ひねもすのたり。

日々と山と猫と蕎麦屋のこと。

▲北横岳(2,480m)・双子山(2,223m) 2022年6月20日

お花探しの八ヶ岳ハイク。

 

 

今回のルート

大河原峠→天祥寺原→亀甲池→北横岳北峰→南峰→北横岳ヒュッテ→北横岳南峰→北横岳北峰→亀甲池→双子池→双子山→大河原峠

▲合計距離 11.5km

▲累積標高差 1208m

▲コースタイム 休憩含め6時間19分

 

いきさつ

ありがたいことにずっと仕事が忙しく、体が疲れている今日この頃…でもがっつり山を歩いて気分的にすっきりしたいような気がする…でも体力的にちょっと不安が…

という答えの出ないやりとりを繰り返したあと、オットから「前から気になっていた双子池の辺りを見てみたい」という提案があり、それならば数週間前にようやく開通になった大河原峠から行ってみようかという話になりました。

完全に「ゆるふわ」で行くなら双子山・双子池周辺だけでもいいかなとも思ったのですが、それだとさすがに歩き足りないような…。じゃあせっかくだから10年ぶりに北横岳も登りつつぐるっと周回してみよう!ということで山行計画を作ったら結果的に距離10kmオーバー、標高差も1000mオーバーというまぁまぁ良い運動になったのでした。

 

本編

9:24 大河原峠からスタート。

最近日曜日の仕事を終えたあと体が動かなくて…というのは完全な言い訳なのですが、どうも早起きができずに遅めのスタートになってしまいました。

天気予報は晴れ時々曇りだったので悪くはないはず。もっとスカッとした青空を期待していましたが薄曇りといった感じですね…でもこのくらいなら涼しくていいかな。カンカン照りだとつらそうだもの。

大河原ヒュッテの横から入っていきます。縞枯山荘のような大きな三角屋根が素敵ですね。

大河原峠からは蓼科山、双子山、そして私たちが目指す天祥寺原へ行くルートがあります。天祥寺原への道は特に案内板などが無かったのでヤマレコで方向を確認しながら進まねば。こっちか。

少し進むと視界が開けてきました。

足元はぬかるんでシカの足跡がくっきり。昨年、この先の天祥寺平周辺を歩いたときもこんな感じだったな。

足元に気を付けつつ、周りの風景を楽しみつつ行きます。あのモコモコのどれかが北横岳になるのかな?

それにしてもカラマツの新緑が目に優しい。

きれいな色ですねぇ。

しばし歩いて天祥寺原に到着です\(^^)/

まっすぐ行くと昨年歩いた竜源橋への道。今回は左折して亀甲池を目指します。

ここまでほぼ下りでしたが、これからようやく登り。とはいえ少し先からはまた平坦になるのですが。

きれいな葉っぱだな~と写真を撮ったあと、木の幹を見たら札に「タカネザクラ」と書かれていました。おお、タカネザクラミネザクラとも呼ばれる、一番標高の高いところで咲く桜ですね(確か)。この辺りではもう完全に葉桜ですね。

星のようなカラマツの新緑。

少し開けたところで振り返ると、先月登った蓼科山が。存在感ありますね。

ズームしてみると… あ、山小屋だ!可愛い手ぬぐいが目白押しの(もうすっかりそんな印象)蓼科山頂ヒュッテさん。

更に進むと足元に可愛いお花が見られました。葉っぱがイチゴみたい。シロバナヘビイチゴかな??

とても小さいお花なので派手さはないのですが、登山道の両脇にびっしり!!見事な大群生でした。

雰囲気の良い森をもう少し進めば…

亀甲池に到着です。雨池ほど大きくはありませんが、ひっそりとしていてとても良い場所です。こういう山や森の中に突如現れる池っていいですよね(^^)

空は… うーむ、青空ものぞいているけど雲が多いですね。午後になって雷が来ませんように。

池の脇から北横岳方面へ登り始めます。あらら、なんだか急に北八ツ感!!

これまで見られなかった植物たちも見られるように。この写真の中には苔(スギゴケ?)とミヤマカタバミオサバグサ

オサバグサのお花発見(^^)可愛い~森の妖精ですね。

マイヅルソウの葉も。

苔の森に光が射す。

平和に歩き続けていたけどだんだん急になってきたな…。

苔を眺めながらゆっくり行こう。

すごい根っこですねぇ(゜゜)

標高を上げていくと登山道脇にぴかぴかの丸い葉っぱが。イワカガミだ!まだお花は咲いていない様子。北横岳ヒュッテさんの方ではもう開花しているそうだから、この北側の道がきっと遅いんですね。

近くには雪のかたまりが。下界はすっかり暑いけどまだまだ6月ですもんね。

こちらはコバイケイソウの葉。三ノ沢などの大群生地になると別だけど、こうして数株ぽこっとあるだけの場所だと「植えたの?」と聞きたくなるくらいの存在感ですよね。でもみずみずしくて好きです。きれいな緑。

