ひねもすのたり。

日々と山と猫と蕎麦屋のこと。

黒耀石体験ミュージアムへ。

前回、ご近所の平沢さん宅で土器、石器、黒曜石を見せていただいた話を書きました。

黒曜石と聞いて思い付くのは星糞峠、星ヶ塔、星ヶ台などの遺跡。

星という字が入っているのがロマンチックで素敵だなぁとは思うけど、星糞(ほしくそ)のインパクトはなかなかのものですよね。以前ブラタモリに出た時も「ほえー」と言いながらテレビに見入っておりました。

そういえば星糞峠の辺りには黒曜石の博物館があったはず。まだ行ったことがなかったので、先日2月15日に訪れてみました。

霧ヶ峰の北側、長和町へ向かいます。標高1200~1300mほどの山道を行くのでさすがに雪が多いなぁ。

黒耀石体験ミュージアムに到着しました。

ここから数十分ほど歩いた山の中にも『星くそ館』という展示室があって(2022年7月オープン)以前から気になっていたのですが、そちらは冬季閉館中とのこと。施設の周りには採掘跡の窪みや工房跡があるそうなので雪のない時季に行ってみなければ。

館内にはたくさんの黒曜石… 

キラキラと輝いてまさに宝石ですね。

↑この展示カッコよかったな。ちなみにこちらは発掘されたものではなくて博物館製作と書かれていました(黒曜石自体は星糞峠産)。

ところで以前「黒曜石」と文字を打つ際に「ようは?それとも耀?」と疑問に思ったことがありました。調べてみたら「耀」は常用漢字ではないため文献等では「曜」が使われているのだとか。

安永2年(1773年)に初めて黒曜石を取り上げた木内重暁の『雲根誌』では黒曜石としており、Obsidian の訳語として採用した和田維四郎も黒曜石としている。黒耀石という用字が現れるのはおそらく太平洋戦争後で、藤森栄一など考古学者の一部が好んで用いる。(Wikipediaより)

確かに藤森栄一さんの本では耀の字だったような(うろ覚えですが)。

ちなみにこちらのミュージアムでは「黒耀石」という表記で統一されていました。石のキラキラ輝く様子にぴったりですね。私も今回の記事では耀の字を使っていこう。

 

ところでWikipediaのページをそのまま見ていたら『石言葉は摩訶不思議』とありました。摩訶不思議…!真っ先に思い浮かぶドラゴンボール。というか摩訶不思議と文字を打った時点で『摩訶不思議アドベンチャー』が候補として出てきて衝撃を受けましたよ。ウフ。

そんなドラゴンボール石…もとい、黒耀石の加工についての資料がものすごく充実していて見入ってしまいました。現代の道具が並んでいるのがわかりやすくて面白い\(^^)/

そうそう前回の記事に写真を載せた「小さな穴が空いたつるつるすべすべの石」。きっとあんなふうに細~~~いキリ状にした黒耀石で穴を空けたんだろうなぁ。

加工の工程も丁寧すぎるのよ…実際にやってみたくなりますね。

この辺りの地域で採れた黒耀石が並ぶコーナーもありました。ついつい「双子池」とか「麦草峠」とか、歩いたことのある場所の名前があると引きつけられてしまいますね。

亀甲池~!ああぁー今冬こそ北横に登りにいこうと思ったのに全然行けてないよ~~無雪期に大岳も登りたい~(すっかり脳内山モード)。

国内ばかりか、世界各地の黒耀石の展示も。

星ヶ塔や星糞峠産黒耀石のこのなめらかさよ…!つやっつやで透き通っていて、薄く切った羊羹みたい(例えが…)。枝雀さんの「羊羹薄~く切ったねェ!」を思い出してしまうけどあれ何の演目だっけ…『つる』だったかな?

やはりこの辺りの黒耀石の品質はずば抜けているんだなというのが一目でわかりますね。ブラタモリの諏訪回でも「良質な黒耀石を得るために多くの人が諏訪を目指した」という解説がありましたが、縄文時代によくぞ…と不思議な気持ちになります。現代なら「〇〇に行くと▲▲があるぞ」という情報は一瞬にして広まりますが、当時は気の遠くなるような時間をかけて少しずつ広まっていったんでしょうね…そもそも地図もないわけですし私のような方向音痴民は生き残れる気がしません…。

なんだか色々なことに思いを巡らせてしまいましたが、黒耀石体験ミュージアムとても面白かったです(^^)体験と名がついている通り体験室が3つほどあり、鏃やペンダント作りなどができるそうですよ。

ミュージアムを出る時、パンフレット類が並ぶ棚に縄文カードがあったのでちゃっかりゲットしてきました。以前井戸尻考古館で「これもうよそではあんまり残ってないかも」と言われた通り、確かになかなか出会えません…今回はラッキーでした。

暖かくなったら星くそ館にも出かけてみなければ~\(^^)/