ひねもすのたり。

日々と山と猫と蕎麦屋のこと。

平出博物館へ【前編】

2022年4月某日のこと。塩尻市の『平出(ひらいで)博物館』に行ってまいりました。

1年近く経ってしまいましたが写真を色々撮ったので振り返りをしようと思います。

平出遺跡といえば霧訪山の近くなんですよね。3月に山ノ神自然園から登ったとき、下山後に「平出遺跡寄ってみる?」なんて話も出たのですが、その日は他に行くところがあり結局寄れなかったのでした。

 

平出遺跡とは(公式サイト - 塩尻市立平出博物館)

国史跡平出遺跡は、日本三大遺跡に数えられる大きな遺跡です。

JR中央本線塩尻駅から南西に約2キロメートル、ぶどう畑が一面に広がる「桔梗ヶ原」にあります。遺跡は平出の泉から流れ出る渋川に沿って東西約1キロメートル、南北300メートルの範囲にわたって帯状に広く展開しています。

昭和25年に始まった本格的な発掘調査の結果、平出遺跡に人々が生活していた時期は、縄文時代から平安時代にまでおよぶことがわかりました。 住居跡と、それに伴う遺物が数多く出土しましたが、こうした豊富な出土品は、この地域における先史・古代の文化を研究するうえでの基礎的な資料となり、昭和27年には「国史跡」に指定されました。

また、発掘調査は以降も行われ、現在までに290軒を超える住居跡や建物跡が見つかっています。(観光協会HPより)

文中にある通り縄文時代から平安時代にかけての集落跡だそうですが、最も栄えていたのは縄文中期(約4~5千年ほど前)頃なのだとか。まさに縄文土器が一番盛り上がっていた時期ですね…!

この時代は中部高地の人口密度が最も高かったといわれていますが、その中でも代表的な集落のひとつとされているそうです。

おお…早速大型の土器に出迎えられました。

唐草文といえば「松本盆地伊那谷などで見られる文様」だと、井戸尻考古館の展示に書いてあったような。言われてみれば人の腕のようにも見えますね、この渦巻き…。

土器の他、様々な展示があります。この「おしゃれな平出縄文人」も面白かったな。

当時の装飾具は呪術のため・性の区別や集団の区別のためなどという意味合いがあったのではと言われているそうですが、きれいな石を身に付けてウキウキしちゃう気持ちも少しはあったのでしょうか…。

こちらは小さな土偶たち。私が一番好きなコーナーです(^^)

おぉ…これはまさかのニャンコちゃんですか!?逆ハチワレのような模様ですね。可愛い~。

解説も面白いなぁ。確かに動物クッキーみたい。こんな焼き型欲しいわ。

これは…!ドラ〇もんの偽物ですか?縄文人は何を思って作ったんだろう。

上のネコちゃんとこのドラちゃんは売店に缶バッチがあったので思わず買ってしまいました。

「だれににてる?」「縄文のビーナス」確かにー!

松本盆地南部~山梨県周辺でこのようなお顔のものが多く見つかっているそうです。そういえば山梨県立考古博物館のいっちゃんもこういうお顔だっけ。

土器や土偶などの模様は地域によって様々な特徴があるかと思いますが(東北は目も口もぷっくりしてますよね)、この辺りはキリリとした美人顔が流行りだったのでしょうか。

か…かわッ。ちいさッ…。このままブローチにして連れて歩きたい…。

土偶コーナーの壁にあったこの掲示物、ものすごく面白かったです。↑こちらの土偶の愛称ストレッチマンインパクトが強くて一発で覚えられますね。ちなみに正式名称は「しゃがむ土偶」。福島県福島市で出土されたそう。

先程縄文のビーナス似の土偶のところで「東北は目も口もぷっくりしている」と書きましたが、まさにこのお顔…。特徴がありすぎて「あ、これ東北だな」とすぐわかってしまうほど。これがもっと進化した結果が遮光器土偶なのでしょうか(妄想)。

いーてぃー、十字のムンク…気になるものが多すぎる。あ、下に仮面の女神がいらっしゃる。カマキリか…!