道中、登山道脇からにょきっと伸びていた木。北アのゴジラがなんじゃい、こっちはフタバスズキリュウやぞ!と独り言をいいながら通り過ぎました。

この日、歩いている間中ずっとハルゼミの声が辺りに響き渡っていました。ハルゼミ、そしてヒメハルゼミの鳴き声は、義母さんの旅行メモで覚えました。どう書いてあったかというと

 

ハルゼミ ミョーーーーー

 ヒメハルゼミ ミョーキン」

 

見た瞬間オットと爆笑してしまいましたが、でも実際に山に行くと確かにそのように聞こえるのです。ハルゼミはミョーだし、ヒメハルゼミはちゃんとミョーキンと鳴いています(正確にはミョーキン・ミョーかな?)。今年も聞けてよかったなぁ。

 

あらあら、ふと足元を見るとたくさんの桜の花びらが…

見上げてみたら… あ、あった!タカネザクラのお花がまだ残っていました。可愛いですね~。

更に進むと上の方からワイワイと話し声が聞こえてきました。ようやく山頂だ!!

最後の登りの途中、鮮やかに咲くイワカガミが見られました。相変わらず可愛いお姿。

こちらにも!

さあもうひと登り。

うおー見事に真っ赤。これぞ火山といった雰囲気ですね…。

北横岳(北峰)に到着です。お疲れ様でした!

山頂はちょうど団体さんがいらしたので、写真だけさくっと撮ってもうひとつの山頂である南峰へ向かうことに。

山頂周辺にもお花が色々。イワカガミに混ざって咲いているのはミツバオウレン(写真中央と左上)

特にイワカガミは本当にたくさん見られました。

そしてこちらは…なんだろう??現地では「ここにもミツバオウレンだ~」と言いながら通り過ぎたのですが、よくよく写真を見返してみると…あれ?葉っぱも花の雰囲気も違う。いまだに何のお花かわかっていません。ちゃんと調べてみなければ。

お花を眺めながらルンルン歩いて行ったのですが、途中でぐぐっと下って、しかもクサリ場が…あれ?私たち南峰を目指していたはずでは??立ち止まって現在地を確認してみたら、なんと南峰ではなく大岳方面へ向かっていました(;´Д`)いかん!!

途中から見えた風景。左が大岳かな?右はおそらく三ツ岳。あの辺りも岩ゴツゴツで楽しそうだなぁと気になりつつもいまだに行けていないのですよね…またいつか。

さて、完全に道を間違えているので早く戻らねば!

北峰に帰還。ほんの数分進んだだけで良かった…。案内板もきちんとあったのに何故か「直進だ!」と思い込んでずんずん突き進んでしまった私がすべての元凶でした(あたしゃイノシシか)。オットよすまぬ…。

北峰に戻ってきたら先程の団体さんはもう出発された後だったので、改めて写真撮影。この石碑、さっきも気になっていたのです。字が読めなかったので帰宅後に調べてみたら『脩那羅大天武(しょならだいてんむ)』という江戸時代末頃の山岳修験道行者をお祀りしているのだとか。

この方が脩那羅大天武さん?お顔が崩れてしまったのかな(・・;)

北峰から周りの景色を眺めてみました。お隣には相変わらず蓼科山がどどんと。

北側に目を向けると、何やら山の上に開けた場所が見えます。

なんだか八子ヶ峰とか鷲ヶ峰みたい…だけど方向も場所も全然違いますもんね。どこなんだろうな。

さてさて、次は南峰に向かいます~。

数分ですぐに到着\(^^)/

前回北横岳を訪れたのは10年前の2012年1月。ちょうどスノーハイクデビューをした頃でした。その時はこの南峰までしか行かなかったのですよね。北峰まで行こうか?とも話していたのですがあまりに風が強くて心が負けたんだったかな、確か。

少しぼんやりとしているけど八ヶ岳オールスターズが見えています。

右から西岳、編笠山権現岳(ギボシかな?)

右から権現岳阿弥陀岳、中岳、赤岳。

右から横岳、硫黄岳、その手前にネコ耳の天狗岳

近くの山々は、右が茶臼岳で左が縞枯山かな?去年登ったばかりなのにこうして見るとすぐわからなくなってしまう(;'∀')

あ、下に縞枯山荘が見えてる!可愛い三角屋根。10年以上前に買ったオリジナル手ぬぐいをいまだに愛用しています。また買いに行きたいけど平日は閉まっていることが多いからなぁ…いつか機会があれば。

ここから少し下って北横岳ヒュッテまで行ってみます。

山頂直下にもタカネザクラのお花がたくさん。

またお花見ができて嬉しい限り。

さて!こちらも10年ぶりに訪れる北横岳ヒュッテさん。空いてるかな~…平日は作業などで閉まっていることも多いそうだけど…

おっと!お休みだった!!

