ひねもすのたり。

日々と山と猫と蕎麦屋のこと。

▲燕岳(2,763m) 2022年7月13日

はじめましての山で一生分のコマクサを見た日。

今回のルート

中房温泉登山者用第1P→燕山荘→燕岳山頂 ※ピストン

▲合計距離 11.2km

▲累積標高差 1,673m

▲コースタイム 8時間22分(休憩含む)

 

いきさつ

北アルプスの中でも屈指の人気を誇る燕岳。

行ってみたいな~と思いつつ、駐車場も山も混雑しているんだろうなと思うとなかなか足が向きませんでした。でも今年7月「燕岳のコマクサが見頃ですよ」という情報を聞いてからどうしても行ってみたくなって…。雨上がり、曇り予報、そして三連休直前といういかにも空いていそうなタイミングを狙って出かけてまいりました。

本編

午前4時すぎ、中房温泉の登山者用駐車場に到着。

ハイシーズンには前泊の方々の車で満車になるそうなのでドキドキしながら向かいましたが…良かった、まだまだ空いてる!すんなり一番近い第1Pに停められました\(^^)/

4:32 身支度を整えて出発です。駐車場から数分歩くと登山口のある中房温泉に着きます。トイレがあるので(駐車場にも仮設トイレがあったけど)お借りしていきますm(__)m

朝一番の登りは息が切れるな…なるべくゆっくり行こう。

この日の予報は曇り時々晴れ。まぁあんまり期待せず、雨に降られなければヨシとしよう。

5:16 第一ベンチ。

今回は里山に比べると若干長めの日帰り山行なので、またおにぎり作戦決行です。

※おにぎり作戦→お米3合に薬味、ごま油、塩、梅干しなどで味付けして110g×8個のおにぎりを作り、二人で4個ずつ持っていく。登りの道中およそ1時間ごとに食べる。

あ、ギンリョウソウだ。何気に今年初めて見るなぁ。

わ、ゴゼンタチバナがたくさん!可愛い。

これは何だっけ?オットが調べたところイチヤクソウとのこと。

5:45 第二ベンチ。間隔が短くさっき食べたところなので水分補給だけして進みます。

シャクナゲが咲いていました(^^)嬉しい~。これはハクサンシャクナゲでいいのかな?

おお、木々の向こうから朝陽が昇り、光が満ちていきます。

そして反対側を見ると青空!!

6:18 第三ベンチ。

こちらにもゴゼンタチバナ。昨日の雨がそれとも朝露か、緑がしっとりしていてきれいです。

小さくて可愛いお花たちが迎えてくれて、既に写真を撮る手が止まらない。

南には雲海と青空ですよ~。山の上からの景色は素晴らしいんだろうな。といっても私たちが山頂に着く頃にはガスにまみれていそうな予感…。

遠くの絶景も気になるけどまずは足元の小さな風景を。カニコウモリの群生が出現です。

あ、カニコウモリといえば!!他の方の山行記録をチェックしたところ、私たちが登ったほんの数日前に「サンカヨウが咲いていた」と書いている方がいたのです。(なぜカニコウモリといえばサンカヨウなのかというと、葉っぱが似ている印象だからです^^;)

雨上がりだし、もしかしたら透明になった花が見られるかも…!?←これも今回の目的のひとつなのでした。

お花たちをちらちら気にしつつ登っていきます。

燕岳へと続く合戦尾根は北アルプス三大急登のひとつと言われているそうなのですが、同時に初心者にもおすすめの入門コースとも聞きます。

一体どっちなんだ…!?と思ってしまうけど、実際に歩いてみるととにかく手入れが行き届いた歩きやすい道でびっくりしました。

そして急登というよりも緩くだらだら登っていくような印象だったんだけど…どの部分が急登だったのかな。強いて言えば木で作られた階段が多くて段差が微妙に高いから、私のように短足民にはちょっとキツイなという程度。

登山道について思ったことがもうひとつ。燕岳は花崗岩の山なのでこういう「いかにも御在所岳」な場所がいくつもありました。懐かしいなー。

6:43 富士見ベンチ。休憩ポイントがたくさんあって助かります。

みずみずしい緑。

あ、サルオガセだ。ここも良い森なんだなぁ。

おぉーすごいモコモコ!ここも御在所っぽいけど御在所よりもモコモコしているかも。

そろそろ合戦小屋かな?という頃、まさにそんな看板が!がんばろー。

あ、ナナカマドの花が咲いてる。夏山感ありますね。

ひょっこりイワカガミ。

ちまちまとマイヅルソウ

ツマトリソウも見られました。可憐ですね。

7:20 合戦小屋に到着しました\(^^)/

こちらの小屋といえばスイカが名物なんですよね。食べようかなとも思ったのですが、おにぎり作戦でわりと満腹気味だったので小休止だけして出発です。

ここまでとても元気に歩いてきましたが、小屋を過ぎた辺りからちょっと疲れが…。というわけでしばらくぶりにポールを出すことにしました。運動不足だなぁ。

途中のベンチのところにこんな看板が。そして近くの木にバサバサッとやってきた鳥が… も、もしや雷鳥!?

