大迫力の氷瀑を眺めに、木曽へ。
清滝駐車場→清滝→新滝→新滝駐車場→清滝駐車場
【合計距離】1.7km
【累積標高差】160m
【コースタイム】1時間50分
いきさつ
しばらくぶりにしっかりと寒い冬。ふとしたことから「氷瀑を見に行こう」という話になりました。近場で有名なのは戒壇不動の近くにある不動滝(高森町)かな~と思ったのですが、数か月前に林道が崩れたらしく通行止めとのこと…。
じゃあどこか他のところへと思っていたところ、オットが「ここが良さそうだよ」という場所を見つけてくれたので、早速向かうことに。
本編
向かったのは木曽・王滝村にある清滝と新滝。
田の原へ向かう、御嶽山の3合目付近に「清滝(きよたき)」と「新滝(しんたき)」があります。清滝は高さ30m、古くから滝行が行われることで知られています。
昔、御嶽山に登るには「百日精進潔斎」(100日間修業をし、身を清める)をおこなわなければ、登拝は許されないという厳しい伝統がありました。今でも、夏になると滝にうたれる信者さんの姿を見かけることができます。
冬になるとこの滝は、その姿が氷の柱となり、ライトアップされるその氷の青さに目が奪われます。 また新滝は滝の裏側からも見ることができることから、「裏見滝」とも呼ばれています。(王滝村公式サイトより)
現在も修行が行われている神聖な場所…ウキウキの観光気分で訪れるのは少し気が引けるような思いもありますが、氷瀑はぜひ見てみたい…!
ちなみにこの二つの滝はすぐ近くにあるので、歩いて両方回ることもできます。※どちらにも駐車場があるのでもちろん車で行くことも可能。
私たちがまず目指したのは清滝。
道路沿いの駐車場に車を停めると… ややっ、既に氷瀑が見えてる!!(写真左上)
水の流れる音も聞こえるな…完全には凍っていないのかな。でも楽しみ~。
はやる気持ちを抑えて、まずは清滝不動尊にお参り。お初です。お邪魔します。
では滝へと続く階段を上っていきましょう。
…おお、ここにもクマよけの鐘が。木曽は立派な鐘が多いですね。今はまだ時期的に大丈夫だよね…クマさんm(__)m
上り始めは雪がありませんでしたが、だんだんと出現。
足元に気を付けながらゆっくり上っていくと、上からカメラと三脚を手にした男性が下りてこられました。「滑るから気を付けてね~」と声をかけてくださったそのお方の足元にはしっかりと滑り止めが。うむ、私たちも一応チェーンスパイク持ってきたからここらで着けておくか。
軽アイゼンと迷ったけど、チェンスパにしておいて正解でした。凍ってツルツルのところもあったけど、石段や木の階段が露出しているところも結構あったので、軽アイゼンだとそういうところで難儀したかもなぁ。
サクサクと階段を上り、滝に近づいていきます…
おお、ついに…
ドドーン!!すごい迫力!!!
…なんだけどこの日は望遠レンズのみだったので(標準レンズが壊れたのです)全体が入りきらない!!
