ひねもすのたり。

日々と山と猫と蕎麦屋のこと。

▲守屋山(1,651m) 2021年8月24日

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夏の終わり、近くの里山でのんびりと。

 

 

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【今回のルート】

守屋神社→東峰→西峰→東峰→立石コースで下山→守屋神社

▲合計距離 6.71km

▲累積標高差 700m

▲合計時間 5時間32分(山行3時間27分+休憩1時間57分)

 

【いきさつ】

長く続いた雨も落ち着き、定休日に晴れ/曇りマークが出現した今週。

とはいえ遠くには行きづらい状況なので、近くの里山である守屋山に行くことにしました。ゆめひなさん、たろうさんもお誘いして。

前回守屋山に登ったのは2018年1月。

その時は一番メジャーな(?)杖突峠からのコースだったのですが、山頂で行き会った地元の皆さんから「立石コースが面白いから次はそっちにしなよ」と言われまして。

じゃあ今回は立石コースピストンかな~と思ったのですが…山頂(東峰)直下に守屋神社の奥宮があるということもあり、せっかくなので登りは守屋神社からのコース、そして立石コースで下山しよう!と決めました\(^^)/

 

【本編】

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朝7時、守屋神社で待ち合わせ。

お参りしたあと左側にある登山道を歩いて山頂を目指します。

 

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鳥居には「物部守屋神社」の文字…物部守屋??

守屋神社というと、諏訪の土着の神様である洩矢神(もりやのかみ・別名守屋大臣など)を祀っているのかと思っていたんだけど違うのか。

しかしなぜ物部守屋なんだろうと思って調べてみると、 

物部守屋の次男の武麿が丁未の乱の後、守屋山に逃れてやがて守矢氏へ養子入りして神長となった。

と、守矢氏の家伝にあるそうです。

洩矢神と守矢氏と守屋山と物部守屋…たくさんの【もりや】があって、何がどうなってこうなっているんだか。学のない私からすると「物部守屋の名前が【もりや】だから話がややこしくなってるんじゃないの?(;'∀')」

 

とりあえず、洩矢神は諏訪の神様だから一番最初から存在していたはず。

タケミナカタが諏訪入りした時に抵抗して負けたと言われている。その後はタケミナカタ(諏訪明神)に従い、諏訪上社の神長官(神官のひとつ)を務めてきた守矢氏の始祖となった。

洩矢→守矢→守屋という流れでいいのかな?

 

そこへなぜ物部氏が出てくるかというと…

物部守屋の母方の先祖が諏訪地方に縁があり、蘇我氏に敗れた物部氏がそれを頼って落ち延びてきたという話があるそうで。

物部氏の子孫たちはそのまま諏訪地方に残り、物部守屋を祀るための神社を建立した…という解釈で合ってるのかしら。神様ではなく実在の人物(その地で素晴らしい功績を残した人など)を祀る神社というのは各地にあるかと思いますが、守屋さんも物部一族にとってよっぽど大事なご先祖様だったのでしょうね。

※ところでこの翌週三伏峠でテント泊をしたのですが、時の御柱の話を再読したくて「孔子暗黒伝」を持っていったんです。これまで何気なく読んでいたけど今回はイズモ族とモリヤ族の戦いの場面は思わず前のめりになってしまいました。イズモの神は藤の枝、モリヤの神は鉄の輪を持って戦ったってちゃんと書いてありましたね…今までちゃんと意味を理解していませんでした…(タケミナカタではなくハリ・ハラだけども)。

 

調べてみると興味深いことがもっとたくさんあるのですが、沼にハマっていきそうなのでこの辺で。(素人が興味本位で調べているだけなので間違いがあったらスミマセンm(__)mきちんと知りたい方はご自分で調べてみてくださいね。)

 

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photo by ゆめひなさん

さて、前置きがとんでもなく長くなってしまいましたが山の話でした!

神社の斜め向かいの駐車スペースに車を停めたら、まずはお参りをば。

私(左から二人目)のザックが異様に大きいのは「最近ずっと荷物が軽かったからたまにはテン泊用の荷物を背負わねば」と思ったためなのですが、中身はいつもの日帰り装備+マット+シュラフ+予備の水くらいしか入っていなかったのでそんなに重くなかったという… 意味あったんだろうか?まあいいか、このデカザック一年に1~2回ほどしか出番がないのでたまには山に連れてってあげねばね。

 

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朝の神社はとても良い空気。

 

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お参りをし、たてがみのある狛犬にもご挨拶。

登山道は左側に伸びているのでそちらへ。

 

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はじめは何の案内板もないのですが、少し進むとちゃんと出てきます。

 

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更に進むと鳥居が。その少し手前に…

 

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立石コースとの分岐です。

下りは立石登山口に下りてくるので、そこからこの道を通って神社に戻るか、もしくはずっと車道を歩いて戻るかどっちかだな。

 

立石コースは巨岩がたくさん見られるそうですが、神社からのコースにも色々と不思議なものがありました。

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蛙神?