違った、ホシガラスだ\(^^)/雷鳥も可愛いけどホシガラスも山でぜひ出会いたい鳥。カッコいいですよね。昨年は塩見岳方面でホシガラス祭りだったのを思い出します。

ホシガラスに出会い、お花に癒されながら、更に歩いていきます。

ふと前を見ると… ややっ、もしやあれは…

天空の城、竹田城!! …もとい、燕山荘だ!

山頂はもっと先ですが、ひとまず目的地が見えると俄然力が湧いてきますね。

そうそう、この辺りはコース上で唯一のクサリ場があるところ。といっても全然危ないところではなく(もちろんうっかり転倒には注意ですが)クサリを使わなくても十分通過できる程度でした。

植生も変わってきましたね。チングルマがお目見えです。

あわわ…竹田城(燕山荘)がみるみるうちにガスに飲まれていく…

気は焦るけどこの辺りもお花がたくさんなので全然進まない…!!コバイケイソウこんにちは。

「そういえばサンカヨウ見つけられなかったね~」と話しながら歩いていたら、オットが見つけました!!ただ、もう花が終わっていたけど…(;'∀')

あっ、ここにかろうじてひとつだけ咲いてた!でも全然透明になってない…!!まぁいっか、ひとつでもお花を見られてよかった(ということにしておこう、うむ)。

黄色いお花たちはいまだに覚えられないんですよね。キバナノコマノツメ?でも葉っぱが違う… おそらくオオバキスミレ(違うかも)。

つやつやしているのはキンポウゲ。ということできっとミヤマキンポウゲ

これは大丈夫、シナノキンバイ。花びらが大きくて優雅だなぁ。

これはウスユキソウの葉かなぁ?日本のエーデルワイスですね。燕山荘近くにたくさんありました。

またまたシナノキンバイと、

…これはなんだっけ?オットが調べたところテガタチドリだそう。覚えていこう。

8:25 お花に気を取られながらも無事燕山荘前までやってまいりました。まずは山頂を目指して、帰りに寄らせていただこうかな。

山頂方面…おお、予感が的中し見事に真っ白です…。

よく雑誌やSNSなどで見かける「これぞ燕岳」という眺めが見たかったんだけどなぁ。またリベンジせねばね~。

でも西側に目を向けると… ちらりと見える山肌が絶景!!

そして足元には、早速コマクサが…!!

わー可愛い、きれい!\(^^)/

えっ、えっ、確かに満開だとは聞いていたけど、それもそうだけど、こんなにたくさんあるの…?右も左も、上から下までずーーーっとコマクサ。衝撃すぎる…!!

こんな大群生が道中いくつも見られました。すごいんだな、燕岳って…。

そして西側の眺めに何度も見とれて。はぁー。鷲羽岳とかその辺りなのかなぁ(ざっくり方角)。

ん?あの筋は… 沢か!!写真でも青いけど肉眼で見たらもっと青く見えて「ブルーシートでもかかってるのかな?」と本気で思ったほどでした。

帰宅後に地図を見ていたオットが「湯俣川という川かな?」と言っていたっけ。伊藤新道のあたりになるのかな。

いつか歩いてみたいけど私の技術体力ではおそらく無理(;'∀')

 

さてさて話は燕岳の稜線に戻りまして…

こちらには有名なイルカ岩というものがあって写真をよく見かけるのですが、「そういえばイルカはどこにいるんだろうね」と話しながら歩いていくと…

わー突如イルカ出現!これか!!

