も確か歩いたことがあるはず。

↑2012年のブログ記事から写真を拾ってきました。そうか、こんな感じだったっけ。改めて読み返したら蝶々深山への道を眺めて「あっちの道も気持ちよさそう」と書いていました(過去の自分が)。

↑こちらは今回の写真。木道から蝶々深山を振り返ったところ。10年経ってようやく歩きましたよ~(過去の自分に)。

木道沿いにもお花がたくさん。これはオトギリソウかな?弟切草かまいたちの夜…懐かしいゲームですね。あれ、でも我が家にはなかったような。友達の誰かが持っていたんだっけ?

白いニガナ。繊細で可愛い。

ふと、どこからかジャノメチョウがやってきてオットのスマホにとまりました。あらら、と思って見ていると…

次は手の方へ移動。すぐ飛んでいくかなと思ったけどしばらく止まったままで、数分の間歩きながら「まだ止まってるの!?」「うん、まだいるよ」という会話を繰り返していた私たちでした。汗を吸いに来たのかね~。

車山のリフトが見えてきました。この辺りまで来るとだいぶ人も増えてきてにぎやかでしたよ。リフト利用の方や下から登ってくる方。お子さんからご年配の方まで様々。

そうそう、この辺りでオットがふいに左側を見て「わー面白い岩」とぽつり。私も見て見ると… あ、これ例のスヌーピー岩じゃないの!?こんなところにあったんだ~見逃さなくて良かった!

スヌーピー岩は私もどんなものだかよくわかっていなかったのですが、みなさんの山行記録でよく見かけるので気になっていたのです。

足元にはカワラナデシコが可愛く咲いていました。

さて、車山への最後の登り。結構急登だし陽射しもキツイ…あ、絵に描いたような飛行機雲だ。

先程までいた蝶々深山が見下ろせます。本当にきれいな一本道ですね。

あ、これはもしやウスユキソウでは…。中央アルプスのふもとに住んでいるとつい「コマウスユキソウ」と口走ってしまいそうになるけど、あれは中央アルプスにしかないんですよね。

あ、トカゲもこんにちは。「カナヘビ?」というオットと、「トカゲじゃないの?」という私の会話は平行線… これはトカゲですよね?(違ってたらすみません)

ようやく山頂が近づいてきた~~~。

まず神社へ参拝を。

車山神社のご祭神は大山祇命建御名方命。ちゃんと御柱まで(゜゜)

そして次に山頂ゲット\(^^)/

向こうに見えているのが八島湿原かな~。そして右のもこっとした山が鷲ヶ峰かしら。

次はゆるゆる下って、あの辺り(車山肩分岐)を目指します。向こうも黄色いじゅうたんがきれいだな~。

たくさんの観光客でにぎわっていそう。

景色を楽しみつつ下って、ニッコウキスゲ群生地のすぐ近くまでやってきました。

それにしても今日は暑い…。天気予報が微妙だったので雨に降られることも覚悟していましたが、青空が広がり陽射しもばっちりです。

たまらずソフトクリームを注文してしまいました。甘い!美味しい!生き返る~~~。

パワーチャージしたところで、もうちょっと頑張って歩きますか。私たちは沢渡り方面へ進みます。ところで強清水って「こわしみず」って読むんですね。私はずっと「つよしみず」だと思っていました…オットも同じことを言っていたっけ。

私たちは皆さんが歩いているあちらではなく、右側の道へ。

ニッコウキスゲと青空。最高の眺めです。

右手にはぽこーんとしたなだらかな山。蝶々深山だと思うんだけど横からみると山というより丘といった雰囲気ですね。緑がきれい。

わたあめのような雲。夏だなぁ…。

ニッコウキスゲの群生地を後にしてぐんぐん下っていくと、静かな森が広がっていました。

この辺りが沢渡なんですね。数台の車が停まっている舗装路を横切って進みます。

ここまで来れば八島湿原も近いはず。

あ、旧御射山神社が見えてきた!