というわけでスマホで撮影↑
左下に小さく写っている人影がオットです。
山の中で沢や小さな滝が凍っているのを見たことは何度かありますが、このスケールの氷瀑は初めて。こんなふうになるのか… 感激です。
滝をひとしきり眺めたら、赤い橋を渡って…
清滝不動尊、清滝弁財天が祀られているお社にお参り。
…と、その前に「←お手水」という看板を見つけたので奥へ進んでみると、
あら素敵な壺。水はじゃんじゃん流れているけど、周りは
はねた水が凍って芸術的。
すぐ近くには男女別の更衣室が。滝行をする方々はここで着替えるんですね。
お参りを済ませ、岩壁を見ると…なんとも見事なお不動様の姿。
左は弁天様なのかな。弁財天…は…パールヴァティーだっけ→ネットで検索→サラスヴァティーだった… という流れを何度もやってしまいます。ブラフマーが顔面を5つに増やしてまでも追いかけた川の女神様だっけか。(そんな変な話ばっかりなぜか覚えている)
そして再び氷瀑に見入る…いつまでも眺めていられるな。
それでも、そろそろもうひとつの新滝へ向かおうか。
新滝方面にはこの矢印の通りに進んでいきます。
そこそこ雪がありますが…
しっかりとしたトレースがあるので大丈夫でしょう。
少し進むと階段が出現。
これがまた結構登るんですよね… 息切れが… 運動不足の身にはつらい。
無心で登っているうちに、気付けば先程の清滝よりも高いところまで来ていました。木々の向こうに滝を見下ろす…これもまた感動の風景。
そして分岐に到着!(ピンぼけでゴメンナサイ)
新滝の上に行くか…それとも入口に行くか。どっちがいいんだろう?少々悩んだものの、せっかくここまで登ってきたからもう少し上まで行ってみよう!ということになりました。
そうそう、この分岐にはこんな可愛い木の看板が。
これって、昨年沢渡峠に登ったときに見かけたのと同じなんですよ~。協力隊の方々が作られてるのかなぁ。
さてさて、滝の上を目指して更に登っていきます。
誰もいない、とても静かできれいな場所。
そして頭上にはまぶしいくらいの青空。
これはとても良い冬のお散歩コースだなぁ…
雪はやっぱり多いですね。一番深いところで膝下くらい。トレースがなければ大変そうだわ(;'∀')
新滝分岐に着きました。でもまだ上があるのか…?ほんの30mだそうなので試しに行ってみたけど…
特に景色も変わらず、よくわかりませんでした(・・;)ちなみにここから十二権現という所に行けるそうなのですが…
こっちか。500mあるみたいだしトレースもないので、まぁいっか、ということに。権現様には心の中で手を合わせておきます…。
分岐のところまで戻って、
滝の方へ下っていきます。
この辺りも意外と急。ずるっと滑りそうなので慎重に…。
私がトロトロ下っていると、前を歩いていたオットが「すごいよ!滝が青いよ!!」と騒いでいます。ちょっと待て、こっちは今それどころじゃないんだよと思いつつ安全なところで足を止めてみると…
おおーーー!!あれが新滝!!青い!!!
遠くからでも威力がビシバシと伝わってくるブルーアイス…すごいな~。
ようやく滝の近くまで下りてきました。こちらの新滝にも修行をする方専用の小屋やお手洗いがあります。
ガチガチに凍っていらっしゃる…。
おや、これは氷筍というやつですね?上から滴る水が凍りついてニョキニョキしています。
新滝不動明王や八大龍王などの神様が祀られているお社にお参りをば。すごく雰囲気の良いところなんだけど…
お社上部の岩壁もすごすぎる…!!(また写真に納まりきらずスマホ撮影)
この岩壁のあちこちにも巨大なつららが。あぁ~ほんと望遠レンズしか持っていないのが惜しい(T_T)早く手頃な標準レンズを買い直そう(広角レンズも憧れるけどお高そうだわね)。
滝の一番近くにあるお社でも氷筍がニョキニョキと。
洞窟の奥の方でも群れを成しているようでした。
ちなみにすぐ横には大迫力の新滝。こちらも完全には凍っていないので上からはドドドドド…という大きな滝の音が聞こえてきています。
順路通り(?)下の駐車場から行けば新滝の真正面に出るんだろうけど、私たちは上から歩いてきたのでずっと滝の横顔を見ている状態。ここらで一度下まで降りて真正面から眺めてみようかとも思ったのですが…
石段を下りた先にあるこのお堂が気になりすぎて…。先にこちらへ吸い込まれてしまった私達なのでした。随分と大変なことになっております。
先にお堂の中に入ったオットが撮ってくれた一枚。日中わりと暖かかったので、つららが落ちてきて頭に刺さるんじゃないかとヒヤヒヤしながら「つらら暖簾」をくぐると…
うわ…なんだこれは…!何もかもが凍り付いて大変なことに。
まさに凍てつく世界。こんなの初めて見ます(゜゜)
榊や紙垂も氷に飲み込まれて。
鮮やかなお花も、
きれいなまま凍り付いている…。こんなふうになるんだ。
ちなみに足元はツルツル。ここまでの道中は「ツボ足でも気を付ければ大丈夫かな」くらいでしたが、ここはアイゼンかチェンスパなどの滑り止めがないと立っていられないレベルです…恐ろしい。
周りには、とけて落下したつららが数本。これに色が付いたら完全に黄金糖だなぁ…。
さて、お次は…??向こうに進むのかな?(既にオットの姿がない)
再びつらら暖簾をくぐると、(またオットが向こう側から撮ってくれたけどすごい風景だな)
わーーーー!!!氷のカーテン、そして豪快な水しぶき!!