モレヤが祀るミシャグジ

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写真がうまく撮れてないけど(;'∀')木のこぶが、木にへばりついた蛙のように見えないこともない…ような気がする。ミシャグジさまは色々謎が多すぎていまひとつ理解できていない私です。道祖神信仰と関連があるとかどうとか。

 

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こちらは蛇神(龍)。タケミナカタの祖霊とのこと。

 

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この木かしら。数多くある木の中で、なぜこの木が信仰の対象になったんだろう。

 

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腰掛けの松。

 

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覚…明…なんとかの石碑。

高烏谷山のと同じだっけと思ったけどあちらは覚順さんか。

 

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大きな岩の上にぽつんと建っていたあの石碑はなんだったのかな。

 

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見上げたついでにキョロキョロしてみると、恐竜の足跡…もとい、ダンコウバイの葉。まだ少し先だけど紅葉の季節も楽しみですねぇ。

 

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みたらしの水と聞くと甘~い水を想像してしまう(団子に引っ張られますわね)。

でも「みたらし=御手洗」だとどなたかの山レポで見たような気が。

 

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静かで雰囲気の良い登山道です。難所もなくとても歩きやすい。

 

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人面岩。うむ…いわれてみれば人の横顔に見える…?

 

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あ、これはトリカブトのつぼみかな。

なんて思っていたら、

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だんだんと咲いているものが現れはじめました\(^^)/

きれいな色。秋のはじまりですね。

 

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そうこうしているうちに他のコースとの分岐に出ました\(^^)/

守屋山には山頂が二つ(東峰・西峰)あり、このまままっすぐ行けば西峰に着きます。でも、せっかくだから先に東峰に寄っていこうか~ということに。

 

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東峰を目指す道中、というより分岐のすぐ近くに守屋神社の奥宮があります。なぜ柵で囲われているかというと

守屋山というのは雨乞いの山で、昔は日照りが続くと周辺の人々が 守屋山へ登って雨乞いをしたそうなんです。 そのときにこの祠を谷へ突き落とし、神様を怒らせて 雨を降らせようとしたんだとか…

現代ではもうそんなことはしないそうなのですが「昔の真似をして祠にいたずらされないように」という理由でぐるりと柵で囲ってあるみたいです。

↑2018年に書いた自分のブログからコピペしました。

当時ちゃんと自分で調べたはずなのにすっかり忘れていまして、奥宮の前でオットやたろうさんからそういう説明を聞いたときに「え~そうなんだ」と言っていた私…(;'∀')

 

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奥宮を過ぎてほんの少し行けば、東峰到着\(^^)/

 

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すっきりとしないお天気ではあるけれど、正面に八ヶ岳の山々と諏訪の町が見下ろせます。

 

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諏訪湖もよく見えるなぁ。ちぎれた雲が浮かんで、まるで温泉から湯気が立っているようにも見えて面白い。

さて、景色を楽しんだら西峰を目指しましょう。

 

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稜線に出るとたくさんの蝶々が出迎えてくれます。

このアゲハは…羽の真ん中のところが塗りつぶされているからキアゲハだっけ。ナミアゲハは線になっているんですよね、確か(うろ覚え)。

 

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西峰への道中「元気になる木」「橅難(ぶなん)観音」と札がかけられたブナの木が。これはよく覚えています。

 

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木の幹にできた穴をのぞいてみると二体の観音様が。

 

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ブナの木って佇まいが素敵ですよね。

 

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カモシカ岩。よくこの岩の上にカモシカが立つって…

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これかな?良いお立ち台だわ(^^)実際にカモシカが立っているところを見てみたいな。

 

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そうそう、道中に↑この白いお花をつけた木を見つけたのですが、私の頭の中ではこれはオオカメノキかノリウツギだと思っていまして。なんとなくオオカメノキなのかな~と思っていたら…

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その先にこんな看板が。オオカメノキは秋に赤い実がつくとのこと…

見上げてみると、

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あ、もう実になってる!!

ということはさっきの白いお花はノリウツギかしら(;'∀')もしくは違う名前の何か(いつもいい加減でスミマセン)。

 

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守屋山のさざれ石という岩を通り過ぎたら…

 

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もうひとつの山頂、西峰が見えてきました。

…あれ?この手前にあるラビットハウス(避難小屋)の写真を撮り忘れてるな…なぜだ?