二度目の参拝。お邪魔しますm(__)m相変わらず雰囲気の良い鎮守の森。

ヤマナシじいさんもこんにちは。

古代の桟敷跡も青々としましたね。

あらら、これはシモツケソウ?ほんのちょっとだけ咲き始めていました。可愛い色です。

こっちにはシナノキンバイが咲いてる…!あれ?でもだいぶ背が高いなぁ。このあと帰りの木道で「キンバイソウ」という札を見つけたのできっとそれなんだろうな。シナノキンバイとは丈や咲く場所が違うのか。

前回勢いよく流れていた沢。今回は水量少なめでした。

オットは、この沢が「天竜川の源流」だと古絵図に書かれていたのが気に入ったのだそう。また見に来ようね~。

さてさて、それでは湿原へと戻りましょう。

よく見ると湿原の中にはコバイケイソウが少し残っていました。見頃の時に来ればきれいなんだろうな~。

木漏れ日が美しい木道。

これはウツギの花かな?何ウツギかはわかりません(調べればいいんだろうけど調べたい花が多すぎて思考停止)。

この辺りは全部シモツケソウなのかなぁ。木道の両脇にあったので満開になったらものすごい眺めかも。…なんて言って全然違うお花だったらすみません。

この辺りにもハクサンフウロたち。

あ、ニッコウキスゲも!

そしてあちこちでニョキニョキしていたシシウドはまるで花火のよう。

近くのお花を見つつ、向こうの鷲ヶ峰を眺めつつ、歩いていきます。

ショウブはたくさんあったけど…

あ、アヤメもちゃんとあったのね!

模様がきれい。

この巨大な花火はオオカサモチというのか。セリ科のものはどうも名前を覚えられなくて、いつも「セリ科の何か」と呼んでしまいます。

木道を外れた上の方にはニッコウキスゲの群生が。

そして足元にはチダケサシ。これもたくさん見られました。素人目にはトリアシショウマと見分けがつきません…。ちなみにショウマの仲間も覚えきれなくて、いつも「なんとかショウマ」と呼んでしまう私です。

ところでチダケサシは乳茸刺と書くそうで、『信州地方ではチチタケというキノコを採ると、チダケサシの茎に刺して持ち帰ったことからの名が付いたといわれる。』のだとか。

そしてまたイブキトラノオたち。

朝少しだけ見かけたヤナギラン。もう少しお花が開いたものも見れました。

旧御射山神社の近くで見たキンバイソウがこちらにも。

途中に分岐がありまして、下の道と上の道に分かれています。前回は上に行ったので今回は下へ。

イブキトラノオの海の中にアザミ。

向こうに見えているのは朝歩いた道かな。ぽつぽつとニッコウキスゲの黄色が見えてきれい。

向こうには先程登った車山が見えてきました。

アジサイのようなノリウツギ

そうこうしている内に花ごよみの看板まで戻ってきました(^^)復習してみよう。

帰りの木道で見たウツギの花はこのニシキウツギかな?

そうそう、写真を撮りそびれたのですがキンバイソウでもキンポウゲでもない黄色い花を見かけて「これ何だったっけ…」と思ったのでした。ダイコンソウだ!思い出した(;'∀')

駐車場へ戻る前にちょっと寄り道。前回来た時に気になっていた大元尊碑を探すことに。ヤマレコのマップを見ながら鷲ヶ峰方面へ進んでいくと…

わぁ、あった!!決して広くはない空間に巨大な石碑が建てられていました。

眺めの良い場所に鎮座されているんだなぁ。

ちなみにここまでの道は登山道からちょっと外れていて、ここで行き止まりになっていました(ロープ外の立ち入り禁止ゾーンには入っていないのでご安心を)。

石碑から駐車場へ戻る道中にもまたニッコウキスゲ

そして13:53に無事駐車場へ戻ってきたのでした。

ニッコウキスゲが見頃だとは聞いていたけどまさかあんなにたくさん咲いているなんて。一生分のニッコウキスゲを見た気分です。

大好きなハクサンフウロをあんなにたくさん見られたのも初めてなんじゃないかな。どこを見ても花盛り、素晴らしい一日でした。

 

おまけ。

ビーナスラインを通っている時にもまた黄色いじゅうたん。

帰り道、八ヶ岳の稜線が姿を見せてくれました。