昨年の北八ツトレッキングの時も書きましたが、山小屋休業日にあたってしまうというのは平日登山あるあるなんですよね…(高見石小屋の揚げパンもいまだに食べたことがありません)。また機会を作って遊びにこなければ~。

裏のベンチをお借りして小休止させていただきました。

さて、このあとどうしよう…。

体力と時間によっては大岳を経由して亀甲池に戻るルート(難路)を使おうかとも話していたのですが、スタートが遅かったのと最近運動不足だったこともあり、無理せず元の道を戻ることにしました。

トコトコと北横岳南峰へ登り返し(これが地味にキツイ)、更に進んで北峰まで戻ってきました。さっきも気になっていたのですが、北峰の西側がぼこっと凹んで谷になっているんですよね。オットが「これ火口なのかなぁ」と言っていましたが…

(オレンジの指先のところ)

おおーーこうして見るとまさに火口ですね!面白い~。

登りでもそうでしたが、下りも溶岩のような石をちらちら気にしつつ歩いてしまう。ふふふ。

静かな森の中。そういえば登りも下りも亀甲池~北峰の間は誰ともすれ違わなかったな。

苔もみずみずしい。

標高が少し下がったところで、オサバグサとの再会。

葉っぱの形もとても可愛いんですよね(黄色い丸で囲んだところ)。

葉っぱといえばゴゼンタチバナの葉も少し見られました。お花も楽しみですね。

黙々と下り、亀甲池まで戻ってきました。

さて、ここからは双子池方面へ進みます。

また登り…ゼエゼエ。そういえばこの辺りで4人組の登山者さんとすれ違いました。今日は山頂以外では全然人に会っていないので「あっあんなところに人がいるよ!(小声)」と少々びっくりしてしまった私でした…。

この辺りは巨岩がゴロゴロ。

そしてその上から木が生えている…なんとも面白い風景がたくさん見られました。

ミヤマカタバミなどお花に癒されつつ歩いていくと…

わー、双子池に着いた!きれい~~。

思っていたより大きいな…。池のほとりをぐるりと歩いていきます。

対岸にテン泊の方が一組。こんなふうに湖畔にテントを張れるんだねぇ。

笹に覆われた細い道を歩いていく途中ぽっかり空いた小さなスペースがいくつかあったけど、このひとつひとつがテン場なのか!!(写真は撮りそびれました;;)

一ヵ所にまとめて張るんじゃないのね~、これは静かに過ごせそう。でも怖がりの人は無理かも…。

ちなみに↑こちらの大きい池は雌池。小屋の向こうにある↓こちらが雄池だそうです。

雄池は飲み水専用で、水場も兼ねているのだとか。カメラ以外の荷物を持ち込んではいけないようなので少し離れた場所からザックを背負ったままカシャッとな。

双子池ヒュッテさん。せっかくなので少し手ぬぐいなど見せていただきます(^^)

あ、左のオコジョinシュラフ柄の手ぬぐい、SNSで見て気になっていたやつ…!正確には蓼科山荘さんのオリジナル手ぬぐいだっけ?でもこちらも経営が同じなんですよね。右の双子池ヒュッテオリジナル手ぬぐいも渋くて気になったのですが、こうやって飾らないともったいないデザインですよね。仕事中に頭に巻いて使うなら左のかな~…ということでオコジョ手ぬぐいを入手してまいりました。

ああ、でも右のもやっぱりいいなぁ。次回行ったら絶対買おう。

さてさて!ヒュッテを出たら次は双子山を目指します。もうひと山頑張っていくぞ~。

道中、なんだかすごい木がありました。

写真だとうまく伝わらないけどなかなかの大きさ、迫力でした。

そして双子山~ヒュッテ間は歩きやすい道なのかなと勝手に思い込んでいましたが(リサーチ不足)、あらあら、結構笹に埋もれるのね…!?

「ちょっ… まっ……」ガサガサ

踏み跡がしっかりついているので迷うことはないけど笹がビシバシ痛い。

ゼーハー言いながら登り切ると、突如開けたところに出ました。双子山ってこんなところだったんだ!!(これもまたリサーチ不足)

登山道脇には祠も。

そうか、北峰から「向こうに開けた場所があるね~」と言いながら見ていた場所がここなんだ。謎が解けました。

双子山山頂到着\(^^)/

振り返ると… あの辺りが今回行かなかった大岳かな?なんだか瑞牆山を小さくしたような感じに見える(ような気がする)。

あちらは北横岳方面だと思うんだけど…おそらくどれかが北峰でどれかが南峰。もうひとつはなんだろう(;'∀')

蓼科山も相変わらずの存在感です。

そろそろ今日の山行も終わりが近づいてきました。大河原峠まで下っていきます。

ひとつだけ黄色いスミレを見つけました。鮮やか。

ザクザク進めば車が見えてきた~~~。

大河原峠に無事帰還!当初の予定ではもっと楽~に行くつもりだったけど、なかなか良い運動になりました。

というわけで、下山後は…

またいつものお店でラーメンを食べている私たち…山帰りだから肉盛りも許されるはず。美味しかったです。ごちそうさまでした。

 

おまけ。

大河原峠から麓へ戻る道中でレンゲツツジがきれいに咲いていました。そういえばちょうどこの頃、車山の辺りでも見頃だと言っていたっけ。

これからの季節、山では次々といろんなお花が咲くので楽しみですね(^^)