記憶を辿ってみると、「わ~ラビットハウスに着いた~」と前を通ろうとした瞬間、中にいた男性から話しかけられたので写真を撮りそびれたんだっけか。その方は地元の山岳会に所属していてガイドさんもしているらしく、写真展や山のパンフレットなどを持たせてくださいました\(^^)/ありがとうございます!早速店内に置かせていただきました。

 

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話を終えて山頂への道を歩いていると…

柵で囲われたお花畑の中に、アサギマダラの姿が!!

一番好きな蝶なのでついついテンションが上がってしまうわ。可愛いな~。

 

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ひとしきりアサギマダラを眺めたら、西峰登頂♪

お疲れ様でした~~~。

 

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オットが珈琲用のお湯を沸かしてくれている間に…

 

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ゆめひなさんがお人形様とともに舞を披露してくださいました。

 

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高烏谷山以来の山での舞。山頂が異空間に…

今後は他の山でもやってみたい!とおっしゃっていました。楽しみです\(^^)/

 

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写真撮影をしている間にオットが珈琲を淹れてくれました。

(私はなぜこんな持ち方をしているんだろう)

 

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お昼は簡単にコンビニのパン。珈琲に合わせて甘いものを(^^)

 

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あちこちでトンボが飛び交い、山はもう秋の気配。

 

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目の前にはこんな絶景。

前回ここを訪れた時には、毎日のように守屋山に登っているという地元の常連さんたちでにぎわっていました。今回は人も少なくて静かだなぁ…と思ったのですが、お昼に近づくにつれてだんだんと人が増えてにぎやかに。

周りでは「お~〇〇さん、今日は遅かったね~」なんて声が飛び交う。

そうそう、今回は山頂到着時に「オレは今年もう70回登ってる!」というお元気なおじさまとお話させていただいたのだけど、後から別の登山者さんから「あの人ねもう90歳なんだよ」と聞いて腰を抜かしました(;'∀')元気すぎる…

おじさまいわく「こんなに元気なのは山に登ってるおかげ」とのこと。

確かに、年齢を重ねるごとに足腰の丈夫さってとても大事になってくるんだろうなぁ… 私たちは何歳まで山を歩けるのかな。

 

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山頂でのんびりとしたひとときを過ごし、そろそろ下ることに。

 

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東峰まで戻ってきて下界を撮影したら、アゲハの写り込みが。

 

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アザミの花には鮮やかなクジャクチョウも。

本当にきれいだなぁ~うっとりしてしまいます。

 

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立石コースの案内板発見。下山はこちらから。

 

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こちらもよく整備された快適な登山道です。

 

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途中「浅間の滝」との分岐が。せっかくなので寄ってみることに。

 

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左の小さな祠に木花咲耶姫が祀られているのかな。

 

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滝というよりも、岩から水が染み出ている感じ。夏でも涼しそうな場所です。

 

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元の登山道と合流してさらに下っていくと、小さなハシゴがかけられた場所が。

 

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百畳岩(鬼の見張り台)ですって。

 

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photo by たろうさん

せっかくなので登ってみる\(^^)/

 

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男性チームも\(^^)/

木々に囲まれているしそんなに怖い場所ではないのだけど…

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あら、こう見るとなかなかの絶壁ですね(;'∀')

 

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その後も更に下っていくと、突如インパクトのある巨岩が現れました。

 

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おお~~~、これが立石か!

 

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岩の上に小石がたくさん乗っているなぁと思ったら、看板に「小石を乗せて祈ってください」と書かれていました。私たちも適当な小石を拾ってひょ~いと。

 

その後も順調に下り、無事に立石コースの登山口に到着しました。

山の中を歩いて最初の分岐(守屋神社の奥)に戻ろうかとも思ったのですが、道がよくわからず…(;'∀')

 

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結局、車道の端をひたすら歩くことに。

そして無事に守屋神社まで戻ってまいりました~お疲れ様でした!

下山後はどこかでアイスを食べることが多いのですが、今回はゆめひなさんから「高遠の千登勢さんに行きませんか?」とご提案があり…

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絶品かき氷をいただいてきました♪私はいちごと生クリーム。

 

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オットは宇治抹茶

実は私たちも出発前「下山後は千登勢さんでかき氷でも食べるかね~」なんて話をしていたのです。久々に食べられて大満足。ごちそうさまでした。

 

そんなこんなで今回も楽しい里山歩きでした。

やはり守屋山は地元の方々から大事にされている山ですね。

またお邪魔したいと思いますm(__)m