小さい可愛いのオンパレード!「ちいかわ」は縄文時代に生まれた…?なんかちいさくてかわいい土偶

とはいえただのお遊びで作ったわけではなく、この方々にも何かしらの呪術的な意味が込められているのだとしたら、迂闊に「可愛い♪」と言うのも気が引けるような…でも興味の始まりはこの「可愛い♪」からという場合もあるだろうから人それぞれ自由に感じればいいのかなという気も(ゴニョゴニョ)。

ハイ可愛いーー!!(早速言うてもうて)

子供が見よう見まねで作ったのか、大人が子供のままごと用に作ったのか、それとも何か他の意図が?もしかしたら祭事などで使われたのかな~と考えていたら、ご飯をよそって仏様にあげるあの小さな小さな器を思い出してしまいました。実家で使っているものがこのくらいの大きさだったような…。

ちいこいあんよシリーズ。

壊れた状態で見つかった土偶の一部分ということなのだろうけど、こうして足部分だけ並んでいるとなんだか不思議な眺めです。特に一番左のものは随分リアルですね。…あれ、以前にもどこかで指先まで細かく作られた土偶を見たような…どこのどんな土偶だっけ(;´Д`)過去の写真を遡ってみなければ。

土偶コーナーを過ぎて、こちらは釣手土器たち。

中で灯をともしてランプとして使っていたのではないかと言われています。

様々な装飾付土器がありますが、これはまた特徴的な作りで…。どうなってるんだ??と右から左から眺めてしまいますね。

特にこちら。なんだろうな、この独特のオーラ…。アニメやゲームなどで言うと正義側ではなく悪者側に見えてしまうのですが私だけでしょうか。作者様にそんなつもりがなかったら申し訳ない…。

土器ですからもちろん触ればザラザラしているのでしょうけど、なんだかぬめっとしているようなイメージです(まだ言うか)。

蛇体把手付深鉢型土器。上の双眼が蛇?

双眼は土器の縁に付けられた二つの輪っかが眼を表していることに由来するそうですが、他に蛇やミミズク、蛙などの動物を表しているとも。

ちなみに向かって右の輪っかは貫通していて明るい、左の輪っかはふさがっていて暗い、という作り方をされているものが多いそうですがこちらの土器もそうですね(゜゜)右は満月で左が新月であるとか、土器全体が天体の運行を表しているといった解釈もされているそうですが…本当にそうだとしたら縄文人の観測技術が凄すぎて「どういうことだってばよ」としか言いようがありません…。

ワー\(^^)/顔面把手付深鉢形土器。

お顔が付いた土器については「おでこをチェックすべし」と井戸尻考古館のHPで読みました。富士山を逆さにしたような、あるいは猫のハチワレ模様を逆さにしたような模様が付いていて、井戸尻文化の人面によく見られるのだそうです。これは母体、子宮、女陰で、産まれてくる赤ちゃんの顔を表していると。

そういえば山梨に「産まれたー!」っていう感じの土器があったっけ、土偶や顔面装飾付土器を集めた企画展で拝見したことがあります。(なんという名前だっけと思って調べたらそのまま出産文土器でした)

…あれ?おでこの逆ハチワレ模様… 土偶コーナーにあったニャンコちゃんと同じように見えるけど…

↑こちら。もし井戸尻考古館さんの解釈が適用されるとしたら、ニャーンじゃなくてオギャーの瞬間だったりして。顔の真ん中にある点が鼻ではなく口だとするとそういうふうに見えてものすごく可愛い(=^・^=)

 

まだ続きがあるのですが、長引きそうなので今回はこの辺で。

後編に続きます。

 

※追記※後編書きました

hinemosk.hatenablog.com