どこを見ても「すごい…!!」しか言葉が出てこない。
ここ新滝は滝を裏側から見る「裏見滝」が有名と聞いたけど、こういうことだったのか~。
しかし…頭上には鋭利なつららがズラリ(;'∀')しかも時々落ちてくるので恐怖でしかない。つららがない安全そうな場所を選んで行き来しました。
滝にばかり気を取られてしまいましたが、ここは洞くつのようになっていて奥にはたくさんの石碑が。御嶽信仰だと霊神碑というんでしたっけ。
こちらでもたくさんの氷筍が見られたのですが…なんと奥には仏様のような形になった氷筍が。ありがたや…m(__)m
時間もあるので、もうしばらく氷瀑見物を楽しませていただきます。
なが~く伸びたつららが地面(氷面?)に着いて、氷の柱になっています。
奥にあった小さな水の流れも凍り付いて…。
まさにブルーアイス。なんと純粋な色なんだろうな。
小さな氷の塊ひとつひとつが宝石のようにキラキラ。
頭上からの恐怖に少々怯えつつも…ずっと眺めていたくなる風景でした。
でも、そろそろ行きましょうか。まずは先程通ってきたお堂へ向けて。足元が完全にツルツルな上にデコボコしてるので超緊張します…。
ここを抜けたら、滝の横を少し下っていきます。そうすると、
ここでようやく滝の正面に出るわけです。
裏側からの眺めも素晴らしかったけど、やはり正面からの迫力はすごいですね!立派な滝です。
正面には写真撮影をされている方がお一人いらっしゃいました。よく考えたら、先程までいた滝の裏側は見事に貸し切り状態だったなぁ、なんて贅沢なひと時だったんだろう(゜゜)
清滝に修行をする方専用の更衣室がありましたが、こちらにも更衣室らしき小屋がありました。そしてこんな注意書きも。マナー良く滝見物を楽しみましょう。
名残惜しいですが…駐車場に向けて歩いていきましょう。
こちらの道も積雪量はぼちぼち…だけど気を付ければ滑り止めなしでも大丈夫そう。
こちらも入口すぐ近くに鳥居と小さなお社。一応上からの道もちゃんとしたルートになっているんだろうけど、気持ち的には鳥居をちゃんとくぐって滝へ向かった方がよかったのかなとつい思ってしまう(;'∀')でも上の道もすごく良かったからまた同じルートで歩きたいな。
鳥居のすぐ先には新滝の駐車場。私たちは清滝の駐車場に停めたので、ここから少し車道を歩いていきます。
テクテク。平日だし交通量は決して多くないけど、路肩の雪と車に気を付けながら数分歩いていけば…
あ、車が見えてきた(^^)さっきより車が増えているなぁ…といってもたった4台だけど。ちなみにこのとき午後1時過ぎ。午後の方が人出があるのかな。
私たちが駐車場に着いたときにちょうどこれから出発される方がいて「氷瀑どうでした?」と訊かれたのですが、まだ興奮が冷めない状態だったので「いやもうすごかったですよ!!特に滝の裏が!!ぜひ!行ってみてください!!!」と力説してしまいました…(;'∀')引かれたかも。
清滝も新滝も、それを結ぶ山道もとても素晴らしかった~これは来年も絶対来なければ。またひとつ冬の楽しみができました\(^^)/
おまけ。
帰り道にて。伊那谷でもよく猿に出くわしますが、木曽も多いですね。車を走らせながら「あ、猿だ」「あ、また猿だ」「向こうにもいるよ」と言いながらの帰り道でした。
この日はお天気が良く山々もきれいに見えました。あれは三ノ沢かな?いまだに木曽側からの山座同定には自信がありません(;'∀')
そして無事伊那谷へ帰りついた私達でした。また木曽へ遊びにいこう。