ひねもすのたり。

日々と山と猫と蕎麦屋のこと。

日本原初考。

以前、常念岳大天井岳の山行記録を書いた際に常念山頂のほこらについて少しだけ調べてみたことがありました。

▲常念岳(2857m)・大天井岳(2922m) 2023年7月11~12日【前編】 - ひねもすのたり。

すると祠を管理されているのは諏訪信仰の流れを汲む神社さんだということがわかったのですが、諏訪信仰といえば2~3年ほど前に関連する本を数冊読んでいた時期がありまして。その中の一冊がこちら。

『古代諏訪とミシャグジ祭政体の研究』(1作目) 古部族研究会 編

ミシャグジ信仰や古代の諏訪についての論考がまとめられた一冊なのですが、これがものすごく面白くて、読む手が止まらず一気に読破しました。

古部族研究会とは田中基さん、北村皆雄さん、野本三吉さんが立ち上げた研究会で、巻末のプロフィールから抜粋すると

学生時代からの知り合いで、ともに藤森栄一の著作などから諏訪に関心を抱いていた田中基と北村皆雄が意気投合し、野本三吉と合流して立ち上げた研究会。1974年に在地の研究者・今井野菊を訪ね教えを乞うた糸萱合宿で本格的に始動。

キーパーソンはこの今井野菊さん、在地の研究者であり本職はなんと寒天屋の女将さんだったそうです。

そもそも私がなぜこの本に辿り着いたかというと、神長官守矢家第78代当主・守矢早苗さんの講演動画から今井野菊さんのことを知ったのがきっかけでした。講演の中で「今井野菊さんは『守矢氏の祖先は太平洋から天竜川を遡って諏訪へ辿り着いた』と書かれている」というお話があり、一気に興味を持っていかれた私。

えっ天竜川北上ルートなんだ!今井野菊さんの本を読んでもっと詳しく知りたいな、と思ったものの一般の書籍として販売されているものは皆無。

その中で唯一私でも入手できそうな関連本が、この古部族研究会の本でした。

といってもこちらの本はもともと日本原初考三部作として1975~1978年に出版されたものであり、絶版となっているため入手困難。よっぽどマニアックな線を辿らないと出会うことができないはず。

 

だがしかし。ここで朗報です。

実はこちらの三部作、

2017年に復刊されておりました…!!

ドンドンパフパフ~~~\(^^)/\(^^)/

 

つまり文庫版がアマ〇ンなどの通販サイトで気軽に買うことができるんですな。

その事実を知った私は「じゃあ今度ポチっとこ~」と思いつつも数日間そのまま過ごしていたわけです(いや早く注文しなさいよ)。

そんなある日、岡谷のブック〇フに立ち寄り何気なく本棚を見ていると…

う、うわぁーーーー!!ここにいた!!!

と、まさかのブック〇フでの出会いでした(;'∀')

 

…すみません、本の内容にも触れず本とのなれそめについて長々と… おそらく誰も興味ないであろうことについてだらだら書くのはもしかしたら私の唯一の才能なのかもしれない。

その時一緒に購入したのがこちらの『諏訪信仰の発生と展開』(3作目)。

もう一冊の『古諏訪の祭祀と氏族』(2作目)はありませんでした…。

ちなみにこの時、他の著者さんが書かれた『天白紀行』という本が隣に並んでいたので購入しましたが、こちらも日本の古層シリーズでした。ちょうどよかった。

というわけで3部作のうち1作目と3作目を無事ゲットした私。

しかし1作目を読破したあと「間が一冊抜けてるからなぁ~…」と3作目になんとなく手を付けないまま積読状態にし、2~3年経過…

そして今年、冒頭の常念岳山頂の祠について調べたのをきっかけに「そうだこれを読まなければ」と、ようやく3作目を読み始めました。

ちなみに2作目はまだ入手しておりません…!!(2024.4.3現在)

ほんと何やってんだ状態で日々過ごしております。いよいよネットで注文しなきゃな。

 

3作目の『諏訪信仰の発生と展開』はまだ読んでいる最中ですが、これを読むと千鹿頭神に俄然興味が湧いてきます。洩矢民族直系の千鹿頭民族とも呼ぶべき人々。諏訪より東へ広がっていった千鹿頭神信仰の中に、人々の足跡を辿ることができる…といった内容。

今井野菊さんはミシャグジ信仰のほか千鹿頭神の踏査もされていたそうなので「なぜなのかなぁ」とぼんやり疑問に思っていましたが、そのきっかけについても触れてあり、謎が解けました。私も親都神社の森の中に腰を下ろしてキャラメルを食べたい。

続きも楽しみながら拝読したいと思います_(._.)_