実物は思ったよりもイルカでした。そしてデカい。

あ、稜線上にもハクサンイチゲが咲いていました。可愛いなぁ。

そして山頂方面がますます白く…

でもほんのちょっと青空が覗いたり。これだけでも嬉しい。

途中、有名な「めがね岩」がありました。イルカ同様これも本当にめがねに見えるな~と思ったのですが寄りすぎちゃってよくわからない写真に(;'∀')帰りはもっと離れて撮ろう。

また西側の山をチラチラ眺めながら歩きます。

本当にうっとりな眺めです。この雪渓の多さ、まさに北アルプスですねぇ。

そしてコマクサも相変わらずそこらじゅうに咲いています。天国のような場所だなぁ。

山頂に近づくにつれて青空が増えてきたような。

オットが撮ってくれた引きの写真だとわりと晴天の山歩きっぽく見えますね\(^^)/

最後の登りの前に分岐が。北燕岳ではなく燕岳頂上を目指すので真っ直ぐですね。

ここにも木の階段が設置されています。

階段が終わるとモコモコ花崗岩ロード。隙間を縫うように登っていって…

あの上が山頂か!岩が削られてどこかの古代遺跡のよう。

9:02 燕岳山頂に到着しました~お疲れ様\(^^)/

誰もおらず貸し切り状態だったのでザックを下ろして休憩していたのですが、すぐ隣の岩に…

ピョン!あらら可愛い~イワヒバリかな?結構近くにやってきてウロウロしていたのだけど、こちら側が慌ててしまってうまく写真が撮れず…

トットコト~。ああ、行ってしまわれた…可愛いお姿でございました。

鳥といえば、他の方とすれ違う時に何度か「雷鳥に会えました?」と訊かれたなぁ。私たちは残念ながら会えず。同じ時間帯に歩いていた他の皆さんも会えなかった様子。次回は会えるといいな~。

うーむ、ガスが晴れるのを待っていたのですがますます白くなるばかりですね…。今回は日帰りだからぼちぼち行きましょうかね。

下山中もお花観察。セリ科の花火みたいな花と、真ん中のは随分白っぽいけどこれもハクサンフウロなのかな?

今回わからなかったのはこちら。クロユリだ!と思ったけどクロユリって確かもっと黒い、というか暗い色ですよね… 似ている花だとするとオキナグサ?でもオキナグサは確か毛が生えてふさふさしていますよね。季節も違うような…。

もうちょっと調べてみよう。

コマクサに日が当たってキラキラ。一段とお美しい。

本当に贅沢な眺めだなぁ。日帰り可能なら思い立った時に動けるから、毎年ここへコマクサを見に来ようかな。

めがね岩のところまで戻ってきました。後ろが白い(;'∀')

登りの時に気付かなかったイワギキョウ。きれいな色です。

西の山々もだいぶ飲まれてきましたねぇ。

イルカ岩まで戻ってきました。左奥には燕山荘も見えています。

お口がリアルで可愛いなぁ。また遊びにきますね~。

そうそう、以前の投稿でも書きましたが燕Tシャツのお兄さん方との出会いもありつつ(^^)

そして燕山荘に到着です。

小屋の前には、かの有名な山男さん!実物だ~。

「よく来たな」という声が聞こえたような聞こえないような(妄想)。

次は青空の下で会えますように。

小屋の向こう側が大天井へのルートなんですね。

帰宅後、山地図を広げて「縦走するならどういう行程にするか?」についてあれこれ考えていました。すぐ行くわけでもないのに、車の回収のためのバスの時刻表までチェックしてしまって(;'∀')またいつかの機会にね、楽しみです。

一度燕山荘のテン場でも泊まってみたいなぁ。

さて…小屋でTシャツや手ぬぐいを購入したり、しばし休憩したりしましたが、一向にガスが晴れる気配がないので今回はぼちぼち下りましょうか。また来ますね~~~。

下山でもまたお花畑に捕まってしまう。

ハクサンイチゲシナノキンバイの群生、ガスの中だと幻想的ですね。

あ、ハクサンチドリもありましたね。気付かずすみません。

お花畑を過ぎたあとはほとんど写真も撮らずに黙々と下山。唯一撮ったのは、

こちらのイワカガミ。花びらがぱーっと開いていて面白かったな。

次の写真はもういきなり中房温泉登山口。ケガもなく無事に下りてこれました~!

12:53 駐車場に到着~~~お疲れ様でした!!

憧れだった燕岳、今回はガスガスでしたが無事に山頂に立つことができてよかったです。コマクサもあんなにたくさん咲いているとは思わず本当にびっくりでした。

合戦尾根もとても歩きやすかったし、これは毎年の恒例にしたいなぁとひそかに思っております。

 

おまけその1、下山後はやっぱりアイスですよねぇ。今回は安曇野市内のジェラート屋さんへ。美味しかった~。

 

おまけその2、山小屋で買ったあれこれ。袋に入れたまま写真を撮ってもわけわかんないけど(;'∀')燕山荘で購入した手ぬぐい2枚、オット用の燕Tシャツ。合戦小屋で購入したクマ&スイカ手ぬぐい。

手ぬぐいはついつい買っちゃうんですよね…でもお店で頭に巻いているとお客様から「それ〇〇山のですよね!?」とお声がけいただくことがあるのでそれも嬉しい♪